概要
2010年に公開されたSFアクション映画。映画『プレデター』シリーズの第3作目。
キャッチコピーは「殺す」という本能。「生きる」という本能。
あらすじ
傭兵のロイスは突如閃光に包まれ、気がつくとどこかの上空を落下していた。地面の直前でパラシュートが開き着陸するが、そこは得体の知れないジャングルだった。
その後、すぐに同じように落下してきたエドウィン、クッチーロ、イザベル、ニコライ、ハンゾー、スタンズ、モンバサと合流。
8人はジャングルを脱出するため行動を共にし、空に複数の巨大な衛星が浮かんでいるのを目にし、ここが地球でないことを理解する。
さらに未知の犬型狩猟動物の襲撃に遭い、自分たちが選ばれた「狩りの獲物」であることに気づく。
登場人物
人間
何らかの目的で集められた人間。
エドウィン以外は、軍人や殺し屋など「殺人」を生業にしているという共通点を持っている。
ロイス
元アメリカ軍人の傭兵らしき男。素性は不明。
自動式ショットガンAA-12、1911らしき拳銃にマチェットと小型のナイフを携行している。
イザベル
イスラエル国防軍所属の女性スナイパー。
プレデター(映画)の一件と思われるグァテマラに出現した個体の情報を持っている。
ブレイザーR93LRSとHk45を携行している。
エドウィン
医師。メンバーの中で唯一の民間人。
メスを携行している。
クッチーロ
メキシコの麻薬カルテル暗殺集団「ロス・セタス」メンバー。
長髪を後ろで束ねた中年の男。
フォアグリップに皮を巻いたMP5Kや金メッキパーツの使われたシルバーの1911を使っている。
ニコライ・フェドロフ
ロシアのスペツナズの一つであるアルファ部隊の隊員。
義理堅いところもある大柄なロシア人。
ガトリングガンとトカレフを携行している。
ハンゾー
日本人ヤクザ(劇中では「ヤクザ」を「日本のマフィア」と説明)。
シルバーのM92FSを使うが本領は刀のようでプレデターの一人を相手に一騎打ちを挑む。
ウォルター・スタンズ
FBIに追われていた強姦殺人犯の死刑囚。
オレンジ色の囚人服を着た小柄な男で、モンバサ(後述)とは不仲。
持ち物は「prison shank」や「Shiv」と呼ばれる刑務所内で密造したナイフのみ。
ノーランドからは「エージェント・オレンジ」と呼ばれた。
モンバサ
RUF(シエラレオネの暗殺隊)の兵士。
スキンヘッドの黒人でスタンズとは不仲。
経験から獲物を釣り出す手法には造詣が深い。
ストックを折りたたんだAKS-47とM1911を携行している。
ロナルド・ノーランド
アメリカ軍空挺部隊出身の軍人。ロイス達より前に拉致され、数シーズンを生き抜いていたサモア系のような風貌の男。
鹵獲品のプレデターマスクや日本風の兜を組み合わせた装備で身を隠し潜伏生活を送っている。
逃亡生活の末に発狂し、イマジナリーフレンドたち複数名を頭の中に同居させている。多分ホモ。
落下死した兵士
ロイスとクッチーロの後に落下した兵士。パラシュートが開かず激突死した。クレジットにも名前が表示されていないが、設定上では「ロッキー」という名前。
罠を仕掛けた兵士
作中では死体で登場。アメリカ陸軍特殊部隊の兵士で、アフガニスタンに配属されていた。様々なトラップを仕掛けてプレデターたちに備えたが通用せず、胸を撃ち抜かれて殺害され、死後2週間が経過した状態で発見される。プレデターズのコミックでは「ドレイク」という名前であることが判明している。
謎エイリアン
囮として走ったエドウィンに釣り出された正体不明のエイリアン。
作中明言はないが獲物として連れ込まれた異星人であるらしい。
プレデター
相変わらず危険な獲物とそれを狩ることに価値を見出す狩猟エンジョイガチ勢エイリアン。
今回もまた地球人に目をつけ有望な個体をピックアップして釣り堀に放った。
