概要
あの広告でお馴染みのウェブ漫画作品。グルメ漫画とされているが、実際は毎作登場するクズをあの手この手で成敗するバトル漫画である。1シリーズ3話完結式で現在3シリーズ存在する。
作者の深蔵氏はパンメーカーで実際に勤務してたらしく、その経験が本作に取り込まれているという。
シリーズ
2020年に1作目である『パンメーカーのコムギくん』が、翌年2021年4月に続編の『パンメーカーのコムギくん2~ベーグル大事件~』が配信、2021年10月には好評につき3作目『逆襲の栗あんぱん』が配信されている。どの作品も無料で2話まで読めるが、肝心のクズを成敗する3話目は有料となっている。
『パンメーカーのコムギくん』(シリーズ1作目)
シリーズの原点。全てはここから始まった。比較的実体験に基づいた内容で2作目以降に比べるとフィクション味が薄い。
あるパンメーカーの新入社員として営業努力を続けるコムギ、取引先の横暴な態度に耐えながらも、遂に取り付けた大量注文、しかし取引先のスーパーが届いた当日に注文をキャンセル。余る大量の在庫を捌かなくてはならず大ピンチのコムギ。そんな彼に手を差し伸べたのは意外なアイツだった。
『パンメーカーのコムギくん2 ベーグル大事件』(シリーズ2作目)
しょっぱいベーグルでお馴染み、あの有名な2作目である。広告に登場するイヤミな店員がやたら印象深く、彼をコムギくんと勘違いする人もいた。因みに名前は矢奈屋 つかさ(やなや つかさ)。潔い程にど直球だ。広告のバリエーションがやたら多く、3話目を読まずとも大体内容が判ってしまう神仕様なのも話題となった。
矢奈屋の陰謀でしょっぱいベーグルが試食会に混入、このままでは会社の評判が落ちてしまう!しかし応援に駆けつけたコムギの先輩は、不自然な点を見抜き、矢奈屋を追い詰める。
『パンメーカーのコムギくん3 逆襲の栗あんぱん』(シリーズ3作目)
まるで逆襲のシャアみたいな…
新たに就任したパワハラ部長深稲ひとしと嫌味な新人滑田ヤスオがクズポジションとして登場。滑田にパワハラ行為をでっち上げられ謹慎処分となったコムギ、さらに悪いことに深稲はコムギの事を良く思っておらず、解雇しようと画策する。社内に味方が居ない中、果たしてコムギは成果を上げ、解雇の危機を脱する事が出来るのか?そして深稲の不正を暴く事が出来るのか?
キャラクター
大麦 コムギ(おおむぎ こむぎ)
「うん、おいしい!」
本作の主人公。パンの美味しさを伝えたいという理由から『〇〇パン』(原文ママ)のパンメーカーの営業職に就職する。地道な営業努力を欠かさない努力家だが、何かと理不尽に扱われがちで、主人公でありながら作中屈指の被害者という唯一無二のポジションを確立した。しかもそんな理不尽もなんやかんやで許してしまう聖人(セイント)である。何故か苗字が設定されているにも拘らず、皆「コムギ」と名前で読んでいる。あの深稲さえも「コムギ」呼びである。多分、名前を呼んではいけないあの人のように彼の苗字はNGワード扱いされているのだろう。
山下 伊助(やました いすけ)
「ってごめんごめん。ここの棚ほとんどウチの商品だったわ」
皮肉しか言わない男、SIMPLE2000シリーズ THE 皮肉である。皮肉ばかり言ってるが骨と皮だけ、という訳ではなく、ややぽっちゃりである。しかしムチムチかどうかと言われると、脱いでみないことには分からないだろう。ぜひ、彼のR-18絵を投稿してあなたの答えを示してほしい。クズポジションかと思いきや、コムギに救いの手を差し伸べたツンデレである。
長谷川 幸恵(はせがわ ゆきえ)
「なんだいまたあんたかい?」
個人経営スーパー「ハセガワストア」の店主。一見無愛想なオバサンのように見えるが、実は作中屈指のツンデレキャラである。最初はコムギを厄介者扱いしていたが、営業努力に感心しデレた。その後色々あって1作目では「あんた」呼びだったのが、3作目では「コムギちゃん」呼びに変化していた。
