タイ及びムエタイ関係者の扱いの悪さに定評のある刃牙シリーズにおいて、初のセリフ&回想を披露したキャラである。
連載当時2話しか登場していなかったにもかかわらず、作中の印象的すぎる活躍から当時の公式人気投票で並み居る新・旧キャラを押しのけ9位にまで上りつめた。
概要
ムエタイと中国拳法の複合拳法の使い手。作中登場時点では25歳。
年端も行かぬ少年の時分に、巨大なコブラと戯れる姿を中国拳法の師・蘇栁勝に見初められ、10年近くにも及ぶ訓練を受ける。
その後香港で各種擂台を制覇し、タイ出身でありながらも海王の認可を得た。
大擂台賽では一回戦で前大会優勝者である郭海皇と対戦。
それまでの刃牙シリーズのムエタイは咬ませ犬の象徴と読者に認知されるほどに無残な戦績を残しており、読者目線での結果は火を見るよりも明らかであった。
郭海皇は御年146歳という格闘技どころか生存自体が奇跡という超百寿者で、外見もほぼミイラ同然。
鍛え抜かれた肉体を持つサムワンの体格差は歴然であり、立ち向かう構図はもはや老人虐待のそれである。
武術と言えども所詮は運動能力を競うもの
いかに合理的に肉体を使うかの世界
そこに魔法は存在しない!
中国拳法特有の気功・発頸などをまやかしと断じるサムワン。
それを証明するかのようにサムワンは油断も容赦もなく、最速の蹴りを郭海皇の顔面に放った。
しかしその蹴りは当たらず、郭海皇は目の前から消えていた(あるいは消力で空振り同然に捌かれたか)。そして次の瞬間、
「え?」(プルン)
蹴りの空振りで背後をとられ、トランクスを足元までずり下され、擬音付きで陰部を公然露出させられていた。
あまりの出来事に言葉を失うサムワンと観客。
そのむき出しの睾丸に容赦のないデコピンが放たれ、バキ史上に残る屈辱的な決着となった。
試合後、廊下で屈辱に悶えながら石柱に八つ当たりするサムワン。
明日からどの面を下げて人前に出ればと憤るそこに「日本人ならその場でハラキリだぜ」とわざわざ煽りに現れる範馬勇次郎。
サムワンは迷うことなく襲い掛かったがあえなく秒殺されてしまった。
「未熟ではある……しかし 貴様はまちがってはいない」と、勇次郎もその理念そのものは認めている。