概要*
ノミバエ科(Phoridae)のPseudacteon属に属する、いわゆるアリ断頭バエと呼ばれるハエの仲間。その中でも特にヒアリに対して特化しており、ヒアリ断頭バエとも呼ばれている。
アリ断頭バエの生態は次のようになる。
まず成虫が卵をアリの体に植え付ける。卵はアリの血リンパを吸収し即座に成長、孵った幼虫がアリの頭へ移動する。アリの顎の筋肉などの組織を食べ、顎が閉じなくなってしまう。それから2週間ほどすればアリは脳神経を食われゾンビ化してしまい、その個体はアリの巣から遠くへ導き出されていく。遠く離れた地にて幼虫はアリの首を溶かす酵素を出して頭を体から落としてしまう。落ちた頭の中で蛹となりさらに2週間経てば、開きっぱなしの顎から成虫が出てくる。その成虫が交尾相手を求めて飛びアリの巣へ…という具合に繰り返される。
以上のことをヒアリに対して行うことからPseudacteon属の幾つかの種は特定外来アカヒアリを押さえ込む目的で使われており、その一種がタイコバエ(学名Pseudacteon obtusus)である。
他にもヒアリを抑える目的で使われる種としてはPseudacteon tricuspisが効果的として知られる。
体は0.5~0.6mmと小さく、胸部背面が盛り上がっている。