概要
示成式は「C₆H₅OH」。
石炭から抽出されてできた酸なので、またの名を「石炭酸」と呼ぶ。
性質
ベンゼン中の水素原子1個をヒドロキシ基(-OH)に置き換えたもの。
常温では無色の固体で、有毒。皮膚に触れるとその部分が侵される。
水溶液中では非常に弱い酸性(二酸化炭素の水溶液である炭酸水よりも弱い)を示し、ナトリウムと反応して化合物を生成する。
製法
ベンゼンから作るのは一見簡単なように見えるが、簡単に作れるものではなく、実際の製造現場では以下の2通りの製法が使われる。
用途
消毒薬
昔は消毒薬として使われていたらしい。だが、発癌性が指摘され、今は使われていない。
樹脂原料
現在のフェノールの用途はもっぱらこれ。付加重合させると「ベークライト」と呼ばれる樹脂ができ、さまざまなところに使われている。
サリチル酸の原料
フェノールにカルボン酸を付加させるとサリチル酸ができる。
それにメチル基を追加したサリチル酸メチルは、解熱鎮痛薬として使われている。