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ヒラタケ

ひらたけ

ヒラタケは、ヒラタケ科ヒラタケ属の食用きのこの一種。学名はPleurotus ostreatus。

概要編集

世界中の温帯の山林に発生するきのこ。広葉樹の枯れ木に生える。寒い時期にも生育しているため、カンタケ(寒茸)の異名もある。

傘は扇形だが、中央がくぼんで漏斗形になることもある。

傘の色は初めは黒に近い茶色だが、成長するに従ってだんだん白みを帯びてくる。

一側に片寄って長さ1~4cm,太さ1~2cmの柄をつける。形状には生育環境によって変化が見られ、天然ものや原木に種菌を植え付けて栽培したものは毒きのこのツキヨタケに非常にそっくりな形状になる。一方、おがくず菌床栽培したものはいわゆる典型的なきのこ型になる。


世界各地で食用にされ、食用としての歴史は古く、縄文時代からすでに野生のヒラタケを食用にしていたことが研究によってわかっている。平安時代や鎌倉時代の書物にも登場しており、古くから日本人の味覚を唸らせてきた人気のあるきのこであったと言えよう。

味や香りに特有の癖がないため、味噌汁などの汁物や鍋物、炊き込みご飯や天ぷら、チャーハン、オムレツ、炒めものなどに向く。


かつては本種をおがくずで菌床栽培し、株立ちになったものを「しめじ」という名称で流通させていたが、シメジ科シロタモギタケ属のブナシメジの栽培が成功して「ホンシメジ」の名称で流通するようになったことで一時はヒラタケの生産は下火になったが、近年は野生に近い環境で栽培し、傘が大きい野生の状態に近づけて「ヒラタケ」もしくは「カンタケ」という名称で流通させている。


前述のとおり、ツキヨタケという毒菌があり、古くから本種とツキヨタケとを取り違えた中毒事故がしばしば発生している。一応、見分け方としてはツキヨタケの方は柄の根本に黒いシミがあるがヒラタケにはないことや、夜になるとツキヨタケの方は傘の裏が青緑色に光るのに対し、ヒラタケに発行性はないことによる。

ただ、ツキヨタケの若いものには黒いシミが見られないことや、発光しないこともあるため、やはり図鑑などで両者の特徴をよく勉強してから採取すべきである。

極論を言えば、スーパーや直売所で栽培品を買ったほうがいいとも言える。というのも、現在のヒラタケの栽培品は野生のものと品質並びに味にそれほど差は見られないためである。


関連タグ編集


スギヒラタケ:元々は食用であったが、現在は流通禁止となっている。

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