概要
1611年にスウェーデン国王に即位したグスタフ・アドルフ及びその宰相・アクセル・オクセンシェルナ、更に1654年に即位したカール10世らによって、17世紀のスウェーデンはバルト海沿岸部の2/3に及ぶ地域(現在のスウェーデン領土に加えフィンランド、エストニアなどを含めた領域)および現在のノルウェー中部を支配する北欧最大の国家であった。この頃のスウェーデンを指して日本では「バルト帝国」と呼ぶ事が多い。
1700年、反スウェーデンを掲げたデンマーク・ロシア・ポーランドが同盟を結びスウェーデンに対して戦争を起こした(大北方戦争)。当初はスウェーデンが優勢だったものの、ポルタヴァの戦いやハンゲの海戦(ガングート海戦)などでロシアに対して大敗北を続けた結果バルト海の覇権をロシアに大きく奪われる事となった。最終的には対ノルウェー戦線の指揮を執っていた国王カール12世の死をもってスウェーデンによる「バルト帝国」は崩壊。大北方戦争終結に伴い締結されたストックホルム条約およびニスタット条約によってスウェーデンはフィンランドを除く海外領土を喪失し、北欧の大国からヨーロッパの小国へと転落する事となったのである。