概要
ウスバカワハギと並ぶカワハギ科の最大種。
猛毒を持つため危険な魚だが一応食える。
分布
世界中の熱帯海域に分布し、日本では従来沖縄県近海などに生息していたが、近年は海水温度上昇に伴い分布域を広げ、山口県沖の瀬戸内海・兵庫県淡路島近海・三重県鳥羽湾・石川県沖の日本海などでも確認されている。
特徴
全長は50-100cmと大型で、フォルムとしてはウマヅラハギに似た左右に薄い長楕円の体型をしているが、尾ひれが長く、ヒョウモンダコを思わせる不規則な青い線状紋が全身を覆っている。そうした見栄えの派手さから、美ら海水族館や海遊館のように飼育、展示している水族館もある。
サイズも同じくらいに達する同属のウスバハギが群れを形成するのに対し、単独でいることが多い。
雑食性で藻類やホヤなどに加え、フグ毒として有名なテトロドトキシン以上に強力な致死性の猛毒・パリトキシンを保有する刺胞動物のスナギンチャク類も食べるため、肝臓を始めとした内臓にそれが含まれる危険性から、注意喚起されている。
ただしトラフグ同様身には毒が含まれないため、夜間無防備に漂っていたところをネムリブカの群れに襲われる映像がある他、沖縄などでは少ないながら流通しており、刺身や天ぷらなどで食べられている。可食魚だが内臓は食べない方がよいという魚は熱帯の海にしばしば煮られる(アオブダイなど)。