ブラックメン襲来!?
ぶらっくめんしゅうらい
『ケロロ軍曹』原作9~10話・アニメ9話Aパートで収録されたエピソード。
原題は「六弐参事件勃発!!」「四番目之宇宙人」、アニメでは「恋の行く手に来るクルル」。
テレビアニメ版
北城睦実がサブローとなったことから、エピソードの展開がこれまでのものと大きく異なる。
キャラクターの設定として、原作で623こと北城睦実が若く見えるのに対し、アニメであるサブローはミステリアスな設定であることから、若干大人びた設定になっている。
その影響からかエピソード自体もマイルドになっており、原作の623は本エピソードが初登場だったこともあってかなり裏の顔があるような性格だったものの、アニメのサブローは第1話から何度か登場していたこともあって優しめの不良生徒という扱いに変更された他、原作で「全員消えてもらうよ」と623が発言するシーンは代わりに夏美が「卑怯よ…」と発言した際に「卑怯…?」と聞き返すものに変更された。
623が日向家に侵入し、クルルを出現させるところは同じだが、そこまでの展開が原作とは大きく違い、さらに短縮されて放送されたため、上記のように原作では2話続きだったものがアニメでは1話(それも1パート)で収録されることとなった。
↓以下、原作とアニメの大きな違い
フラッシュアニメ版
物語の始まりから全員集合までの出来事を4話というかなり短い話数でまとめたため、タママ合流からドロロ合流までの流れは大幅カットされており、本エピソードもその影響で一枚の写真のみで済まされている。
なおその時出てくる写真をよく見るとギロロがワイプでの写りとなっており、出来事自体は原作と同じ展開であったということが分かる。
メロメロバトルロイヤル
冬樹の第3話・サブローの第1話に収録されている。
通常テレビアニメのサブタイトルを採用しているパターンが多い中、本エピソードは明らかなアニメ基準であったためか、上記の記事名である「ブラックメン襲来!?」に変更されている。
物語の展開はキャラクターの設定を優先しアニメのものとなっているが、原作の設定を一切入れていないわけでもなく、冬樹の負けパートでサブローが「消えてもらうよ」と原作の台詞を喋る(しかも声付きなのでかなりレア)シーンが見られる他、冬樹とサブローの勝ちパートでクルルが「ギブ&テイク」と発言するシーンが見られるなど、一部がオマージュされる形で入っている。「公式の粋な計らい」と言えよう。
なおサブローの勝ちパートは完全にアニメのものとなっているため、サブローが「消えてもらうよ」と言うシーンを見るためには冬樹で負ける必要がある(サブローで勝っても見れないので注意)。またどちらかで負けてもクルルが登場しないルートが見られる(それっぽい演出があるだけで、実際どうなったのかは不明)。
バトルは基本的に「冬樹&仲間2人VSサブロー」の3vs1形式となる。
冬樹の仲間キャラは基本「ケロロ」「ギロロ」「タママ」の3人が選ばれている。冬樹ルートの場合は「ケロロ」と「ギロロ」の2人で固定されているが、サブロールートの場合はレベルによって登場する相手が異なる。
レベル | 敵1 | 敵2 | 敵3 |
---|---|---|---|
かんたん | ギロロ | 冬樹 | タママ |
むずかしい | ギロロ | タママ | ケロロ |
ケロロ軍曹の原作とアニメの世界線が異なることを証明するエピソードの1つ。
当時、大体の作品がアニメ化の際に原作に忠実ながらもオリジナルの描写が入ることが多かった中、本作品はアニメ化の際に原作とは異なる展開で物語が進むことが多かった。勿論この作品以前も展開が原作とは異なる作品は多かったが、大体はキャラクターが追加されたり削除されたりしたことで変更されたものだったため、登場キャラが同じであったものの、キャラクター設定が一から異なることから、エピソードをアニメオリジナルの展開で作るということはほとんどなかったのである。
このことから当時アニメの評価や認知度は低かったものの、このエピソードを皮切りに原作では作ることのできないアニメオリジナルのエピソードが多く作られるようになったことに加え、アニメの623ことサブローがアニメで頻繁に登場するようになったことから、徐々に本アニメが高く評価されていき、現在ではアニメの方が原作よりも評価が高くなるという逆転現象が起きてしまった。
ある意味本作品が愛されているのはこのエピソードのおかげであると言えなくもない。