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グリックの冒険

ぐりっくのぼうけん

グリックの冒険とは、斎藤惇夫の児童文学作品、およびそれを原作とするアニメーション映画。
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概要編集

かの有名な「冒険者たち ガンバと15ひきの仲間(後にアニメ化されたのが『ガンバの冒険』)」の生みの親であり、日本児童文学者協会新人賞を受賞した斎藤惇夫氏が新たに手掛けた作品。タイトルの通り、主人公がガンバではなく、シマリスのグリックとなっているため、言わばガンバシリーズのスピンオフ作品とも言える。

アニメ版編集

1981年7月21日にアニメ化され、劇場公開された。

キャラクターデザインは椛島義夫。椛島は『ガンバの冒険』においてもデザインを手掛けているが、制作会社間の版権問題から『ガンバの冒険』のデザインを使用できず、まったく異なるデザインとなった(その為、ガンバの冒険を先に視聴したファンが本作を視聴した際、違和感を覚えた人もいるはず)。こうした事情のためか、本作は『ガンバの冒険』シリーズに含まれておらず、しかもあちらと比べて知名度が低いせいか、未だにDVD化もされておらず、現在は視聴が困難となっている。

あらすじ編集

姉のフラックと共に人間に飼われていたシマリスのグリックは、伝書鳩のピッポーからリスがたくさん暮らすという『北の森』のことを聞かされる。自由に憧れたグリックは、フラックに背中を押され、森を目指す旅に出る。だが、小さなシマリスのグリックにとって、町はあまりに巨大で北の森は果てしなく遠かった。


途中でドブネズミのガンバと出会ったグリックは、成り行きでドブネズミとクマネズミの戦いに加わった後、ガンバに案内されてリスが住む森に到着する。しかし、グリックが辿り着いたのは北の森ではなく、動物園だった。当初は北の森に行く目的も忘れ、そこで暮らすリス達にこれまでの冒険を何度も語るグリックだったが、そんな彼に何者かが声を掛ける。

「あなたはもう北の森には行かないのか」「もうずっとここ(動物園)で暮らすつもりなのか」、と。

それを聞いてようやくグリックは自分の目的を思い出し、動物園を抜け出して北の森へと向かう。


そんなグリックの後を、一匹の雌のリスが追ってくる。

彼女の名前は「のんのん」。あの時、グリックに告げた声の主だった。

グリックと共に動物園を抜け出してきたのんのんは、一緒に北の森を目指すという。当初は「足手まといになるから連れて行けない」と断固として断るグリックだったが、そんなのんのんに困惑しながらも見捨てておけず、一緒に旅をすることにする事にしたのだった。

行く手に立ち塞がるノスリキツネといった恐ろしい捕食者。更に最大の脅威「冬眠の前兆である睡魔」もまた、2匹を苦しめる。


果たしてグリックとのんのんは無事に北の森に辿り着けるのだろうか…?

登場キャラクター編集

主人公。姉と共に人間に飼われていたが、ピッポーから北の森の話を聞き、そこへ目指す決意をする。

アニメ版では首に黄緑色のスカーフを巻いている。旅の中でノスリやキツネを始めとした敵の襲撃や過酷な自然をのんのんと共に乗り越えつつ、次第に逞しさを増していく。

ヒロイン。動物園で暮らしていたシマリス。かつて北の森で暮らしていたという母親から故郷の話を聞かされ、北の森へ行くことを望んでいたものの、そのせいで仲間から嫌われ、孤立していた。

やがて、自分と同じく北の森へ行く事を望んでいたグリックと出会い、動物園を抜け出して共に旅をすることになる。

尚、上記の理由で仲間から右足を負傷させられてしまった為か速く走る事が出来ず(アニメ版では当初は傷を負っておらず、グリックとの旅の途中で民家の柿を取ろうとして猫に襲われた際、木から地面に落下して負傷するという形になった)、これが北の森への到着が遅れてしまう原因となってしまう。

伝書鳩。グリックに北の森のことを教え、彼が旅立つきっかけを与えた。終盤ではキツネの襲撃からグリックやのんのんを守ろうとするなど、果敢に立ち向かっている。

グリックの姉。弟とは違って病気がちな為、共に旅に出られず人間の元に残り、グリックの旅立ちを見守る。

グリックが町の中で出会ったドブネズミ。

ふとしたことからグリックに助けられ、その恩返しに彼を北の森へ案内することを約束する。クマネズミと戦いの後、約束どおりグリックを北の森へと案内するが、そこが遠く離れた北の森だと理解していなかったため、勘違いで動物園に案内してしまう(最も、このおかげでグリックはのんのんと出会うきっかけとなった)。

グリックが動物園で出会ったリス。余所者であるグリックを歓迎する一方、のんのんには上記の理由で冷たく当たっている。

グリックとのんのんが旅の途中で出会った野生のリス。「もうすぐ冬が来るから北の森には行かない方がいい」と忠告するも、その直後ノスリに捕獲されてしまう。

余談編集

  • 本作に出てくる動物園は、当時斎藤氏が住んでいた自宅近くにある「井の頭自然文化園」内の動物園とされる。また、グリック達が目指す「北の森」は、著者が幼少時代を過ごした長岡の自然をイメージしたものだとのこと。
  • のんのんの声優に至っては、当時はプロアマ問わず一般公募によって決定されたのだが、その応募者は何と2300人にのぼったという。最終的には麻上洋子氏に選ばれたが、その他のオーディションの合格者も、劇中に登場するシマリス達の声役で出演している。

スタッフ編集

原作:斎藤惇夫

脚本:田波靖男

キャラクター・レイアウト:椛島義夫

作画監督:山崎猛、葛岡博

美術監督:なかちか東

撮影監督:結束義博

録音監督:山崎宏

効果:依田安文

音楽監督:小六禮次郎

編集:井上和夫、越野寛子

主題歌:鯨井ゆかり「自由の森へ」

監督:西牧秀夫

アニメーション制作:スタジオ古留美

製作協力:親子映画東京連絡会

配給:共同映画全国系列会議

関連タグ編集

東京ムービー シマリス

ガンバの冒険:姉妹作品。尚、こちらの劇場版作品の公開は本作よりも後である。

ガンバの冒険→本作ガンバとカワウソの冒険

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