矢奈屋 つかさ(やなや つかさ)
「こんなのいらないねっ!」
画像右上の広告でお馴染みのイヤミな店員。キャプテン・ファルコンが「ランチの人」なら、彼は「広告の人」だろう。そのくらい数々の広告で多くの人間の記憶に刻み込まれたツンツン頭。しかし、ツンデレではなく、最後までクズポジションを貫いた漢だった。好意を寄せていた広井と仲良くしていたコムギを一方的に敵視、被害妄想を爆発させ、なんとコムギとパンメーカーの評判を落とそうと画策する。
その方法はあなたもよくご存知「しょっぱいベーグル」を試食会に紛れ込ませ、評判を落とそうというシンプルかつ汚いもの。持ち前の料理のウデマエで作ったそうだが、パッケージ含めコピーしているため工作も得意なことが窺える。更にあのベーグルは市場に出回る前の商品だったため、CIA並の諜報能力も持っていると推定される。何故彼のような人間がスーパーの店員をしてるのか不思議である。いや、彼のような人間だからこそスーパーの店員なのかもしれない。
作戦が上手くいったと思って調子こいてたらボロを出し不正工作を看破されてしまったため、コムギの先輩に「警察に突き出します」と言われ人生のゲームオーバーを迎えてしまった。ま、コムギを陥れたところで広井が矢奈屋を好くはずも無いんですけどね、屋奈屋さん。その後は失脚したのか、売り場の担当者は広井に変わっている。
広井 こころ(ひろい こころ)
屋奈屋に好意を寄せられていたスーパーの店員。屋奈屋に「料理を振る舞うから家に来ないか」としつこく誘われていた。屋奈屋の事なので料理は建前で本命はSEXなのは想像に難くないだろう。もちろんお断りされているのは言うまでもない。なおコムギに「行ったんですか?」と聞かれた際は「まさかぁwww」と笑っていた。
清木 聖人(きよき せいじ)
「成長してんな!」
コムギの先輩。数少ない聖人(セイント)であり、名前もセイントを意味する「聖人」である。実際聖人であり、コムギの理解者でもある。適切なアドバイスをくれたり、成長をしっかりと褒める理想の上司であり、本当にこのマンガの人間なのかと疑う程いい人である。しかしその一方不正や悪さを働く者には鬼であり、矢奈屋を追い詰めたのは彼であった。
課長(かちょう)
『1』から登場する初期メンバーの1人だが、これという見せ場も無く影が薄い。今のところは。
滑田 ヤスオ(なめた やすお)
「発注書も書き換えときましたw」
『3』で登場する新入社員。ウザい後輩だが可愛さはない。ムカつく。マジ殴りたい。そういった読者の思いを反映してか、不注意で事故って血を流す。しかし、それをしれっとコムギのせいにして暴行をでっち上げるクズ。こんな後輩いらないねっ!そのクズさには聖人の清木さえも手を挙げそうになる程だった。
ツイッターやインスタグラムにハマるデジタルネイティブ世代で、勤務中や車での移動中にスマホをいじるのはもちろん、「バズりそうだから」と、無許可で写真を撮ってツイートするなど常識に欠けた行動が目立つ。更にはあfろ作品さえあまり生やさない草をセリフの随所に生やし芝3200mコースを作り上げる。勿論読者のストレスはマッハ、スピードカンストSS+である。
深稲 ひとし(ふかいな ひとし)
「あいつはパワハラをした、そして謹慎になった。私がそう言えばそれが事実なんだよ!」
不快なほうのひとしくん。新たに営業部に着任した部長で、滑田に異常に甘く、コムギには厳しい。その理由は新しいやり方や効率主義こそ絶対正義と考えているからである。
ド直球ネームのクズポジションの例に漏れず、目的の為なら冤罪のでっち上げや恫喝さえも上等(しかしパワハラはダメ)という倫理のバグったオッサンである。だが彼を単に「フィクションのヤバイ人間」と割り切ってはいけない。彼の行動は先鋭化しておかしくなってしまった急進的な考えや自由主義の縮図であり、実はそれらに対する警告を唱える社会派キャラクターなのである。