概要
両生綱有尾目イモリ科サラマンドラ属のイモリの一種で、別名はマダラサラマンドラ、ヨーロッパサラマンダー。
ヨーロッパの広い地域に分布しているため、たくさんの亜種が知られており、伝承に登場する火の精霊サラマンダーのモデルは本種であるといわれている。
ずんぐりとした黒い体に黄色や赤、オレンジ色の縞模様や斑を持ち、全長15~25㎝ほどに育つが、まれに30㎝を超える個体もいる。
毒々しい身体の模様は警戒色であり、後頭部と背中の正中線に有尾類最大であるという2列の毒腺を持ち、外敵に襲われそうになると、光の加減によっては炎のようにも見える乳白色の毒液を噴射する。(そのため乳白色の液体=牛乳と連想され、サラマンダーの火は牛乳でしか消せないといわれたり、盗み飲んでしまうなどの伝承がある。)
この毒は刺激性がある神経毒で、中毒すると過呼吸を伴った筋肉の痙攣と高血圧を引き起こす。
そのため成熟したこの生物の天敵はほとんど存在しないが、幼体のときには毒腺がないために肉食昆虫や、肉食魚の餌になってしまうのだという。