※以下『ホヒンダ村だより』単行本8巻のネタバレあり。見る際は自己責任でお願いします。
概要
今日も今日とて金儲けに勤しむさよりんは、シゲにパチンコで落としてもらって
手に入れた家具を売り払い、儲けたお金でスフィンクスを購入する。
その際 さよりんは、ルイコから「アイラブユーラブ」と書かれたペアのマイデザインをもらい、
「だれかさんにあげてペアで」と助言されるが、恥ずかしがった彼女は
彼女の意中の人であるコタロウではなく、風船のお礼という名目で
皆がいる目の前で、シゲにマイデザインをプレゼントする。
その後 さよりんは、スフィンクスを家に運ぼうとスフィンクスに駆け寄るが、
小石につまずきスフィンクスに頭をぶつけそうになる。
しかし、間一髪コタロウに助けられ、彼女は怪我を負わずに済むが
彼女を庇ったコタロウが、代わりにスフィンクスに頭をぶつけ、そのまま意識を失ってしまう。
次の日になっても目を覚まさず、眠ったままのコタロウ。
そこへ住人のナイルが「これはもしや、スフィンクスの魔術…?」
と現れ、こう続ける。
「スフィンクスにあだなすもののたましいは永遠の時間をさまよいつづける」
これを聞いた周囲は、コタロウが現在幽体離脱をしている と衝撃を受けるが、
再び ナイルから
「木で作られた時の番人にたましいがふれれば呪いはとける」
と教えられ、ちとせが時の番人とは時計のことではないかと発言したことから、
さよりんは木でできた時計を集めに、コタロウの家から飛び出す。
その途中 シゲとばったり会った彼女は、事情を説明し彼と一緒に時計を探すことになる。
しかし いざ出発しようとした矢先、さよりんは木にぶつかり蜂の巣を落としてしまう。
それを見かねたシゲは、いつものように素早く網を取り出し、蜂を捕まえようとするのだが、
何故か その日に限り蜂を捕まえられず、彼女に手持ちのクスリを渡した。
斯くして 村中から大量の時計を集め上げ、さよりんはコタロウに片っ端から時計を触らせる。
しかし、努力の甲斐もなくコタロウは目を覚まさない。
再び さよりんは時計を探しにコタロウの家を飛び出すが、シゲに
「気づいてるだろ。 ふれさせるのはたましいだ。 今のコタロウは、たましいのぬけがらだ。」
と言われ、
「うん。 わかってる。 だから時計を集めたら、こんどはたましいをさがせばいい。」
と足を止め、涙を流す。
その時、彼女の目に役場の壁に設置された時計が留まる。
彼女は、ついに木でできた大きなとけいを見つけることができたのだ。
が 喜んだのも束の間、彼女のもとにとある人物が現れる。
「シ、シゲが、ふたり!」
二人のシゲを目の前に、さよりんはあることに気づいた。
何故、虫取り名人の彼が蜂を捕まえられなかったのか
何故、彼がクスリを持っていたのか
何故ならば、一緒に時計を探していたシゲの正体が・・・・・・・・・
コタロウのたましいだったからである。
彼が 自分がコタロウであると自覚すると、徐々に体は元の姿へ戻り
「おれ シゲになりたかったから…。」
「シゲみたいにすばやくなってさよりんを守って…。」
とシゲの姿になっていた理由を語った。
すると さよりんに気があるはずのシゲも
「おまえいつも まもってるじゃんか さよりんのこと。」
「さよりんだってわかってる!」
「うらやましいのはオレのほうだっつの!」
と訴えた。
そして さよりんは、コタロウに早く時計を触るよう催促すると同時に
「あの、あの、ごめん。あのシャツ、ほんとはコタロウに…でも、は、は、はずかしくて。」
とあの時言えなかった本心を伝える。
その言葉を聞いたコタロウは、嬉しそうに微笑むと・・・・・・・・・
「大好きだよ、さよりん。」
「あたしも大好き! コタロウ!」
互いに気持ちを伝えあい、自身の身体へ戻っていった。
こうしてホヒンダ界、最高のカップルが誕生!!!。
物語はこの二人を中心に新たに回りだす!
…はずだったのだが。
目を覚ましたコタロウは、あろうことか
スフィンクスに頭を打った後のことはなにも覚えていなかったのだ。
つまり、せっかく進展したと思った二人の関係も、結局元に戻ってしまったというわけだ。
コタさよファン大激怒である。
しかし、この付かず離れずの関係が二人らしいと言えば二人らしい。
今後の二人の関係の進展に期待しよう。
ちなみに、冒頭にてナイルが語っていたスフィンクスの魔術は、彼女が
インターネットのガセネタドットコムで見た情報だったらしい。
なんともうそくさい。
また、ルイコからもらったペアのマイデザインも、最終的にはコタロウとシゲの手に渡っている。
後日談
この出来事を機に、さよりんとコタロウが正式に両想いと発覚したが、
コタロウが一連の出来事を覚えていなかったことから、最終的には元の関係に戻ってしまった。
そう思われたのだが…。
後日、コタロウがはいとくに一連の出来事を覚えていないのは本当か と質問された際
彼は「うん。」と答えたが、はいとくに
「本当に覚えていないのなら 「え なにを?」ってたずねるはずだ」
と言われ、赤面しながら「うっ」と言っているため、
覚えているのに覚えていないフリをしている可能性が高い。
つまり、両者ともに、両思いであることを自覚しているようだ。