スプリットタンとは、舌の形状を指す言葉である。
「スプタン」とも略称される。
概説
舌が縦に割れ、蛇のように二股になった舌のこと。
綴りは【split tongue】(splitは『割る・裂ける』、tongueは『舌』)。
先天性のスプリットタンも存在するが、現在多いのは1997年のアメリカでの流行を皮切りとした人体改造による人為的かつ後天性のものとされる。
日本でも2008年公開の邦画『蛇にピアス』で話題となり、その知名度を上げている。
いわゆるパンクファッションの一環、その中でもボディピアス等のハード系における極北ともいえる過激な部類に属する。
TIPS
スプリットタンへの道
施術としてはレーザー手術による医療と、舌ピアスの容量で段階的に割いていく民間療法の2種に分けられる。
レーザー手術はその名の通り、麻酔をかけたうえで舌を医療用のレーザー光線で焼き切る。短時間且つ、痛みや後遺症も少ないものの、医療費の大部分は自己負担となるうえ日本では渋谷に存在する舌専門の美容整形外科くらいしか取り扱いがないため、ハードルは高い。
一方、舌ピアスの応用は、大型の舌ピアスで下にいくつも穴をあけていき、最終的には市販のデンタルフロス(歯垢除去用の化学繊維)で切っていく。
当然だが、舌は「味覚」を司る感覚器であるため神経が集中しており、素人がファッション感覚で手を出すと想像以上の激痛に苛まれるだけでなく、感染症の危険性も伴うため、安上がりでこそあるものの決しておススメできるものではない。
なにより一度舌を割ってしまうと二度と元に戻れないので、勢いでやってしまうと「若さゆえの過ち」では済まなくなってしまう。
スプリットタンの意義
スプリットタンになる意味とは、ただただ「ファッション性」の一義に限る。
一種の若者文化(といっても生半可なレベルではないその極地)であり、なったところでメリットがあるかと言えば自己満足くらいしかないだろう。
むしろ滑舌の悪化や、人との対面で舌を出しづらくなるなどデメリットの方が多く、自身の印象を損ねる覚悟がなければ手を出さない方が身のためである。
一応、割れた舌先はそれぞれ自由に動かせるため、その動きに一種のエロティシズムを感じる人も少なからず存在するが、「舌が裂けている」という見た目にグロテスクさを感じるとして嫌悪感を催す人も少なくない。
こうした認識があるだけに、生まれついてのスプリットタンの人がどれだけ苦労しているかは、我ら凡夫では推し量るに余りあるものだろう。
やるなら一生モノと覚悟してください。