あらすじ
ばいきんまんがヒヤリ城に呼ばれ、パンを振る舞われていたところ、ドクター・ヒヤリがアンパンマンを徹底的に研究して作った発明品・パンおばけを取り出す。パンを食べていたかびるんるんにパンおばけが取り憑くと、突然かびるんるんがパンを怖がるようになる。ばいきんまんがパンおばけを貰って去っていくが重大な弱点があった。
アンパンマンとメロンパンナが飛んでいると、カバオくんら子供たちが遊びすぎておなかを空かせていたので顔をあげようとするが、その時にパンおばけが取り憑き、子供たちが怖がって逃げ、「パンなんか嫌い」などと言われてしまう。突然の出来事に疑問を感じる2人であったが、その陰にはばいきんまんの姿が。
一方、カバオくんの家を訪問したバタコさんがカバオくんのお母さんにパンを渡そうとした途端、パンおばけがカバオくんのお母さんに取り憑き、「パン怖い」と言われ急に戸を閉めてしまう。やがて町でもパンおばけが取り憑いてみんなパンを怖がってしまい、その隙にパンをかびるんるんに取られてしまう。騒ぎを聞いたアンパンマンとメロンパンナが駆けつけると、2人を見た町の住人たちが一斉に怯えて逃げてしまった。そこへばいきんまんが来て町中のパンを盗み、更にバタコさんとチーズにも取り憑きアンパンマンたちを見て怖がって逃げ出す。
ヒヤリが弱点を伝えようとするも、ばいきんまんは聞かず隙を見てアンパンマンをラケットで攻撃、その際アンパンマンが住人たちに自分の顔を見られて一目散に逃げ出す光景を目撃した隙を突かれ、町の噴水に叩き込まれ顔が濡れてしまう。メロンパンナがすぐにパン工場へ知らせに行く。パン工場ではジャムおじさんがいつものようにパンを焼いていたところへメロンパンナが駆け付けてまもなく、ジャムおじさんにパンおばけが取り憑いてしまった。ジャムおじさんは怯えながらもアンパンマンのためにパンを焼こうと葛藤する。そこへバタコさんとチーズが来て、メロンパンナを見るや怯えて走り回り、二人がぶつかってチーズが吹っ飛んで水をかぶり正気に戻ったのでパンおばけは水に弱いと知ったジャムおじさんはバタコさんとバケツで水をかけあって戻り、アンパンマン号で向かう。
その頃町ではアンパンマンがばいきんまんから逃げ回っていたが、そこへアンパンマン号で駆けつけてきたバタコさんに顔を交換してもらう。その時町で雨が降りだし、メロンパンナがアンパンマンに、せっかくの新しい顔が濡れてしまわないように防水ヘルメットをかぶらせる。撤収しようとしたパンおばけが雨で消え、人々が元に戻る。ヒヤリは「パンおばけはアンパンマンを研究して作ったため、アンパンマンと同じように水に弱い」とばいきんまんにアドバイスするも後の祭りで、結局ばいきんまんはアンパンチでやっつけられてしまった。やがて雨があがり、バタコさんたちは再び町でパンを配り、町の人々に笑顔が戻るのであった。
ヒヤリの城ではばいきんまんがヒヤリに「どうして先に(欠点を)言わなかった」と話すが、ヒヤリは「聞こうとしなかったのはお前さん(ばいきんまん)の方だ」と突っ込む。そこへ残ってた1匹のパンおばけがばいきんまんに取り憑き、パンを怖がって走り回るのだった。
登場キャラクター
太字は初登場キャラクター。
パンおばけ
カバオくんのお母さん
町の人
創作ネタとして
この話は、「パンおばけに取り憑かれた人々の目線でアンパンマン(及びメロンパンナ)がとても怖い顔に見えてしまう」という異例のエピソードで、そのインパクトさからネット界隈では内容よりも例の顔の方が有名になっている(特に有名なのは、バタコさんやチーズがパンおばけに取り憑かれた際に、アンパンマンとメロンパンナが心配しているシーン。カバオくんたちが取り憑かれた場面も一応ネタにされている。)。実際、Googleで上述のサブタイトル名で画像検索をすると、所々でこのような画像が出てくる。
更には、マグネットブック及びマグネット絵本「アンパンマン どきどきおばけやしき!」ではアンパンマンとメロンパンナの怖い顔が付録のシールマグネットの一つとして玩具化されており、公式グッズでもネタにされている。
備考
- パンおばけに取り憑かれた者はパンがとても恐ろしい物に見えてしまうのだが、パンはおろか上述で記したように、パンで出来たキャラクターであるアンパンマンやメロンパンナを見ただけでも怖がるという特徴がある。
- この話より前に、ばいきんまんが発明したおばけパンというキャラクターがいるが、パンおばけとの関連性はない。
- この話の中で子供たちが好きだと言ったパンは、あんパン、カレーパン、メロンパン、クリームパン、やきそばパンなどがあったが、何故かロールパンが出てこなかった。