「私はゲルガーと申します。かつて皇都警備隊として身辺警護を行っておりました。」
cv:宮崎寛務
概要
巨神肩にある「盟友の岬」を訪れたメリア一行の前に姿を表したハイエンター。
皇都警備隊に所属していたころ一瞬だけメリアの素顔を見たらしい。(本編を見れば分かるように、メリアの素顔は大衆には晒されていなかった)そのため「メリア陛下」と呼んで恭しく接してくる。
だが彼の言動からは少々狂気的なものが感じられるような気がするが……
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ネタバレ
「この研究が未来?勝手に滅んだ種の再生が未来などと?ハイエンターの未来は我々です!ハイエンターはすべからく混血であり、混血こそがハイエンターの真の姿!」
「もうよいわ!貴様を廃し私が祖となり民を導こう!」
深い事情は不明だが、先のザンザ復活によってテレシア化し滅んだ純血ハイエンターのことを激しく忌み嫌っており、「混血こそがハイエンターのあるべき姿にして、純血亡き後の時代を率いるメリアこそが新たなハイエンターの祖である」という歪んだ選民思想の持ち主である。メリア本人にそのことを否定され諭されてもなお考えを改めず、テレシア化した純血を救おうとするテトとタルコの研究所を襲撃。さらには、自分の思想通りにはメリアが動かないとみて下克上を宣言し、折しも研究所を訪れたメリア一行に対して戦闘を仕掛けてくる(Lv.70)。
なおこのとき、お供としてアタッカー・アンドス(Lv.68)を2機連れている。
戦闘に敗れた後は研究所に仕掛けてあったらしい爆弾を起爆。結局テレシアの乱入によってゲルガーは退散するが、テトらの研究資料は失われる結果となってしまった。その際にメリアは研究資料が失われるのを阻止するために自ら炎上している研究所の中に飛び出し、意識を失ってしまう。
宿怨のゲルガー
「あなたは正統なる混血の身でありながら純血に加担する穢らわしい異端者です。だが私は違う!純血を、忌まわしい過去を滅ぼし民を導くのは私こそふさわしい!」
そこからはシナリオの本筋から離脱するが、サブクエストをこなしていると2度目の戦闘(Lv.76)を行うこととなる。このときは名称が「宿怨のゲルガー」となっており、彼一人との戦いとなる。
しかし、背負うものも無ければ守るものもないゲルガーに対し、父と兄の思いを背負い皇太子として未来に進んでいくという信念を持つメリアでは力の差はもはや雲泥の差であり再び返り討ちに遭い敗北。それでもなお自分の考えを改めないゲルガーに対しメリアはこう諭した。
メリア「過去に囚われるのはよせゲルガー。」
ゲルガー「な、何だと!」
メリア「今の貴様は自らの血筋に取り憑かれ、その血筋によって善悪を断じている。かつて貴様が憎んできた純血の者と同じようにな。」
ゲルガー「な!?ち、違う!そのようなこと!私は奴らとは違う!私は、私はぁぁぁ!!」
歪んだ選民思想に囚われ、やがて自らも純血至上主義の者と全く変わらない存在へと堕ちたという致命的な所をメリアに指摘され、自分はただ逃避行をするかのようにそれを否定することしか出来なかった。そしてメリアから罰を下されると思ったゲルガー。しかし次にメリアが言ったのは意外な言葉だった。
メリア「ゲルガー、貴様のここでの所業は同胞といえど決して許されることではない。」
ゲルガー「私を裁くというのか……」
メリア「そうしてしかるべきだろう。だが私にその資格はない。」
ゲルガー「何……?」
メリア「混血ゆえに受けた貴様の苦しみはゆえにあっての事とはいえ我ら皇家にも責任の一端がある。貴様にも、酌量の余地があるはずだ。」
ゲルガー「………………」
メリア「これが最後だゲルガー。心を入れ替えて新しい生き方を探せ。」
混血と純血の争いによって受けた彼の悲しみに自分たち皇家にも責任があるといい、メリアなりにゲルガーが受けた悲しみと憎しみを受け止めた。そしてこれからは考えを改め、新しい生き方を探せと告げた。
しかしゲルガーが選んだのは
自害だった。
結局彼は最後まで自分の考えを変える事なく、まるで狂ったかのように笑いながら崖から飛び降り、死を選んだのだった。
彼の死はメリアに無念を残してしまうがそれでも自分達のやるべき事、霧乃王を倒すため再び前を向いて歩き出したのだった。
尚彼が飛び降りたことから、彼らハイエンターは頭から羽が生えていながら飛行能力を有していない可能性が高い。
彼が死を選んだのは従来通り憎んでいた純血と共存していく事が死よりも苦痛な事だったのか、それとも自分の考えをこちらにも責任があると言ってくれ、慕っていたメリアに刃を向けたことに負い目を感じていたのか、真意は闇に葬られた。
ちなみに彼との戦闘曲は2度とも『悲壮な決意』(本編ではフィオルンvsザンザや"逆上のバーン"戦で使われたもの)である。あくまで自らの主義信条に従い、崇拝した存在にさえ刃を向け、最期には考えを改めることよりも死を選んだ彼のキャラクター性がよく反映されていると言えよう。