概要
スワッティング(Swatting)とは、いたずらやテロリズムのひとつ。本来事件や事故が起きていないにも拘わらず、虚偽の通報を行い、対象の場所や施設などに警察官や警察の特殊部隊を出動・派遣させるというもの。アメリカ警察の特殊部隊SWAT(スワット)とing形を掛け合わせた造語である。
スワッティングをけしかける者を指してスワッター(Swatter)という。もちろん法律で禁止された行為、すなわち犯罪である。
虚偽通報は世界各国どこでもあるが、銃社会のアメリカでは、たとえとばっちりでも対応を一歩間違えれば警察部隊の銃弾が自分めがけて遠慮なく飛んでくるため、一瞬の行動が命取りという点でスワッティングは特筆される。
実際に出動することなく報告書をまとめただけで捜査を終了した小規模な事件から、銃の誤射で死人が出たり、施設の利用者を自主避難させる、特殊部隊が施設に突入するという大規模な騒ぎに至った事例も存在している。スワッターも捜査を経て裁判にかけられ、実刑判決を下された判例もある。
行政も法整備や現場を事前に確認するなど対策を進めているが、虚偽通報する側も秘匿性を上げるために公衆電話を使ったり、他人をだまし虚偽通報をそそのかすとか通信手段を乗っ取るなど手口が巧妙であることや、社会的弱者の救済や迅速な救難要請に応えるために公共性(=匿名性)の高い通報手段を残さざるを得ないという事情も相まって、いたちごっこな状況が続いている。