マエストロ(金色のガッシュベル!!)
がっしゅのまえすとろ
「私はこのまま魔界を攻め落とす!魔界への復讐のためにな!」
「時は満ちた!」
「さあ立て!ハザマに落とされし魔物達よ!!」
「魔界への扉が、今開く!!!」
アニメオリジナルエピソードの「マエストロ編」に登場する魔物にして、当エピソードにおける黒幕・ボスキャラの立ち位置である魔物。
CVは加瀬康之氏。
ハイド・ニャルラト・ノリトー・ハッサミー・グリサと同じくアニメオリジナルの魔物であり、原作には登場しない。
公式からプロフィールが明かされていないため、人間換算年齢や好物等は不明。
本の色に関しては、アニメ「金色のガッシュベル!!」DVD Level-2-17巻に収録された魔物百科にてすみれ色と解説されている(実物ではなく映像特典なので、対象DVDを購入・レンタルすれば現在でも確認可能。ちなみに「すみれ」の部分はひらがな表記)。
後述の事情により、原作・アニメ・ゲーム作品といった全てのメディアを通しても非常に珍しい、本の持ち主が不明(未登場)となっている魔物でもある(一応、マエストロに対応する人間自体は間違いなく存在していたと思われる)。
だが、特異な存在でありながらも実力は確かであり、(厳密にはコイルによる強化もしていたとはいえ)ガッシュからも「お主なら魔界の王になれたかもしれぬ」と評されるほどの高い戦闘力を持つ強者。
その高い実力や貫録、何より悲劇的な境遇から、アニメオリジナルキャラクターの中でも一定の人気を保ち続けている魅力的な魔物である。
容姿
頭部全体を覆う兜、勾玉のような模様が入った浴衣風の衣装、みずらに結わえた髪型、左腰にさした刀など、全体的に武士をモチーフにしたような和風テイストのビジュアルとなっている。
また、魔物に共通した「目の下の線」に関しては、左右ともにまるで雷を描くかのようにジグザグの線になっているという独特なもの。
ブラゴと並んでもかなりの長身であり、おそらく身長は2~3メートルを軽く超えていると思われる。
普段は収納しているものの、戦闘時には背中からコイルのような3本の突起物を生やし、後述の「増幅コイル」から力を得ることも可能。
コイルによって強化された状態であれば、肉体強化呪文抜きでもガッシュとブラゴの拳を軽々と受け止めるほどのパワーを発揮する。
性格
作中では「敵役」として描かれているものの、いち個人として見た場合には決して外道や非道ではないような印象も受けるし、内面を深く掘り下げれば魅力的な面を多く見つけることのできるキャラクターでもある。
そもそもとして、マエストロが復讐心を抱いたのは「自身に何の非が無いにもかかわらず、運営側のミスで戦いに参加できなくなった」という理由であり、彼自身が筋の通らない逆恨みや歪な見方をしていたわけではない(もちろん、侵攻という暴力的な手段は肯定すべきではないが)。
現に作中でも「特定の誰かを傷付けたい・殺したい」といった発言はしておらず、マエストロを駆り立てているものは「理不尽な目に遭わされた」という運命・境遇への復讐であると解釈できる。
本編での「人間界へ送り込まれた魔物はつくづく甘い」「枠に縛られた魔物の戦いなど興味は無い」といった台詞も、単なる嫌味・嫌悪ではなく自分が参加できなかった戦いに対する羨望が混じっていた可能性も高い。
他に細かな描写でも、
- 力を利用する必要があったとはいえ、ブラゴとシェリーを「客人」として迎え、わざわざピアノ付きの清潔で整った客室を与える。
- 同じく利用する算段もあったとはいえ、ブラゴを呼び出した時にも「わざわざ呼び出したことは謝ろう」「互いに有益ならいがみ合うこともない」と丁寧な物腰で接する。
- 部下達もマエストロの命令を忠実に実行しており、誰一人として離反するような素振りや不満を抱いている様子を見せていない。
等、いち個人としての器の大きさを感じられるような描写も多く、一定のファンから人気を保っているのも頷けるだろう。
増幅コイル
