シンセレとは、「マギ」(大高忍 著、小学館)の外伝、シンドバッドの冒険(大高忍・大寺義史 著、小学館)の登場人物、シンドバッドとセレンディーネの男女カップリングである。
概要
出会い(第12夜)
シンドバッドとセレンディーネは、パルテビア帝国領コンスタティア港における騒動の中で、(セレンディーネにとっての)敵として出会った。
迷宮「バアル」から帰還したシンドバッドを捕らえるべく、パルテビア王国第一皇女セレンディーネは港へ赴く。そこで父である皇帝を侮辱されたセレンディーネは、囃し立てた群衆に対して激昂し、殴りかかる。拳を振り上げた彼女の元に突如現れて制止したのは、まさに彼女率いるパルテビア軍が探していた相手、シンドバッドだった。
シンドバッドから「お嬢さん」呼ばわりをされたセレンディーネは、毒を塗った刀でシンドバッドに切りかかる。しかし、シンドバッドは彼女より一枚上手であり、斬りかかられた際に解毒剤を胸元から抜き取っていたのだった。因みに、その際シンドバッドは彼女の鎧の肩ひもを斬っており、セレンディーネの胸元が露わになっている。
戦えなくなったセレンディーネを人質に、軍から逃げるべく小舟で港を脱出するシンドバッド。
男女二人、人目も無い海の旅…(そして片方は胸元がポロリしている)…と思いきや、シンドバッドはセレンディーネを樽に入れ、あっさり海上に解放する。
「人質ごくろうさん。可愛いお嬢さん!」
「絶対……絶対に許さんぞー!!シンドバッドー!!」
レームでの再会(第56夜)
アルテミュラからレームのシンドリア商会本部に帰還したシンドバッド一行が宴を開いている最中、突然の客が訪れる。商会の門戸に姿を現したのは、眷属同化したドラコーン、そしてやつれきったセレンディーネの姿だった。
長旅で憔悴したセレンディーネは、「バアル」の力をパルテビア王室に献上しなかったことがバルバロッサの乗っ取りを招いたのだ、とシンドバッドを非難する。一方的に糾弾する彼女と止められないドラコーンに対し、シンドバッドは逆上する事もなく「お前らさ、少し休みなよ」となだめ、彼女たちに食事を与え休息させる。
彼女たちを食客として他国に送るべきだ、というジャーファルの意見を無視し、シンドバッドはセレンディーネ達をシンドリア商会の一員に加えることにした。
嫉妬(第63夜)
ヴィッテルが投資に失敗した件で、シンドバッドはマリアデル商会へ赴き、当主マーデル(後に、マギ本編で「大聖母」として登場)と交渉する。闘技場での剣闘試合と引き換えに負債を解消するという契約を結んだシンドバッドは、本部へ戻り団員に報告をする。
負債解消に喜ぶ商会メンバーの中で、不意に現れたセレンディーネは
「どうせ鼻の下でも伸ばして、相手に丸め込まれたのだろう」
「嘆かわしい…当主としての自覚はどうした」
と憎まれ口を叩く。
そんな彼女にシンドバッドは歩み寄ると、壁ドンをした上で、
「それって…「嫉妬」かい?」
「へえ、嬉しいなぁ 俺のこと憎んでるって言ってた君が、俺に?」
「いいのかな…そんな可愛いところ見せて。」
と(決め顔で)言い放ち、セレンディーネの髪についていた落ち葉を取る。まるでどこぞの少女漫画のヒーローのようだ。
実は、偶然シンドバッドの出立に出くわしたように見えたセレンディーネは、ずっと外でシンドバッドが来るのを待っていたのだった。彼女が何も言わず俯く間に、シンドバッドは出発する。やっと顔を上げたセレンディーネは
「ふざけるな。何が…可愛らしいだ……」
「あの男は本当に…不遜で、大胆で、身勝手な…」
と言いつつも、頬を赤らめて泣きそうな表情をするのだった。