概要
真夜中に人家に忍び込んで襲い掛かって人を喰らうという人食い妖精で、手足が生えた黒い蜥蜴のような体に魚の様な顔を持つ姿をしており、二足歩行で歩くとされ、次のような話が伝わっている。
ある所に老夫婦とその娘、犬が住む麻の茎で作られた家がありました。
ある日、真夜中に恐ろしいボブヤーたちがあばら家をぶっ壊して老夫婦を食い殺して娘を連れ去り我が物にしようと騒ぎ立てながらやって来ましたが、犬が気づき激しく吠えたてたので、犬が苦手だった彼らはやむなく退散し、家族はその日は無事に済みました。
しかしそんな事情を知らない老夫婦は犬が夜中に五月蝿く鳴いたせいでほとんど眠れなかったからといって罰として犬の足を一本切ってしまいました。
そして翌日、またしてもボブヤーたちがやって来ましたが犬が番犬ぶりを発揮して吠え立て追い払ってくれましたが、その度に脚は切られて行き、とうとう、犬は頭を切られて殺されてしまいました。
そしてその翌日の真夜中、犬が死んだのでその晩はぐっすりと眠る事ができた老夫婦でしたが、その代償としてボブヤーたちの侵入を許してしまい二度と目覚める事はありませんでした。ボブヤーたちは老夫婦を殺したのみ満足したのか娘を傷つける事無く、袋に詰めて連れ去って行きました。
ボブヤーたちは昼間は眠る習性がある為、棲み処である穴倉に変えると集団で眠り始めました。そこへ犬を連れた男性が通りかかると、娘の泣き声が聞こえて来たので、袋を開け、先ほど連れ去られた娘を見つけ出しました。彼女から事情を聴いた男性は犬を娘の代わりに袋に入れ、彼女を連れ出し2人でその場から逃げ出しました。
そして真夜中、ボブヤーたちは娘が入った袋を開けると犬が飛び出して来た為、驚き恐れおののいた彼らは逃げ回りましたが、散々吠え立てられ、最後は全員食い殺されてしまいましたとさ。