概要
ニッポニテス(Nipponites)は白亜紀末に現在の日本近辺の浅海に生息していたアンモナイトの一種。「異常巻アンモナイト」また後述する理由から「異形巻アンモナイト」とも呼ばれる「どうしてこうなった」構造の殻を持つ種類の1。
蛇がとぐろを巻いたような殻を持ち、1904年に北海道で発見された当時は奇形ではないかと考えられた。しかし後年、コンピューター解析により規則性があることが証明され、進化の結果、環境に適応するためにこの形態になったものと判った。ただし、何故この形状に進化したのかはいまだ謎である。
こうした「異常巻き」のアンモナイトはニッポニテス以外にも存在し、かつてはアンモナイトという種が絶滅に近づいていた証とも考えられていた。しかし現代ではそれぞれの生息環境に適応するための進化という説が有力で、アンモナイト自身にとっては異常でも何でもないため「異形巻き」という呼称を推す研究者もいる。
近縁種のユーボストリコセラス・ジャポニカムがドリル状の殻を持つ他、日本の地層でゼムクリップ状の殻を持つディプロモセラス、トロンボーンのような殻のポリプチコセラスなど「どういうことなの」進化をした種類がよく出ることから、日本近海には適応放散を促す何かがあったのかもしれないと考えられている。
日本古生物学会のシンボルマークにデザインされている。