おそらくマエストロが開発したと思われる特殊なコイルであり、彼の計画実行において最重要とも言える装置。
ファンの間では単に「コイル」と呼ばれることも多いが、アニメ98話でマエストロが「増幅コイル」と呼んでいるため、当記事ではこれを正式名称とする。
城のデッキの左右に多数のコイルを埋め込んでおり、以下のような様々な効果を発揮可能。
- 術の発動時にコイルを連動させ、術の性能を向上させる。
- マエストロ自身の身体にある突起物と連動させ、身体能力を向上させる。
- 他者の術を「魔界への扉」を開くエネルギーに変換して吸収する。
さすがに魔界から材料を持ち込めたとは考えにくいので、もしマエストロが単身でコイルを完成させたのだとすれば「月の石」を独力で開発したゾフィスに匹敵する科学力を持っているということになる。
公式から術属性は明かされていないため、公式設定としての表記は不明。
とはいえ作中で清麿も「間違いない。奴の術は磁力」と分析している通り、実際の描写を踏まえれば間違いなく「磁力」属性だと思われる。
ガッシュが修得しているジケルドやマーズ・ジケルドンとは違い、磁力を直接的な攻撃として扱っているのが特徴的(なので、術によっては「磁力」というより「電磁波」や「電撃」に近いような描写がなされている)。
マグネルガ
「口の利き方に気を付けろ」
右手に砂鉄を思わせるような黒いエネルギーを収束させ、水色の磁力(電撃)を放つ。
既にガッシュと戦い消耗した状態だったとはいえ、一撃でブラゴを吹き飛ばすほどの威力を持つ。
また、磁力を6本ほどの細い矢印のような電撃として分割し、周囲のコイルと合わせることで軌道を曲げ、多方向から同時攻撃することも可能。
マグネシルド
右肩付近に青い勾玉、左肩付近に赤い勾玉のようなエネルギー体が出現し、左右から合わさるようにして磁力のバリアを形成する。
ガッシュのザケルガどころか、至近距離から放ったブラゴのギガノ・レイスを無傷で防ぐほどの強度を誇る。
マグネドルク
「言ったはずだ。貴様らの出番はもう無いと」
マエストロの全身がうっすらと黄色く輝き、磁力を帯びる肉体強化呪文。
帯びた磁力を操れるようで、作中ではブラゴのパンチを直接触れずに止めるような演出や、ブラゴの全身を赤く発光させて動きを止めるような演出がなされた。
ギガノ・マグネシルド
青と赤のエネルギーがサッカーボールのように混じり合い、巨大な球状の磁力バリアを形成する。
この術も増幅コイルで強化されているとはいえ、ギガノ級であるにもかかわらずブラゴのアイアン・グラビレイどころかディオガ・グラビドンすらも無傷で防ぐほどの凄まじい強度を誇る。
一応、アニメ97話で清麿も「磁力によって術の軌道を変えてしまう」と分析しているので、厳密には「防御力で正面から受け切っている」のではなく「相手の術エネルギーを周囲に上手く逸らしている」といった防御方法なのかもしれない。
アムゼルグ・マグネルガ
「返すぞ…!」
右手に緑色の炎のようなエネルギーを纏い、巨大な右腕を象った磁力を発射する。
見た目通り威力は高いようで、ガッシュのラシルドを粉砕し、そのままガッシュ・清麿・ブラゴ・シェリーの4人をまとめて吹き飛ばすほど。
とはいえ、作中ではラシルドと長い時間拮抗しているので、等級を示す語が付いていない点も踏まえると、意外にも素の威力は低めなのかもしれない(ラージア・ゼルセンのように単純な大きさを拡大しているタイプだろうか?)。
マグネシルガ
右手の人差し指と中指を立て、黒い小さな弾丸を連射する(おそらく磁力が収束したもの)。
見た目的にも間違いなく「ガンズ系」だと思われるのだが、なぜか「ガン」も「ガンズ」も術名に含まれていない。
アニメオリジナル呪文に散見される単なる設定ミスなのか、あるいは作中では描写されていない特殊な性質を持つのかは不明。
マグネシド・デュランガ
「まだだ!」
「まだ終わるわけにはいかん!!」
勢いよく抜刀し、刀を地面に深く突き刺した状態で術を発動。
数メートル以上もの大きさを誇る「両手で剣を握った武士」を召喚する(武士を象った超高密度の磁力だと思われる)。
