概要
株式会社ビートニクスの男性向けレーベル「EDGE RECORDS」からリリースされた、眠れないCDシリーズの一つ。他の眠れないCD同様に主人公の声は無く、聴いている人を主人公に見立てている(その為主人公に名前はないが、あっさりめのキャラ付けはある。また惨以降かなりキャラ付けが強まり、よく言えば主人公とヒロインズの人間関係が分かりやすくなった。悪く言えば主人公のキャラがそれなりに立ったことでリスナーが感情移入しにくくなった)。
1話当たり20分程度の短編で、様々なタイプのヤンデレ少女が主人公に詰め寄ったり、恋敵を始末したりするというのが基本構成。
主人公との間柄など共通設定は存在するが、ストーリー同士の繋がりはなく、パラレルワールドになっている。また主人公は作品毎に別人と設定されている。
第1作目はコミックマーケット73で先行発売されたが、当時はヤンデレブームだったこともあり注目を集めた。さらに正式販売前には予約が殺到するなど人気を博した。MAD動画やトレス絵の素材となったこともあり、ヤンデレそのものの代名詞として今なお知名度が高い作品のひとつとなった。その後は「ぎゃーーーっ!」「惨」と続き、眠れないCDシリーズでは唯一3作もリリースされた他、「ぎゃふん!」のような特典CDも限定でリリースされている。
1作目発売から8年後の2016年、復活した眠れないCD 3rdシーズンとは別に、ヤンデレCD第4弾となる「Re:birth」がリリースされた。ヒロイン数は最も少ない2人だが、1人当たりの話数が大幅に増え、シリーズ最大のボリュームとなった。また野々原渚の復活など、1作目からのファンを多く喜ばせた。
ニコニコ動画にはこのCDと様々な版権キャラクターを会話させるMAD動画が大量に投稿されており、ネットユーザーの中にはそれらでこのCDの存在を知ったという人も多いだろう。
ラインナップ
ヤンデレの女の子に死ぬほど愛されて眠れないCD
正式な発売日は2008年1月11日だが、C73で先行発売された。シリーズで最も知名度が高い。眠れないCDシリーズ全体としては第2弾となる。
ヤンデレの女の子に死ぬほど愛されて眠れないCDぎゃーーーっ!
同年6月25日発売。ジャケットイラストの雰囲気や構成は前作を受け継いでいるが、ヒロイン数が5人に増え、新たに本編の前日談がサイトで公開されるようになった。眠れないCDシリーズとしては第4弾目。
ヤンデレの女の子に死ぬほど愛されて眠れないCDぎゃふん!
同年12月28日発売の「眠れないCD BOX」に付属する特典CD。「ぎゃーーーっ!」の夢見と、同じ眠れないCDシリーズ「妹にまとわりつかれて眠れないCD」の静香が登場する。
単品販売はされていないが、眠れないCDの1stシーズン全シリーズが収まる特製BOXと「ぎゃふん!」のみのオンリー版がオフィシャル通販限定で販売された。
ヤンデレ惨 ~ヤンデレの女の子に死ぬほど愛されて眠れないCD3~
2010年5月26日発売。今作から雰囲気が大きく変わり、前作まで使われていた「ヤンデレの女の子に死ぬほど愛されて眠れないCD」のフォントが廃止され、ジャケットの雰囲気もよりシリアスになった。本編も基本的な構成は変わらないが、よりストーリー性が重視された。眠れないCD 2ndシーズンに組み込まれ、シリーズとしては第6弾目。
ヤンデレCD Re:birth ~ヤンデレの女の子に死ぬほど愛されて眠れないCD4~
2016年12月26日発売。ヒロイン数は2人だが、シリーズでは初めて「病むまでの過程」が詳しく描かれるなど、ドラマCDとしての側面がより強く押し出された(というかヤンデレはその過程も重視される傾向が強い)。
ニコニコ動画とYouTubeに体験版動画がアップされた他、渚と彩子のバトルパートやキャストトークのノーカット版が公式サイトに載せられている。
登場人物
第1弾
第2弾(ぎゃーーーっ!)
第3弾(惨)
第4弾(Re:birth)
- 野々原渚 CV:長谷優里奈(芸名変更)
- 朽梨彩子 CV:河原木志穂
で、結局「ヤンデレ」なの?
「ヤンデレの女の子に死ぬほど愛されて眠れないCD」。
ずいぶんなタイトルだがこれは比喩ではない。主人公は監禁(軟禁)で済むストーリーもあるが、詰め寄られるだけならまだしも暴力も立派な愛情表現と言わんばかりに痛めつけられるし、酷い時にはマジで殺されるor死にはしないが五体満足ではいられないスプラッターな演出つき(特に亜梨主編では衝撃の展開が……)。
また豹変したヒロインズは本当に怖く、声優陣の熱演もあって生半可な気持ちで聞くと軽くトラウマになるレベル。中でも夢見は怖いと評判。
ちなみにヤンデレとよく似た概念として狂愛というものがあるのだが、このCDのヒロインズはどちらかといえばそちら側。
何が違うのかって?愛するあなたを拉致監禁とか殺し愛とか痛めつけるのも厭わないってことです。
※実際主人公はほとんどのパートでそういう目に遭わされる(1作目は落ち度もないのに理不尽な目に遭わされた不運男。ただし「ぎゃーっ!」と「惨」についてははコイツの無神経さがヒロインズの地雷を踏み抜いてしまったという自業自得な部分が大きい。それを差し引いたってやり過ぎだけど……)。
ネタ素材としても人気を博したこのCDだが、愛されているというにはかなり厳しいものがあり、ヤンデレに対する理解が深まった現在では「ヤンデレじゃなくてメンヘラ・サイコパスの類」と分析されている様子。
しかしメンヘラとヤンデレは未だに混同されがちな上、いかにブームのただ中といえど今ほどヤンデレが浸透していなかった当時は手探りに近い状態だったであろう事は想像に難くない。
むしろよく頑張ったものである。