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ムスビ

むすび

「はだしのゲン」等に登場するキャラクター名(イラストの右側の人物)。ただ単にこの表記で書き、なおかつ同一人物を指す他の名前のタグがついていない場合、通常は後述する『はだしのゲン』の登場人物を指す。
目次 [非表示]

1.「おむすび」の略。→おにぎり

2.極楽院櫻子の漫画『セキレイ』のヒロイン・のこと。→セキレイ

3.アトラス制作のゲーム『真・女神転生Ⅲ』の登場人物・新田勇の俗称。→真・女神転生Ⅲ

4.中沢啓治の漫画はだしのゲンの登場人物。


ここでは4について詳説する。


概要・人物編集

原爆で戦災孤児となった主人公・中岡元(ゲン)と同じ戦災孤児であり友人。ゲンの弟分である近藤隆太とともに登場し、隆太と一緒に長くゲンと名コンビを演じた。「ムスビ」はあだ名で、本名は「勝二(かつじ)」と下の名前しか分かっていない。


天然パーマの頭にえらの張った顔、妙に吊り上がった眉と眼、豚鼻に馬鹿でかい口と、独特の愛嬌ある風貌で隆太に並び存在感を誇示するキャラであった。


しかし終盤、悪質なバーで「ビタミン剤」と騙されて覚醒剤のヒロポン(メタンフェタミン)を注射されたことがきっかけで薬におぼれ、覚醒剤中毒を発症。仲間である勝子が洋裁店を開くための資金としていた貯金を使い込んでしまう。さらにゲンたちにヒロポンの使用が露見し、パニックとなってヒロポンの窃盗未遂を起こし、死に至るほどの暴行を受ける。そして、もはや息も絶え絶えになって元たちの前に現れ、貯金を使い込んでしまったことを謝罪し、元たちに「お金はまた貯めればいい」と今までの罪を許され、「ありがとう…みんな…」と涙を流しながら絶命し、非業の死を遂げた。隆太は彼の敵討ちを行ったが、これが隆太と勝子の逃避行の幕明けとなった。


かつてたまたまヒロポン乱用者の光景を目の当たりにし、恐れを持っていたムスビだが、まさかのそれで人生を転落させられた果てに待っていた悲劇の最期であった。

薬物の恐ろしさというものを身近な人間が染まる事として克明に描いた事は読者にはトラウマと教訓として刻まれた。


その後、ムスビの遺骨はゲンが中岡家の墓に埋葬した。


当時、ヒロポンなど覚醒剤は依存性が軽視されており(米国でも1970年代まで痩せ薬として市販されていたほど)、夜間作戦用の軍需物資として大量生産されていた。戦後このヒロポンが民間に大量流出、昭和26(1951)年に覚醒剤取締法が制定され非合法化されるまでの間に数十万人単位の深刻な薬物汚染を招いていた事実がある。そういう意味ではムスビの死は時代を反映した酸鼻を極めるものである。


ネタとしての使用編集

ムスビに関しては、本人だけでなくヒロポンの使用が露見した時のゲンとのやり取りの一こまがネタとして用いられている。


この時点でムスビは中毒のために憔悴しきって眼の下にくまが出来ていたばかりでなく、禁断症状のために手の震顫や異常発汗が起こっており、中毒者であることは明らかであった。しかしなおその場逃れの言いわけをしながら注射器を構える彼を、ゲンが叱りとばす場面である。


「ち ちがう これはただのビタミン剤じゃ……」

「ムスビ うそをつけっ」


センシティブな作品


この一こまが有名となり、さまざまなパロディが作られることとなった。また明らかな冗談半分の嘘をムスビの口調で書いたり、それにゲンのせりふそのままもしくは改変で突っ込んだりというタームも生まれた。pixivのタグにも応用されている。


なお元がせりふであるために、表記揺れが著しい。原典は上記のように「うそ」は平仮名、「っ」が入る、感嘆符はなしであるが、原典通りに検索しても出るのはわずかである。


またこの場面のパロディ絵そのものが「ムスビ」「はだしのゲン」「ヒロポン」タグを多くつけられているので、探す時はそちらで探した方がよい。


関連タグ編集

はだしのゲン

ヒロポン

ムスビうそをつけっ:原典表記に忠実であるが、飽く迄も台詞である為表記揺れが激しく、数は少ない

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