概要
ミシェル・フーコー(Michael Foucault)は20世紀フランスの哲学者、思想史家。現代思想を代表する人物の一人であり、性と権力、監視社会について研究。現代における精神疾患患者、犯罪者、同性愛者への扱いの変化について強い影響を与えた。
私生活でも同性愛や少年愛、サドマゾヒズムなどのスキャンダラスな話題を提供しつづけた人物である。1984年にエイズで没した。
思想
フーコーは「“人間の知の世界”を成り立たせているものは何か?」と考え、エピステーメーという知の体系を見つける。
人は自分たちの理性にかなった常識を作り上げてきた。人は理性を中心とし、理性から離れたものを「狂気」とみなして排斥していった。そうして区別をしていくうちに、人間社会は監獄のようになり、一望監視装置(パノプティコン)という社会構造を作り上げていった。
つまり、個人個人で「私はちゃんとした人間だ!」と、監獄の中でキレイな自分を作っているのが現代社会なのだとフーコーは説く。
現代社会では権力の方向が増えており、「自分を監視する権力」「狂気を排除する権力」「罪を告解させる権力」とあらゆる方向から権力が押し寄せている。
フーコーは思想ゆえに構造主義者とよばれているが、本人はそのレッテルを否定している。フーコーは「個人の快楽が実現する社会」を理想とし、現代社会の在り方に警鐘をしている。
※まんがで分かる!哲学入門(宝島社)より