「クラシック」と「バーサーカー」という2種が登場し、被支配層と支配者層という関係が設定されているが、対立してもいる。
ミスター・ブラック
バーサーカー・プレデターの頭目格と見られる人物。
名称通り黒い装備に身を包み体色も赤黒い。
皮膚の質感や顔つき等はどことなく海棲生物的で凶悪な印象の外観だが、やってることは過去作のクラシック種プレデターと大差ないので安心である。
本名等は不明で、この呼称は「黒いやつ」といった程度のニュアンスの制作側からの仮称と思われる。
ファルコナー・プレデター
バーサーカー・プレデター一味の偵察役と思われる役割を受け持つ人物。
その名の通り飛行タイプのドローン(商品化の際には「プレデター・ファルコン」と呼称されることも)を鷹匠の如く操るが、これで直接的な狩りは行わず専ら偵察用途に用いる。
皮膚の色はクラシック種に近いが、フィギュアなどの顔貌は上述のミスター・ブラックと似たものになっている。
ドッグ・ハンドラー
バーサーカー・プレデターの一人。
トゲが無数に生えた犬のようなモンスター(商品化時はプレデター猟犬、プレデターハウンドと呼称されることも)を多数使役し獲物を追い立て、あるいは追い詰める役割の人物。
上述のファルコナー同様獲物にとどめを刺す時は、自分の手で行う習慣があるようだ。
マスクにはイノシシの牙のようなものを飾っている。
クラシック
バーサーカー・プレデターの野営地に囚われている、彼らとは別種のプレデター。
過去作に登場したのはこちらの種族。
上述の通り、バーサーカー種に支配される側であるようだが、それを受け入れているという訳でもなさそうで、拘束を解かれるやミスターブラックと一騎打ちを行う。
リストブレイド、プラズマキャノン、光学迷彩と過去作同様の武装を使用している。
エドウィンの正体
プレデターの狩りの対象として集められた者は、兵士、殺し屋、凶悪犯等、皆修羅場をくぐり抜けた大物だった。その中で唯一、一般人の医師であるエドウィンが選ばれたのには理由があった。
後半のネタバレあり
エドウィンは気弱な人間に見えたが、正体は殺人鬼だった。
自分を気にかけて守ろうとしてくれたニコライやイザベルに対しても、ニコライが撃たれたときに一瞬躊躇いを見せるもすぐに見捨てて見殺しにし、死んだニコライから奪った家族写真を使って「私には子供がいるんだ」とプレデターに命乞いをしたり、イザベルにも神経毒のついたメスで攻撃して麻痺させて殺そうとした。
後半、イザベルに本性を現したときは「誰も俺の正体に気づかなかったね」「これが俺が選ばれた理由だ」「殺人鬼なんだ」と淡々と語った。この星(狩場)では普通でいられるという理由で地球への帰還を拒否していたため、帰還しようとするイザベルを神経毒で麻痺させた。
しかし、ロイスにはその仮の振る舞いは通用せず、ロイスに返り討ちにされたあげく、ミスター・ブラックに対するブービートラップとして利用され爆死した。
余談
元々この作品はプレデター3としてロバート・ロドリゲス監督が脚本を二つ作っており、一つは17世紀スペインのガレオン船がプレデターに襲われ船員が闘うという内容。
もう一つは初作の主人公、アラン・ダッチ・シェイファーと2の主人公であるマイク・ハリガンが捕らえられ、二人が未知の惑星でプレデターの狩りの標的として襲われる、という内容である。
この作品は二番目の脚本のキャラクターを差し替え、殺しのプロの集団が襲われるという内容にブラッシュアップしたものである。というのも、当時アラン・ダッチ・シェイファーを演じたアーノルド・シュワルツェネッガーはまだ政治家として活動を行っていた為出演が不可能だった為である。
関連タグ
ナッシュビル・プレデターズ:単に名前が同じだけであり、映画とは無関係。
AVP2エイリアンズVSプレデター←プレデターズ→ザ・プレデター