概要
マギの登場人物、バルバッド王国の元王子アリババ・サルージャと、その国を侵略しようと画策する煌帝国の皇女練紅玉のカップリング。
本人たちの意思と無関係とはいえ、政略結婚話が持ち上がった過去がある。
もっとも、アリババはモルジアナにプロポーズし婚約してしまったため、紅玉とは今後も良きお友達止まりである。
本編でのアリババと紅玉の関係
バルバッドでの出会い
政略結婚のためにバルバッドへと赴いた紅玉は、この地で初めてアリババと出会う。(第49夜)
「『バルバッド国王』と婚姻し、条約を結ぶ」ことが紅玉に与えられた使命であった。しかし、内政の混乱に端を発した革命により王政が廃止され、紅玉は帰国を余儀なくされる。(第64夜)
シンドリアでの再会
煌帝国の傘下へ置かれたバルバッドを離れ、アリババはアラジン達と共にシンドリアへと身を寄せることとなった。そこへ煌帝国の使節として練白龍と紅玉が派遣されてきた。(第83夜)
シンドバッドへと秘かに思いを寄せる紅玉。しかし、七海連合の長であるシンドバッドは、世界統一を目指す煌帝国にとって、目障りな存在であることは確かであった。許されぬ恋に悩む紅玉。
その淡い恋心を胸に、摘んでいた花をアリババがうっかり踏み荒らしてしまったことがきっかけで、二人の仲は急速に親密なものとなる。(第116夜)
次第に打ち解けてゆく二人。そして、紅玉はアリババに自分の出自について語り始める。彼女の話に共感したアリババもまた、自らの境遇について彼女に語った。互いに同じような身の上であることを知った紅玉は、アリババに対して不器用ながらも「私のお友達になりなさい」と告げる。(第121夜)
依り代戦
「依り代」を破壊するために紅炎によって呼び集められた煌帝国の金属器使い達。そこでアリババと再会した紅玉は、彼のことを「アリババちゃん」と呼び、兄である練紅覇に対して「仲良しなお友達」と紹介して、彼を驚かせた。(第188夜)
再びバルバッドにて
煌帝国の統治下に置かれたバルバッドで再会した二人。(第210夜)
バルバッドの全権を与えることと引き換えに、シンドリアと手を切り、練紅炎の配下に下ることを命じられたアリババは深く悩む。しかもその条件のうちのひとつが、紅玉との結婚だった。
自分は将軍として認められ、この地に呼び寄せられたと信じて疑わない紅玉。
アリババの手を取り、共に戦うことを誓う彼女に対して、アリババは意を決して政略結婚のことを切り出す。
しかし、それに応えたのは、ゼパルの能力を用いて紅玉の意識を乗っ取ったシンドバッドだった。
紅玉の想いを知っているだけに、彼女を利用しようとするシンドバッドへの怒りを募らせるアリババ。しかし、そのことを紅玉へ伝えることはできなかった。
本編以外でも……
【巻末おまけまんが及び特典ペーパー】
6巻のおまけまんがでは、バルバッドの街を散策する紅玉とジュダル、夏黄文の珍道中が描かれている。
お忍びで街に出掛けた三人。道沿いに並ぶ露店の中で、紅玉が興味を示したのが占いの店だった。水鏡に最後に映し出されたのが、将来結ばれる運命の男性の顔と聞き、熱心に水面を覗き込む紅玉。政略結婚とは理解していたものの、彼女は運命の人との出会いを信じていた。
水面が揺れてゆっくりと人影が現れる。その中で最初に浮かび上がったのが……
結局、最後に誰が映し出されたのかは謎のまま。
「お客さん、まだ続きがありました」と店主が呼び止めるものの、一行は気づかずに立ち去ってしまう。
おまけのコマで、水瓶を覗き込んでいる信号機組の表情が意味深にも見える。
19巻の特典ペーパーでは、慰安旅行に出掛けたシンドリア一行と煌帝国一行が、宿泊先で鉢合わせるというアクシデントに見舞われる。
どちらが盛り上がるかと競い合う宴会会場を離れ、信号機組と一緒に温泉を楽しむ紅玉。アラジンに向かい水鉄砲を発射するアリババに対し、やり方を教えて欲しいと頼んだりと、すっかり打ち解けて和やかなムード。ちなみに、混浴のためか女子は水着を着用している。
(余談だが、よく見ると離れた場所からはこっそり白龍が覗いている)
【漫画家BACK STAGE】
vol.222では、DVD7巻の特典イラストの一部として、海辺でバカンスを楽しむ様子が描かれている。
海パン姿のアリババのチャラさは原作者である大高先生のお墨付き。夏の海に関連しては、vol.233ではスイカ割りをしていて、アリババの脚を棒で叩いてしまう紅玉の、というシーンも。
アリババは紅玉や紅覇と一緒に出掛ける程、親しい間柄ということが窺える。
vol.290は、新年になって初めてのBS。
初詣に出掛けたのか晴れ着姿の紅玉が羽織袴のアリババとジュダルに挟まれているという、深読みしたくなるような構図。二人に囲まれ満面の笑みを浮かべる紅玉がとても愛らしい。
そして、遠慮なく紅玉の肩に手を回すジュダルに比べ、アリババはほんの僅かに離れた位置に居るという微妙な距離感が面白い。