概要
ベルベロカ(Berberoka)とはフィリピンの伝承に登場する水妖の一種で、アパヤオやアブラ、北イロコスなどの地方の言い伝えで語られている。
とても大きな怪物であり、池や沼などの水を全て吸い込んで魚を動けなくし、それを見かけた人々が安易に魚を捕ろうと近づいた瞬間に、水を大量に吐き出して溺れさせてしまう。
古老達によると、そのときに吐き出される水の勢いはとても強く、たちまち身動きが取れなくなって溺死してしまうと恐れられた。
そしてぷかぷかと浮かんだ犠牲者は魚と一緒に、ベルベロカ自身も浮かんで苦労するそうであるが時間をかけて食べられてしまうのである。
なおこのように恐ろしいベルベロカであるが、何故か蟹のことを病的に恐れており、小さなハサミで容易に身体を切り裂かれて水を漏らしてしまうといわれている。
近年では外見はオウガのような大柄な怪物として描かれることが多いが、その正体はギリシャ神話の水の精ナイアードのような、女性の水の精霊であるともいわれる。