概要
タリーズコーヒーは、1992年のアメリカ合衆国、ワシントン州シアトルで発祥したコーヒーのチェーン店である。日本における営業は、タリーズコーヒージャパン(伊藤園の連結子会社)が行っている。
スターバックスとはライバル関係。スターバックスよりも やや上の、コーヒーの味へのこだわりが強い25歳以上に客層ターゲットを設定している。2024年秋のハリー・ポッターコラボからも分かるように、子連れの主婦も意識している。明らかに親御さんに連れられた低年齢層を意識したようなカラフルなフレーバーのドリンクも目立つ。
逆に、コーヒーがさほど好きではない顧客も狙えるメニューとして、ブラッドオレンジジュースを提供している。
歴史
アメリカにおけるタリーズコーヒー
1992年にシアトルにて創業。スターバックスとほぼ同じコンセプトであり、対立するスターバックスに隣接して店舗を開く拡大戦略をとっていたことで有名。当初はシアトルの本社施設もスターバックス本社と向かい合わせに存在した(その後タリーズの本社が移転)。シアトルでは、「タリーズコーヒーを探す最も簡単な方法は、スターバックスの前に立ち、あたりを見回すことだ」というジョークがよく言われる。
その後、順調に売り上げを伸ばし、一時期はスターバックス、シアトルズベストコーヒーと並び、「シアトル三大カフェチェーン」「シアトル系御三家」の一角として名をはせた。しかし、2007年の株式市場暴落の影響で新規株公開の計画が打ち切られて以降、業績は悪化し、2012年に倒産。2013年に売却されてなんとかブランド自体は生き残ったものの、努力もむなしく、2018年には店舗は閉鎖され、現在はキューリグの販売するコーヒーのブランド名として名前が残っている。
日本におけるタリーズコーヒー
1997年、銀座に1号店が開店。当時破竹の勢いで店舗展開を行っていたスターバックスとの競合から一時は売上不振により倒産寸前に追い込まれるが、後に地道な営業努力により成績を上げ、1998年5月12日に正式な日本法人「タリーズコーヒージャパン株式会社」へと業務を移管した。
2005年、タリーズコーヒージャパンがアメリカの本社からタリーズコーヒーの日本における商標権、営業権などの各種ライセンス権利を譲り受けて、完全独立を果たした。なお、2013年にアメリカ本社は倒産・売却され、2018年には店舗閉鎖されたにもかかわらず、日本には依然としてタリーズコーヒーの店舗が存在し続けているのは、このときアメリカ本社から完全独立したからである。
2006年、タリーズコーヒージャパンは伊藤園の子会社になる。
ただ、子会社といっても経営や商品開発等に関する自由度は比較的高いようである。
また、タリーズの特色として企業、病院、大学、その他ディーラー系直営店などのテナントとして入る、シナジー型店舗が多いことが特色である。