概要
ティユ・アン(Tiyu-An)とは、ビサヤ地方のワライ族の言葉で「子犬を連れている者」という意味で、いつも子犬を伴っている長い舌を持った女性姿の魔物アスワングの一種である。
この女性が伴っている子犬は、母親から娘に代々継承される成長することはない永遠の存在であり、足をペロペロとなめてきたときが獲物を狩る合図であるといわれる。
合図を受けた女性は黒い鳥の使い魔を放って、獲物となる妊婦を探し出す。
ティユ・アンは他のアスワングのように空を飛ぶことはできないが、屋根の上まで跳躍することができるので、そのようにして侵入した家の眠っている女性の子宮に長い舌を差し込んで胎児の血を吸う、もしくは胎児ごと吸い込んで食べてしまう。
なおこの魔物の力の源は子犬の犬歯に宿っており、本質的には「継承される力」、すなわち子犬自体が魔物の本体であるといわれている。