この術のみ発動時に刀を使用しており、術名を叫ぶ際の声色からも本気度がうかがえるため、まさにマエストロにとっての「奥の手」といえる強力な呪文。
既にギガノ・マグネシルドとのぶつかり合いで消耗していたとはいえ、ガッシュのバオウ・ザケルガとブラゴのバベルガ・グラビドンを同時に受け止めるほどの力を持つ。
しかも、この術に関しては増幅コイルがショートした後に発動しているため、他の術とは違い素の威力でバオウとバベルガに対抗していた可能性も高い。
どの等級に匹敵するのかは不明だが、バオウとバベルガを特に押される様子も無く受け切っている点を踏まえると、ディオガ級の中でも中~上位は確定だと思われる。
アニメオリジナル設定として描かれた舞台であり、文字通り「魔界と人間界の狭間」にある世界(原作では関連がありそうな描写や台詞も一切無し)。
原作・アニメ版における全てのエピソードを通しても唯一の、魔界でも人間界でもない全く別の世界である(一応、アニメ版ではグリサが「時空の狭間」なる場所について話しているが、こちらは詳細が不明となっており、ハザマを指していたと断定はできない)。
公式のあらすじ等ではカタカナで「ハザマ」と表記されているため、当記事でもカタカナ表記で統一する。
作中では「魔界で罪を犯した魔物が流刑される際の場所」と語られており、94話でマエストロも、
- 「魔界と人間界の隙間にある世界」
- 「魔界の罪人が流されてくる見捨てられた土地」
- 「悲しき最果ての地」
- 「人間界にも魔界にも、誰も戻ることのできぬ世界」
と表現している。
環境・特徴
前述した「見捨てられた土地」という表現通り、木々や森、川や海といった生命の象徴が一切枯れ果てたかのような、見渡す限り鉛色の大地……という悲壮感あふれる光景が広がっている。
現にガッシュ達が立ち寄った森も実は植物が生い茂っているのではなく、清麿曰く「植物のように成長した石の結晶」が密集しているだけであった。
更に、特殊な環境のためか雨すらも降ることがなく、代わりに文字通りの「石の雨」として無数の小石が絶え間なく降ってくる時もあり、状況によっては生命の危機に晒される。
どう考えても日々の食糧どころか水すらも確保できなさそうだが、マエストロの一団や村の住民達がどのように飢えを凌いできたのかは不明(ハザマでは空腹にならない、といった異世界ルールのようなものがあるのだろうか?)。
文化が発展するための基盤そのものが無いに等しいためか、村長も「鉄を溶かすくらいしかやることがない」と述べていたり、マエストロの部下達も鎧・剣・鉄球・盾・矛といった原始的な金属製の装備しか持ち得ていない(おそらく前述の「石の雨」や枯れ果てた大地から得た鉱物が一応の原料になっているのだと思われる)。
ハザマのルール
そして、ハザマにおいて最も特筆すべきなのは、魔物の術に対して独自の制約が課さられている点である。
ハザマにおいては本が無ければ術を使えないが、本さえあればパートナーの人間ではなく魔物自身が術を発動することができるという、まさに魔界と人間界のルールを折衷(≒狭間)したような縛りが与えられる。
そのため、マエストロの兵士達はガッシュやブラゴの本を一目見ただけで非常に怯えていた(相手だけが本を持っている以上、一方的に術を使われてしまうためだと思われる)。
このようなルールが敷かれているため、作中ではブラゴやマエストロが自身の手で本を持ち、自身の口で術名を唱えて発動するという人間界では有り得ない場面が描かれた。
ちなみに、清麿とシェリーが本を持って術を唱えても通常通り発動しているし、「人間の心の力によって術の性能が向上する」というメリットも健在になっている。
なので、確かに「本さえあれば魔物だけでも術を使える」ものの、だからといって「本の持ち主がいることのアドバンテージ」まで否定されてはいない模様。
あくまで魔界と人間界の狭間(=中間)なので、どちらか一方を否定するような縛りにはならないということだろうか?
