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スリンガーズ

すりんがーず

ピーター・パーカーが、スパイダーマンではない、新たなヒーローとなった姿。もしくは、それらのコスチュームを受け継いだ者たち。
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概要編集

1998年「アイディンティティ・クライシス」にて登場した、四人のヒーロー。


スパイダーマンの宿敵、グリーンゴブリンこと、ノーマン・オズボーン。

彼は一時期、デイリー・ビューグルの支配権を握り、自身がビューグルの誌面を自由に手を入れられるような立場に立ったことがあった。

その立場を利用し、彼は『ジョーイ・Z』というチンピラの殺人事件の容疑者としてスパイダーマンを名指し。そして、スパイダーマンを捕らえた者に報奨金を出すキャンペーンを始めた。


濡れ衣を着せられたスパイダーマン=ピーターだったが、そのキャンペーンのためにスパイダーマンは活躍しにくくなってしまった。

そのため、ピーターはメリージェーンと協力し、スパイダーマンでない新たな四人のヒーローを作り出し、それらのコスチュームを着て事件解決に当たる事とした


いうなれば、コスチュームを変えただけで、中の人は同じなのだが。しかし四人という複数人、そして「スパイダーマンとはかけ離れたデザインのコスチューム」、「同じく、スパイダーマンと異なる(ヒーローとしての)キャラクター」により、それらの正体がスパイダーマンであるとは誰も思わず、ピーターはジョーイ・Zの殺人事件を調査。その真犯人を捕え、スパイダーマンの汚名をそそぐ事に成功した。


四人のヒーロー編集

以下が、ピーターが成りすました、スパイダーマン以外のヒーローたち。

なお、これらのヒーローのデザインは、当時ピーターの妻だったメリージェーンが関わっている。コスチュームのデザインや、ヒーローとしてのキャラクター設定、そしてコスチューム政策など、メリージェーン自身が楽しんで行っていた。

また、リコシェは軽口、プロディジーは正義感と、ピーターは自分自身の性格の一部を彼らに反映させていた。


事件解決後、当然ながらこの四人のヒーローは姿を消すが、後に別人がコスチュームを着て復活する(下記参照)。


ホーネット編集

地蜂(ホーネット)のような、翼のあるジェットパックを背負い、時速80㎞で空を飛ぶヒーロー。ジェットパックの製作は「プラウラー」ことボビー・ブラウン。常人が装着するには非常に重く、扱いづらいものだったが、ピーター=スパイダーマンの筋力ならば問題無く操作できた。

ヒューマントーチことジョニー・ストームは、中身がスパイダーマンと知らず、ホーネットの姿のピーターに「誰だか知らんがスパイダーマンには手を出すなよ!」と警告している。


リコシェ編集

マスクと、全身を覆うコスチュームの上から、背中に「R」のアルファベットが付いた革ジャンを着ている。

四人の中では、最も元のスパイダーマンに近いヒーロー。超人スポーツマンという触れ込みで、「跳弾」「跳ね飛ぶこと」を意味するその名前(Ricochet)の通り、優れた敏捷性を以て敵を翻弄する。また、腕からは内蔵した発射装置でディスクを発射し、遠方の敵へ放つ飛び道具として用いる。元のスパイダーマン同様に、気の利いた警句を口走る事も特徴。

着ている革ジャンは、古着屋でメリージェーンが見つけたもの。背中のRの大きなアルファベットから、このヒーローを思い付いたらしい。


ダスク編集

全身黒のコスチュームで、黒いマントに身を包んだミステリアスなヒーロー。また、ベルトには様々な小型のガジェットを装備しており、それらを用いて暗闇から悪人に襲い掛かる。

このコスチュームの素材は、異次元世界「ネガティブゾーン」由来の特殊なもの。かつてピーターがネガティブゾーンに赴いた際に入手したものであり、それを材料にして作り上げた。コスチュームの布地自体の機能を用いる事で、闇や影に紛れ一体化する事ができる。

この姿では雇われ用心棒を装い、地下社会をひそかに監視もしていた。ちなみにダスク(Dusk)とは、「日没」「夕闇」「黄昏」を意味する。


プロディジー編集

全身金色の防弾コスチュームと、マスク姿のヒーロー。

高いモラルと謙虚さ、礼儀正しさを持ち、古き良きスーパーヒーローといった印象を周囲に与える。いわゆる(アメコミにおける)古き良き時代の正義の味方であり、わかりやすく典型的なスーパーヒーローといったキャラクターを体現した姿。

デザイン及び設定はメリージェーンで、ピーター自身も「かつて子供の頃にコミックブックで描かれ、憧れを抱いていた」ような「完全無欠のスーパーヒーロー」のイメージで作られている。

その顔つきも変化させるため、ピーターもマスクの下に偽造の鼻を内蔵させるなど仕込んでおり、ピーターおよびスパイダーマンとは人相や顔の骨格が異なっているように見せている。

マスコミ受けも良く、正体を知らないノーマンすらも一目置いていた。

ちなみにプロディジー(Prodigy)とは、「天才」「神童」「驚異」を意味する。


その後編集

上記スリンガーズのヒーローたちは、ジョーイ・Z殺害の真犯人が逮捕された後、ピーターがスパイダーマンに戻った事で存在意義がなくなる。

ピーターおよびメリージェーンは、これらのヒーローを継続しようかと考えたものの、やはりスパイダーマン以外にはありえないという事から、四人のヒーローは姿を消した。


……が、四人は新たな『中の人』を得る事で、復活する。


元ヒーロー「ブラック・マーヴル」で、現在引退している老人、ダニエル・ライオンズにより四人の若者が集められ、その名とコスチュームを受け継ぐ。

リッチー・ギルモアはプロディジー、ジョナサン・"ジョニー"・ギャロはリコシェ、キャシィ・セント・コモンズはダスク、エディ・マクドノーはホーネットの、それぞれの名前とコスチュームを受け継いだ。

彼らは四人のヒーローチーム「スリンガーズ」を名乗り、デビューする。

しかしこれは、ダニエルと悪魔との取引に関係ある事でもあった。


  • リッチー・ギルモア:スリンガーズのリーダーで新プロディジー。やや自己中心的な若者。
  • ジョナサン・ガロ:新リコシェ。コスチュームに付属するディスクを投げて戦う。後々になってロナーズに参加。
  • キャシー・セント・コモンズ:新ダスク。紅一点の小柄な少女。経済的に恵まれているが、やや陰キャらしい。活動開始直後に死亡するが……
  • エドワード・マクドノー:新ホーネット。工科大の一年生ではにかみ屋。右腕に麻痺がある青年だが、スーツを着ることで飛行すら可能になった。「ウルヴァリン:エネミー・オブ・ステイト」でヒドラに操られたウルヴァリンに殺される。

余談編集

マーベルは2022年2月の「アメイジング・スパイダーマン」#88.BEYで、「スリンガーズ」が復帰することを発表した。

参照

ライターはジェフリー・ソーン、アーティストのジャン・バザルドゥアとジム・トウ。

この新スリンガーズのホーネットは、初代プラウラーこと、ボビー・ブラウンが務めるとの事。

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