概要
長期休載中の『フリージング』同様に「コミックヴァルキリー」にて2021年より連載されている。
単行本は2024年4月時点で10巻まで刊行。
「ヴァルキリー」は月刊誌だが、『フリージング』のとき同様に作者が週刊連載とほぼ同等のペースで執筆し1度に複数話を誌面に掲載するため、連載期間に比して刊行ペースが速い。
漫画家として名声を得たものの非業の死を遂げた主人公が、チート級のスキルを得て異世界転生を果たし、自身の平穏な居場所を守るために世界を脅かす怪物と戦う英雄譚である。
登場人物
- アキラ・ラインフォルド
主人公。前世は日本人の漫画家・神代彰。18歳でデビューし、努力の末に29歳という若さで出版社より大賞を授与されるほどの成功を収めたが、その過程で自他共に厳しい態度をとり続けた結果友人や恋人には見放され、肉親である母親はパチンコに依存し金の無心ばかりという中でガンを患い、失意のうちに交通事故死を遂げる。
しかし、「5人の母親候補のうち1人を選び異世界アルテアラッドに転生する権利」を獲得し、前世を省みて地位や名誉ではなく人間関係に恵まれた平穏な人生を送るため剣聖や王族の人生をあえて選ばず、魔法商店の一人息子として生まれ変わった。
転生直後より、魔力を込めて描いた絵を生物・無生物問わず実体化させるスキル「ドローイング」を有しているが、周囲には詳細を伏せ召喚術に偽装している。また、魔力量も異常なほどに膨大で測定不能。
- メディスフィナ・シュトロムハイム
ヒロイン(メイン画像の女性)。愛称はメディス。アキラが住む南の大陸の王国・シュトロムハイムの王女で第一王位継承者。勇者の血族マイアンの血を引いている。
幼少期、政争から逃れるため王城を離れていた頃にアキラと知り合い友人となる。
それから8年後、王国に迫る危機に備え、アキラを呼び寄せた。
アキラのことを想いつつもなかなか進展せず、見かねた女王から「半年以内にアキラの子を身籠らなかったら王位継承権を剥奪する」と宣告されてしまう。
- メルアリア
愛称はアリア。ラインフォルド家に住み込みで仕えるメイドでエルフ。
アキラの秘めたる力に惚れ込んで厳しく育てているが、世界の根幹に関わる秘密を抱えている。
物語の裏ヒロイン的な立場にある。
- カル・ラインフォルド
アキラの父で、妻のディファーと共に王都で魔法商店を営んでいる。
かつて天才魔導士として名を馳せていたが、とある事情から表舞台を去り隠遁生活を送っている。
アリアの素性を知る数少ない人物。
- カティア・マイアン
「剣聖」の称号を持つマイアン家の女騎士。メディスの父方の叔母だが、それと同時に剣の師にして腹心。
本人は知らないが、転生する際のアキラの母親候補の1人だった。
用語解説
- アルテアラッド
中央にある大海の東西南北に存在する4つの大陸から成り立つ異世界。アキラたちが住むシュトロムハイムは南に位置している。
人間の枠組みの中にありながらも優れた身体能力・魔力を宿す存在。世界各地に7つの家柄が現存している。
- ドローイング
アキラの固有能力。「絵に描いたものを実体化させ操る」という、召喚術と似て非なる能力。「アルテアラッドに存在するものに限る」「アキラが詳細を認知している」「人間は対象外」などの複雑な条件こそあるが、属性が異なる高位の召喚獣を同時に複数体使役する、一部の形状・能力を変化させる「リファイン」などの応用も効く。
- 聖屍(オダー)
いわゆるアンデッド。生半可な攻撃では倒せず、血液を介して他者を侵食することで増殖する。アルテアラッドを襲う災害として認識されているが、実際には何者かの意思がはたらいている。