概要
熱帯から温帯にかけて分布する。
主に根茎やむかごを切ったりすりおろしたり加熱したりして食べる。
品種によっては水にさらすなどアク抜きをする必要がある。
種類
- ヤマノイモ
- 日本原産。自然薯と呼ばれる高級食材。
- ナガイモ
- 中国原産。寒い土地でも栽培できるため、市場によく出回る。
- ヤマトイモ、イチョウイモ
- ナガイモの変種。前者は丸形になりとても掘り上げやすく、後者は手のひらのように広がる。
- ダイジョ
- 本州では寒さのため廃れてしまったが、ヤムイモとして世界全体で見ると主流。近場では奄美大島、沖縄、台湾などでも栽培され、紅芋のように紫色の身をもつ品種もある。ウべとも呼ばれる。
- キッコウリュウ
- 南アフリカ原産の観葉植物。意外かもしれないけれど、アクを抜けば食べられる。現地では救荒食物。
- ギニアヤム
- 西アフリカで食べられてきた品種。ゆでたあとに臼と杵でつき、『フフ』という餅のような物をつくって食べる。
- エアーポテト
- カシュウイモの一種で宇宙芋とも呼ばれ、他のヤムイモより大きくなるむかごを食べる。
文化
ガーナやナイジェリアに住むイボ人は、梅雨が開けた8月上旬にヤムイモの祭りを行う。ヤムイモはまず神々や祖先の霊に捧げられ、その後人々が頂く。
オーストリアに住むアボリジニの神話では、元は動き回るために集めるのが大変な食材だったが、精霊ロルウイが土中に止まるように定めたことによって主食になった。
世界各地に広がる神話類型として、神や神人が殺害・解体され、その遺体からタロイモやヤムイモなどが生まれるというハイヌウェレ型神話がある。
関連項目
キャッサバ…「小麦による米離れ」のように、アフリカにおいてヤムイモの地位を脅かしている。