概要
ブルースの少年時代に観劇の帰り道で、彼の目の前で妻のマーサ・ウェイン共々強盗ジョー・チルに射殺された。
実業家でありながら無償医師としてゴッサムの貧しい人々に医療を施していた篤実な人物であった。
両親を目の前で喪ったブルースはそのトラウマから犯罪と戦うことを決意する。
優秀な医者
ゴッサムシティの地元の名士であるトーマスはウェイン・コーポレーションの社長ではあったものの経営は他者に任せ、外科医として多くの人々を無償で治療してきた。
ブルースの幼馴染であるトーマス・エリオットの両親がブレーキ事故に遭った際、トーマスは医師として母親を救った。
しかし、実は両親の抹殺を目論みブレーキに細工をしていたトーマス・エリオットは計画が頓挫したことからウェイン家を逆恨みするようになりハッシュというヴィランになった。
もう一人のバットマン
フラッシュの長編フラッシュポイントに登場した「殺されたのがブルースだった」という並行世界ではトーマス自身がバットマンになっていた。
トーマスは最愛の息子を奪った犯罪者への復讐からヴィランの殺害も躊躇わない冷徹なヒーローとして描かれている。
こちらでの表の顔はゴッサムのカジノの経営者にして医師。
ほぼ生身のみで戦い殺しも厭わないバットマンは大ベテランのヒーローで他のヒーローたちから尊敬を集め、彼の意思に行動を左右されるほど。
世界の危機に興味はなく、ゴッサムを守れればいいと考えていたが、突如現れたバリー・アレンから改変前の世界では息子がバットマンとして生きていることを知り彼に協力する。
ブルースのバットマンが両親を奪った銃による殺害をしないと心掛けているのに対し、トーマスは銃を用いる。
フラッシュポイント以降の作品にも登場するが、評価を下げる展開もある……。
NEW52のEarth2にも登場。
ジョーカー版
2019年公開のジョーカーではゴッサムの市長候補として登場。
これまでのトーマス像とは打って変わり、傲慢で尊大な「汚い大人」として描かれ、ジョーカー誕生の原因を作ってしまう。また出生届を捏造しアーサーを自分とペニー(アーサーの母親)との実子ではなく養子とした。
また本編自体がアーサー・フレックの一人称で描かれる上に解釈が分かれる物語であるゆえ、アーサーの個人的解釈でトーマスを排他的な大人と描きすぎているという見方もできる。
※現にTHE BATMANバースではスキャンダルのもみ消しに関するトラブルで彼は命を落とした。
更に別のトーマス・ウェイン
DCコミックの言わば「正史世界」に似ているが善悪が逆転している平行世界である「アース3」には、正史世界には存在していないトーマス・ウェインの子供(ブルース・ウェインの兄)であるトーマス・ウェインJr.が存在している。
アース3でも起きた「ブルースがバットマンになる切っ掛けになった事件」では、ブルースとマーサが死亡し、その後の父子2人のトーマスの確執の結果、父親のトーマスはゴッサムの表の支配者に、息子のトーマスはバットマンの歪んだ鏡像であるオウルマンと化す。
オウルマンと化した息子を止めようとしている父親のトーマスも「目的の為なら手段を選ばない」「悪が勝ち続ける世界では、悪を止めようとする者も悪と化す」という状態に陥っており、ゴッサムの一般市民からすると、どちらが勝っても独裁者タイプの悪党が町を支配する事に代りはないという「詰んだ」事態となっている。