同名のタイトルが2つあるため、別に分けて説明する。
アニメ版
アニメ「それいけ!アンパンマン」の第389話Aパートとして、1996年7月29日に放送された。
あらすじ(アニメ版)
アンパンマンがパトロールへ向かうが、その際にバタコさんが熱を出してしまう。ジャムおじさん達が看病するがバタコさんの熱が中々下がらない。ジャムおじさんがなだれ谷に一年中雪があると話し、バタコさんの熱を下げるのに必要な雪を手に入れるため、メロンパンナが向かう。
その頃、森で日光浴をしていたドキンちゃんが暑くてかき氷が食べたいので氷を取ってくるよう、ばいきんまんに命令する。
メロンパンナはなだれ谷で雪を取る傍ら、元気のない花にメロンジュースをあげる。するとゆきおにが現れ雪崩と吹雪を起こしてメロンパンナを攻撃。ドキンちゃんのために氷を探しになだれ谷にやってきたばいきんまんはメロンパンナの悲鳴を聞き、ゆきおにとメロンパンナを見つける。メロンパンナは雪崩に巻き込まれてしまい、ゆきおには再び姿を消した。それを見たばいきんまんは何かを閃く。
夕方、アンパンマンはジャムおじさんからメロンパンナが帰ってこないと聞く。アンパンマンとチーズが探しに行くとブラックロールパンナが現れる。ばいきんまんも現れ、アンパンマンとチーズは捕まってしまう。ばいきんまんがブラックロールパンナにトドメを刺すように命令をするが、アンパンマンがなだれ谷でメロンパンナが大変なことになっているかもしれないと言う。ばいきんまんが「メロンパンナならゆきおにに捕まった」とうっかり口を滑らせてしまい、ブラックロールパンナはなだれ谷へ向かう。
ばいきんまんがそれに気を取られているうちにチーズがマジックハンドから抜け出し、UFOを操縦してアンパンマンを助け、再びなだれ谷へ向かう。しつこく付きまとうばいきんまんをアンパンチでドキンちゃんの所まで吹っ飛ばす。なだれ谷に到着したブラックロールパンナはメロンパンナを探す。するとゆきおにが現れ、雪崩を起こしてブラックロールパンナを攻撃。そこへ駆けつけたアンパンマンが来てブラックロールパンナを助ける。
チーズはメロンパンナを探しに行く。ブラックロールパンナは次々と現れるゆきおにの妨害を受けながらも、アンパンマンに戦うように言うが、アンパンマンは「僕には戦う理由がない」と言い返す。ブラックロールパンナが攻撃しようとすると、突然光が入り込む。その光の正体はメロンパンナが見つけて元気付けた花だった。光によって雪が解けたが、その雪がたくさんのゆきおにに変わる。
メロンパンナを探していたチーズは時を同じくして入り込んだ光を見つけ、その光の元を掘ってみる。雪に埋もれたメロンパンナを見つけ助ける。アンパンマンとブラックロールパンナがゆきおにと交戦。
そこへチーズとメロンパンナが来る。ゆきおにが雪崩を起こし、再びメロンパンナを襲う。メロンパンナが助けを求めて叫ぶと、ロールパンナは元に戻る。
ロールパンナがゆきおにを撃退し、アンパンマンはメロンパンナを救出。ロールパンナの隣をメロンパンナが飛ぶが、ロールパンナは去っていく。パン工場に帰り、雪のおかげでバタコさんの熱が下がる。アンパンマン達はロールパンナの話をした。なだれ谷の中でメロンパンナが元気付けた花は、元気に咲いていた。
備考
- 「アンパンマンと○○」というサブタイトルは大抵の場合、ゲストキャラクターの初登場回というケースが多いが、今回はその限りではない。
- ばいきんまんの出番は少なめで、その上アンパンチを珍しく中盤で食らっている。
- ドキンちゃんが水着姿で登場している。
- ブラックロールパンナが登場するのは今回で2回目(劇場版も含めると3回目)。今回はメロンパンナの叫び声を聞いただけで元の姿に戻っている。
- アンパンマンとブラックロールパンナが珍しく共闘している。
- 「決着は後でつける」と言っていたロールパンナだったが、埋まってたメロンパンナをチーズが掘り出したり、また埋まりそうになったりで、結局勝負のことはうやむやになってしまったようだ。
登場キャラクター
アンパンマン
ばいきんまん
ドキンちゃん
ジャムおじさん
バタコさん
チーズ
メロンパンナちゃん
ロールパンナ
ゆきおに
絵本・紙芝居版
絵本版は1995年1月にフレーベル館より出版・発売、紙芝居版は2004年1月1日付で発行・発売された。
