概要
1960年代後半に緑商会(ミドリ)が展開していたオリジナルSFプラモデルのシリーズ。
当時、日本のプラモデルメーカー各社は『サンダーバード』や『ウルトラシリーズ』などの登場メカに触発された自社オリジナルのSFメカのプラモデルをこぞって発売しており、『ミドリSFシリーズ』もそのひとつである。
同時代の日本SFプラモの例に違わず、大方のキットにはモーターやゼンマイ、バネなどを動力源とした走行やミサイル発射などの様々な可動ギミックが盛り込まれていた。
『ミドリSFシリーズ』の特徴としては、JSDO(日本宇宙開発局)という架空組織を軸に各キットが世界観を共有していたことが挙げられる。
この点では、アオシマの『合体シリーズ』やアリイの『ザ☆アニメージ』、さらにはコトブキヤの『フレームアームズ』や『メガミデバイス』などに至る、独自の世界観を持ったオリジナルキャラクターモデルの先駆者だったと言えるかもしれない。
JSDOは宇宙開発のための車両に加えて純粋な日本防衛用の戦車も開発しており、防衛チームに近い立ち位置の組織として描かれていた。
1960年代以来再販されず稀覯品と化しているキットも少なくない反面、キングモグラス、ジュニアモグラス、アトラスといった一部キットは、金型を引き継いだ童友社によって動力系を省いた復刻版が近年再販されており、2022年現在でも模型店や家電量販店の棚の片隅にその姿を見ることができる。
シリーズ一覧
- 宇宙戦車 ビートル二世
- 宇宙原子力自動車 エコー7
- 地中戦車 キングモグラス
- 宇宙戦車 スーパービートル
- 宇宙探検車 スペースコマンド
- 宇宙パトロール戦車 バンガード
- 陸海空万能艇 マーキュリー
- 陸海空万能艇 プラネット
- 怪獣艇 スチールモンスター
- スペースカー スーパーアロー
- 宇宙戦車 アトラス
- 地中戦車 ビッグモグラス
- 海底戦車 スーパードラゴン
- 地中戦車 ジュニアモグラス
- 宇宙戦車 スコーピオン
- 水陸両用戦車 バラクーダ
- トーキングSF戦車 ビクトリー
- 宇宙カー クーガー
- 万能8輪探検車 スパイダー
- 万能地中戦車 ウルトラモグラス
- 水陸両用戦車 バッファロ
※この他にも『宇宙大怪獣ギララ』などの版権ものや、ロボットを扱った「ロボットシリーズ」、スナップフィットを採用した簡易キット「ベビーSFシリーズ」などの関連シリーズがあった。
余談
2008年には、書籍『昭和の未来科学模型』の付録として、ミドリSFシリーズなどのキットを実際に撮影に用いた特撮オリジナルビデオが製作されている。