概要
コワルスキー(ポーランド語では「コヴァルスキ〔kɔˈvalskʲi〕」、女性形はコヴァルスカ)は、ポーランドではノヴァク(Nowak)に次ぎ、2番目に最も多い苗字(2009年時点では、14万471人。2015年には、およそ17万8000人)。関連する苗字は、ロシア、ウクライナ、ベラルーシにも存在する。「ヤン・コヴァルスキ」は、ポーランドではしばしば仮名として使われ、英語圏における「ジョン・スミス」にほぼ等しい(より正確には、「ジョン・スミスソン」)。
- ポーランド系カナダ人プロレスラー キラー・コワルスキー
- ポーランド生まれの美術家、建築家 ピオトル・コワルスキー
- ザ・ペンギンズfromマダガスカルのキャラクター
起源と意味
「~スキ」の語尾を持つポーランド人の苗字の多くは、地名に由来する貴族の家名である。コヴァーレ(Kowale)、もしくはコヴァルスキエ(Kowalskie)は、「鍛冶屋」を意味するポーランド語kowalから派生する(Aleksandra Cieślikowa, Maria Malec, Kazimierz Rymut: Słownik etymologiczno-motywacyjny staropolskich nazw osobowych, Cz. 3, Odmiejscowe nazwy osobowe, Akademia Nauk. Instytut Języka Polskiego, S. 85.)。
そのような地名はありふれていて、その家名から特定の地名を想起することはできない。家名は多くの場所で平行して形作られている。一つのヒントとして、同じ名前を持つ10個以上の貴族の姓が、異なる家紋を帯びているという事実が指摘できる(Tadeusz Gajl: Herbarz polski od średniowiecza do XX wieku : ponad 4500 herbów szlacheckich 37 tysięcy nazwisk 55 tysięcy rodów. L&L, 2007, ISBN 978-83-60597-10-1, S. 458.)。形容詞の語尾「スキ」は、こういった場合、一方では領主の出自を、また一方ではその領地の所属を表している。
コヴァルスキの女性形はコヴァルスカ(Kowalska)で、複数形はコヴァルスツィ(Kowalscy)。類型としては、コヴァルチク(Kowalczyk)、コヴァレヴィチ(Kowalewicz)、コヴァレフスキ(Kowalewski)。
19世紀中盤から20世紀初頭まで、およそ20万から30万人のドイツへの移住の結果、特にノルトライン=ヴェストファーレン、ルール地区、ベルリン地域では、ポーランド系の家名が見いだされ、その綴りは、オルウォフスキ(Orłowski)がオルロフスキー(Orlowski)に、シマンスキ(Szymański)がシマンスキー(Schimanski)に、シマニエツ(Szymaniec)がシマニーツ(Schymanietz)に、コズウォフスキ(Kozłowski)がコズロフスキー(Koslowski)といった形で、しばしばドイツ語化している。
ドイツの人口のおよそ13パーセントが、ポーランドの起源をもつ名を持っている。コヴァルスキーは、ドイツの家名では第876位になっている。