あらすじ(絵本・紙芝居版)
内容は双方とも一部、アニメ「それいけ!アンパンマン」の第300話「ロールパンナのひみつ」(1994年9月19日放送)をベースに準拠したものになっているが、おおむね以下の内容になっている。
- パン工場でジャムおじさんが「メロンパンナのお姉ちゃんを作ってあげる」という事で、メロンパンナとバタコさんも手伝う。
- その間にばいきんまんが「バイキンジュース」をパンの生地に混入させ、そのままパン焼き機窯に入れてしまう。
- パン焼き機窯が爆発し、中からロールパンナが出現。そのまま煙の中へ姿を消し、アンパンマンが追いかける。
- 追ってきたアンパンマンをロールパンナがロールリボンで巻き付ける。そこへばいきんまんが現れて真相を語り、アンパンマンを遠くへ投げ飛ばす。
- 飛ばされたアンパンマンをしょくぱんまんが見つけて一緒にパン工場へ連れて帰る。新しい顔に変えてもらい元気を取り戻すアンパンマン。アンパンマンやしょくぱんまんから事情を聴いたジャムおじさんは、「ロールパンナはバイキンジュースのせいで良い心と悪い心を持って生まれてしまった」と考え込む。「ばいきんまんはロールパンナちゃんに悪い事をさせるつもりです!」とアンパンマンは言う。メロンパンナは「お姉ちゃんを助けなきゃ!」と叫ぶ。
- ロールパンナを探すアンパンマンたちの前におばけだこに乗ったばいきんまんが現れ、「まずはしょくぱんまんからやっつけろ」と命令する。アンパンマンの必死の叫びもむなしく、しょくぱんまんを攻撃するロールパンナ。
- ところが、それを見たドキンちゃんがしょくぱんまんを助けるべく、ドキンUFOで妨害しロールリボンを切断しようとする。その弾みで弾き飛ばされ、岩の上へ真っ逆さまに落ちていくロールパンナ。
- 間一髪のところでメロンパンナが助け出し、気絶した(恐らくドキンUFOにぶつかった衝撃によるもの?)ロールパンナにメロンジュースをふりかける。すると、ロールパンナの左胸の赤いハートが光り、目を開けてメロンパンナをじっと見つめ、「今まで悪い夢を見ていたみたい」と言う。
- おばけだこに苦戦を強いられるアンパンマンとしょくぱんまんだが、正気に戻ったロールパンナのリボンでおばけだこを絡み付ける。その経緯を知らないばいきんまんが腹を立てる。
- おばけだこはリボンで動けなくなり、ばいきんまんもアンパンチでやっつけられてしまう。
- 戦いが終わると、そこにロールパンナの姿はなかった。「パン工場に帰ろう」と叫びながらアンパンマン達が探し回る。その姿を岩陰からみつめるロールパンナは、「悪い心に勝てるようになるまではパン工場に帰れない」と寂しそうにつぶやくのだった。
「ロールパンナのひみつ」との相違点
- 「パン工場ではジャムおじさんがパンをこねている」という場面から始まっているためか、10年に一度しか咲かないまごころ草の花のくだり、メロンパンナがメロンジュースを入れる展開が丸ごとカット。
- アニメ版でのロールパンナは、もともと、「メロンパンナの友達」として作られる予定だったが、メロンパンナが「お姉ちゃんがほしい」という事で、「メロンパンナの姉」として作られる事になったのに対し、絵本・紙芝居版では最初から「メロンパンナの姉」として作られている。
- バイキン仙人やホラーマン、どんぶりまんトリオ、カレーパンマンなどが登場していない。
- ばいきんまんが混入させたのが「バイキン草」から「バイキンジュース」に変更されており、混入した内容も「バイキンクモメカがパン工場に忍び込み、バイキン草のエキスを生地に注入させた」から「ばいきんまんが直接パン工場に赴き、バイキンジュースの入ったスポイトで注入させた」というものに変更されている。
- 誕生した時のロールパンナの姿が何故かブラックロールパンナになっている。
- アンパンマンの顔が変わった経緯が「水晶の魔人の光線で水晶にされるも、バイキンUFOから切断されたハンマーが当たって水晶が割れた」から「ばいきんまんに投げ飛ばされたアンパンマンを拾ったしょくぱんまんがパン工場へ連れて帰った」という内容になっている。
- 戦いの舞台が「水晶の谷」から「とある谷」(1戦目)、「おばけだこの住む海岸」(2戦目)になっている。
- ドキンちゃんが戦闘に乱入している。
などとなっている。