概要
『ブギーポップは笑わない』の登場人物。
スプーキー・エレクトリックと表記されることも。
偽名として、マルコ・ダンブロッシォ(『ペパーミントの魔術師』)がある。
まるまると太った、人間離れした巨躯の男性。
原作および旧アニメ版ではオールバック、新アニメ版では長髪で無精ひげ。
統和機構の合成人間。
宮下藤花ら主要人物が通う深陽学園近辺の地域を担当し、MPLSの探索と薬物を人体に投与する実験の任務に就いていた。
合成人間としての能力については、手から電磁波を発生させるもの。これを応用して他人の脳に電磁波を流し洗脳や記憶の操作を行う事ができる。この能力によって地域内に数多くの洗脳済み一般人(統和機構の用語で言えば端末)を配置し、組織力で任務を進めていた。
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以下、「vsイマジネーター」ネタバレ
任務を通じてブギーポップの存在を知るが、戦闘中に負傷して逃走、その後は端末を動員してブギーポップを追う。
部下である織機綺 / カミールに対しては、合成人間と通常人の間で交配ができるかの実験や情報収集等のために、不特定多数の男性と関係を持たせていた。
そこには、自身に性交機能が備わっていない苛立ちも含まれており、逆上して彼女に暴力をふるったこともある。
ついには衣川琴絵を洗脳してしまったことで飛鳥井仁と対決することになる。しかし仁の能力で心のバラの刺=攻撃性を奪われ敗北、その後自殺した。
以下、「vsイマジネーター」以降のネタバレ
実はスプーキーEには彼本人にも伝えられていない統和機構上層部から与えられた役割りが存在する。
それは『次期アクシズ候補を引き寄せること』
アクシズとは統和機構の中枢を意味し、統和機構全体の指揮官となる人物であり、現時点ではMPLSであるオキシジェンが在籍している。
オキシジェンは運命の糸を見る(或いは手繰る)能力でスプーキーEにもともと眠っていた邪悪さを芽吹かせ、それに引き寄せられる正義の味方を次期アクシズ候補に引き込む計画だったが、スプーキーEはオキシジェンの運命を見る能力の及ばない力を持ったイマジネーターによって自殺させられてしまう。
この結果からオキシジェンの計画は宙に浮いてしまう形となり、次期アクシズ候補の枠が決まらないままの状態になってしまう。
さらにスプーキーEが行っていた能力で端末を増やし操作するという任務もブギーポップやイマジネーターの乱入での失態を隠すため進捗報告をしていなかったため、統和機構の把握できていない端末たちがスプーキーEの死後もスプーキーEからの命令を実行し続けるという実態が発生、世界の危機に繋がる火種を作ってしまう。(ペパーミントの魔術師)
スプーキーEは生まれながらに自分を含めた世界全体を呪っており、いつか世界の基盤を破壊してやろうという憎悪を根底に眠らせていた。
オキシジェンはその憎悪を利用して次期アクシズ候補を探していたが、憎悪(攻撃性)の棘を飛鳥井仁に奪わてしまったため生きる気力を失った結果、自殺したというのが彼の自殺の真相である。
つまりは『世界に多大な迷惑を振り撒く』という目的を奪われて、生きる目的を失い自殺したことが『世界に多大な迷惑を振り撒く』という結果に繋がるという何とも皮肉な最期をスプーキーEは遂げたことになる。
これもまた一つの『四月降る雪』、思いも掛けない出来事の一つであるのかも知れない。