前述した通り、アニメオリジナルエピソード「マエストロ編」にて登場・活躍となる。
「魔界と人間界の隙間にある世界」である「ハザマ」にて魔界への復讐(及び侵攻)を目論み、魔界へと続く扉を開くために魔物の力を利用しようと考える。
まずは強い力を持つ魔物を「ハザマ」に呼び寄せるため、人間界への干渉を実行。
城のデッキにて、どこか魔本の模様を思わせる魔法陣を描き、奈良の飛鳥古墳と「ハザマ」を繋げることに成功した(※)。
(※)なぜ飛鳥古墳が繋がりとなったのかは不明。魔界にいた頃のマエストロが人間界の古墳に細工できたとは思えないので、おそらく「魔本の模様と配置が似ている」という偶然の一致を類感呪術の理論や原理で因果として利用したのだと考えられる。
「100人の魔物達よ!」
「王を競いし魔物達よ…!!」
「光に集え!集え!集えーーーーー!!!」
そうして飛鳥古墳に繋がりを作ってからは、「光に集え!集え!」という暗示にも似たような「声」を魔物達に送り、結果的にガッシュペア・ブラゴペア・マジロウペアの3組(+ウマゴン)を飛鳥古墳におびき寄せる。
そして紆余曲折あり、現地でブラゴがマジロウの本を燃やしたことでガッシュの怒りを買い、戦いの中でバオウ・ザケルガとディオガ・グラビドンの撃ち合いに。
これこそがマエストロの待っていた好機であり、2つの術を「扉を開くためのエネルギー」として丸ごと吸収し、余波でガッシュ・清麿・ブラゴ・シェリー・ウマゴンの5名も「ハザマ」へと引きずり込む。
北部平原へと着陸したガッシュ達にはクロガネ率いる兵団を向かわせ、城内に降りたブラゴとシェリーは「客人」として丁重にもてなす。
だが、ただ単にブラゴ達を迎え入れたわけではなく、「ハザマ」について正しい情報を提供しながらも、
- 私ならお前達を元の世界に戻すことができる。
- 本が燃やされた時、魔物を魔界に送り返すために『力』が生まれる。その力を利用すれば、あの扉を開くことができる。
- それが人間界へ戻る唯一の方法。扉を抜けることができるのは一組だけ。
等と巧妙に嘘を織り交ぜ、ガッシュとブラゴが戦うよう仕向けていく。
更にはブラゴを「ハザマでは本さえあればパートナー無しで術が使える」「お前もくだらん枷に縛られず、私と共に……」と唆し、(マエストロ視点では)ブラゴとシェリーを引き離すことにすら成功。
そしてクロガネの兵団を撃破したガッシュ達が城へ辿り着き、デッキでブラゴと戦い始めた際には不敵な笑みを浮かべる。
戦いの中で再びバオウ・ザケルガとディオガ・グラビドンの撃ち合いになった瞬間、デッキに備わっているコイルが2つの術を吸収し、宙の扉を開く。
驚くガッシュ達の前に颯爽と現れ、実はマエストロも「王を決める戦い」に参加するはずだった1人であり本を持っていることや、「扉は人間界ではなく魔界へと通じる扉」だという真実を明かす。
魔界への復讐(侵攻)を果たすために利用しきったガッシュ達を「用済み」と見なし、彼らを始末すべく直接戦闘に。
デッキに備えた増幅コイルによる術の性能向上や、既にガッシュもブラゴも疲弊しているという状況も相まって圧倒的優位に立つも、窮地の中でシェリーが駆け付けてくる。
実はブラゴはシェリーを突き放したのではなく、マエストロの企みを見抜いており、いざという時に備えてシェリーの心の力を温存させるためにあえて単独で行動していたのだった(シェリー側もブラゴの意図をしっかりと汲み取っていた)。
そうして「パートナーが術を唱えた場合」の威力や性能に驚きながら押されていくも、自身も増幅コイルによる強化や中級呪文により互角の戦いを演じていく。
中盤では清麿の策により増幅コイルの限界を見切られ、アイアン・グラビレイとザグルゼムを合わせた一点集中攻撃によって防御呪文を破壊され、追撃も合わせて計2発のザグルゼムを被弾してしまう。
そのままトドメのザケルガをくらってしまい、敗北……となる直前、幸運にも魔界への扉が完全に開き切り、その影響で周囲の増幅コイルがザケルガを吸収(マエストロも「天が私に味方した」と言っているため、計算づくではなく偶然だったことが明示されている)。
魔界への扉が開いたことで熱狂した兵士達も続々と城に向かい、絶体絶命の危機に陥るガッシュ達。
