概要
両生綱有尾目ホライモリ科ホライモリ属に分類されるイモリで、本種のみでホライモリ属を形成している。
体は蛇のように細長く20~30㎝ほどに育つが、40㎝の個体も存在したとの記録がある。
バルカン半島にあるディナル・アルプス山脈の鍾乳洞に棲む固有種で、南米のアホロートルと同じくネオテニー(幼形成熟)によって外鰓を持ったまま成長するので通常は水からでることはない。
目が発達せずに聴覚、嗅覚、電気などに対する反応は非常に敏感である。
また、四肢は細く退化しており指は他の両生類より少ない。
皮膚は白く、現地の白人の肌の色に似ていることから、クロアチアでは「人の魚」と呼ばれている。
大雨が降ると洞窟の外に出てくることがあり、1689年に書かれた書物でその存在が言及されており、特異な外見から地下に棲むドラゴンの幼生だとする伝承が生まれていた。
なお、アルプス山脈全域で伝承される、猫の頭を持つ蛇という幻獣「タッツェルブルム」の正体だとする説もある。
特殊な環境に適応しているため環境汚染には非常に弱く、絶滅危惧種としてクロアチア、スロベニアでは特に保護されている。