概要
またの名はスド、アッシリア神話ではムリッスと呼ばれる風の女神。
収蔵の神ハイアと、大麦の女神ヌンバルシェグヌ(ヌンシェバルグヌまたはニサバ)の娘
または創造神アヌ(アン)とアントゥ(キ)の娘、あるいはアヌと海の女神ナンムの娘とされる。
風神でもある最高神エンリルの配偶者で、夫がエレシュキガルのいる冥界へ追放されたため、その後を追って死に、死後エンリルと同じ風神となる。夫エンリルが「冬の北風」とした崇められていたのに対し、ニンリルは「南風の女神」とされた
後に「風の女王」としてアッカドの悪霊リリートゥと関連付けられ、これがヘブライに伝わり、リリスの原型になったと考えられている。
神話における記述は様々で、エンリルがベルの名でニップール(イラク南部の都市)を支配していたときの妻。ニンフルサグ(山の奥方)、ベリト(奥方) 、「神々の母」などと呼ばれたが,バビロニアの神界では絶対権をもたなかった。
彼女はヌンビルドゥー川で舟を漕いでいたときにエンリルに強姦され、月を司る男神ナンナを生む。その罰でエンリルは黄泉の国に追放されたため、ニンリルはそれを追うが、エンリルは黄泉の国で役職に就く3人の悪霊にそれぞれ化けて彼女を4度も強姦、太陽と疫病の神ネルガル、治癒の神ニンアズ、運命の管理を司る神エンビルル(アダト)を生ませた。こうすることで3人の悪霊を身代りにしてナンナを天に昇らせることができたという。