だが、それでも諦めずに戦うガッシュ達は渾身のバオウ・ザケルガとバベルガ・グラビドンで最後の勝負に出る。
バオウとバベルガの同時攻撃すらもギガノ・マグネシルドで悠々と受け切るが、連戦の影響か遂に増幅コイルがショートしてしまい、ギガノ・マグネシルドが破られる。
目前にバオウが迫り、勝負あったか……というところで、マエストロは咄嗟に最大呪文のマグネシド・デュランガを発動。再びバオウとバベルガを押し返すほどの底知れぬ強さを見せる。
しかし、尚も諦めないのはガッシュ達も同じであり、心の力を込め続ける中でバオウ・ザケルガとバベルガ・グラビドンが合体し、「黒いバオウ・ザケルガ」へ変化するという謎の現象が発生。
見た目通り威力も上昇したようで、マグネシド・デュランガを打ち破ってマエストロに大ダメージを与えた。
戦いが終わり、魔界への扉も閉じてしまう中、デッキに倒れたまま動けないマエストロ。
「なぜ魔界への復讐を考えたのか?」とガッシュに問われた時には、
「私は、100人の魔物の子が人間界へ送り込まれた時、誤ってこのハザマに落とされた」
「ここは罪人達の流刑の地…」
「迎えが来るどころか、魔界へ帰ることすらできない」
「私は…魔界に見捨てられたのだ…!」
と、理不尽な目にも程がある悲劇的な過去を明かした。
ブラゴのレイスで本を燃やされた後には、「人間界へ戻りたければ互いの術を撃ち合え」と帰る方法を正直に伝え、
「ああ、これでやっと…」
「私は、帰れるのだな…」
「忌々しい魔界へ…」
「あの懐かしい、魔界へ…」
と、どこか故郷への想いを滲ませるような言葉を残し、静かに魔界へと帰っていった。
そしてマエストロの言葉通り、互いの術を撃ち合うことでガッシュ達も無事に人間界へ戻れた……という形で締めとなっている。
なぜマエストロは回収されなかったのか?
マエストロの境遇に関する最大の疑問は、やはりなぜ「王を決める戦い」の運営側がマエストロを回収しなかったのか、あるいはできなかったのかという点だろう。
これに関しては作中でも公式情報としても真相が明かされていないが、一応の推測を立てることはできる(あくまで推測であり、以下の内容は「公式情報」ではないので注意)。
まず似たような例として、同じく「『戦いへの参加』に関するイレギュラーな魔物」として描かれたワイズマンに関しては、そもそも100人の選考から漏れているため、運営側が救済措置を施す必要も義務も無い。
一方、マエストロは話を聞く限り、
- 1:参加者の1人として正式に選ばれた
- 2:いざ人間界へ転送される際、何らかのミスによってハザマへと落とされた
- 3:そのまま助けられることもなくハザマで長い時を過ごす
という明らかに運営側に問題がある流れとなっているため、マエストロを放置していたことに疑問や違和感を抱くファンもいる。
また、マエストロの話し方的にも、魔界時代の彼が流刑に値するような重罪を犯していた可能性はゼロと言える(もし思い当たるような節があるなら、多少なり納得したり受け入れるような態度を取る描写が挿入されるはずである)。
これらを総合した場合、
- A:ゴーレンのディオガ・ゴルゴジオと同じように、マエストロが「ハザマ」に落ちてしまったことは運営側にとっても想定外の事態であり、本当にどうすることもできなかった。
- B:マエストロを回収することは可能であったが、運営側の事情を優先するためにあえて助けず放置した。
という2パターンが考えられる。
そして、もしBだった場合、運営側は自身が用意した「試練」「ラスボス枠」であるクリア・ノートを後付けで参加させるため、マエストロを除外することで参加枠を1つだけ空席にしたのでは?という深読みもある。
ハイド/ニャルラト/ノリトー・ハッサミー……同じくアニメオリジナルの魔物達。
グリサ……同じくアニメオリジナルエピソードで黒幕・ボスキャラの立ち位置にいた魔物。本の色も同じく紫系統である。
ゾフィス……こちらもエピソードボスの立ち位置を務めた魔物であり、作中最高クラスの科学力を持つ。異世界にある物資で超常的な発明をしたという点でも共通(ゾフィスは人間界の物質、マエストロはハザマの物質)。