概要
本編において、石炭や石油に代わる新たなエネルギー資源として開発された物質。
両端がキャップでとじられた透明なガラス管の中央に赤い球のような「シズマ中心核」が浮かんでいる外見をしており、稼働させると中の液体が赤くなる。
開発者はフランケン・フォン・フォーグラー、シズマ・ド・モンタルバン三世、Dr.ダンカン、シムレ、ドクトル・トランボの五名であり、完全リサイクル可能、完全無公害な最も理想的なエネルギー資源として「第三のエネルギー革命」と呼ばれた。
所謂充電式電池のように一定のエネルギーを出し切った後でも再びリサイクルすればエネルギーの発生が可能で、大きなものでは工業プラントや大型旅客機、身近では自動車や家電製品、ライターに至るまで幅広く用いられている。
地下資源の枯渇により化石燃料を使い果たし原子力さえも残りわずかと化した未来の地球において、エネルギー不足を解決する唯一の希望として全人類の期待を集めていたが、いざ実用化の段階となると失敗の連続で期待は一気に失望と化し、開発陣であるフォーグラー博士達は世間から非難を浴びる事となってしまう。そんな状況に焦ったシズマ博士は開発中の実験炉の始動を進言するが、しかし未完成な状態のシズマドライブはとんでもない災厄をもたらすと考えたフォーグラー博士は実験を反対するも、シズマ博士たちは実験を強行してしまう。
フォーグラー博士の予感は見事に的中し、バシュタール公国にあったシズマドライブ実験炉が不完全なシズマドライブの影響で暴走。バシュタール公国を一瞬にして蒸発させたばかりか、全世界に七日間にわたってエネルギーの中和現象というエネルギー停止状態をもたらす「バシュタールの惨劇」と呼ばれる事件を引きおこし、世界中をパニック状態に陥れた。
この事件の全責任はフォーグラーにあるとされ、フォーグラーは失踪。シズマ博士主導の残された4人の提唱した理論によって完成へと持ち込まれた。
しかし完成したシズマドライブにも、使用するたびに特殊な分子を発生させ、それが一定以上の濃度に達すると突如酸素と結合をはじめ、地球上の全酸素を消滅させてしまうという致命的な欠陥を抱えていた。
フォーグラーは一目見ただけでその欠陥に気づき、急遽シズマドライブを停止させるシステム、アンチ・シズマドライブを制作。死の間際に息子のエマニュエルこと幻夜に託した。
アンチ・シズマドライブはシズマドライブの欠点を補うための中和剤として作られたのだが、これは3本そろった状態で使わなければその役割を果たせず、1から2本の状態で使ってしまうとシズマ中心核が異常反応を起こし液体が外部に漏れて破壊され、エネルギー停止状態をもたらすアンチ・シズマフィールドを発生させてしまう。
幻夜は父は死に追いやられた(+3本そろえて発動させれば世界を滅ぼせる)と思い込んでBF団に参加してしまい、大怪球を用いてアンチ・シズマフィールドを発生させた結果、シズマドライブに依存しきっていた世界はパニックに陥ってしまった。
しかしこの実験結果はフォーグラー博士が作ったオリジナルではなく梁山泊にあったイミテーションによるもので、フォーグラー博士が作った本物は1本か2本ではシズマドライブを暴走させて物理的に壊して止め、3本揃えるとアンチ・シズマフィールドを発生させる。オリジナルのアンチ・シズマドライブの発生させるフィールド内にシズマドライブを置くことで、シズマドライブの抱える致命的欠陥を中和して安全に使えるようにする、というのがアンチ・シズマドライブの真の作用であり、フォーグラー博士の目的だったということが最後に分かる。ただ問題は博士がそれをちゃんと息子などに伝えずに亡くなってしまったことなのだが(遺言は正確に、などと呼ばれる)。
大作とロボの活躍により幻夜の裏で暗躍していたBF団(というより諸葛亮公明)の企みは防がれた…と思われたが、実は地球静止作戦はもっと壮大な計画の内の一部でしか過ぎなかった(地球の全エネルギーを静止させ、それでもエネルギーの集中している場所にあるバベルの塔の所在を掴むことが目的だった様子)。
関連項目
梅サワー:上記の通り色味と浮かんでいる物、そして作中で泡立つシーンがあることなどからこう呼ばれることもある。