ラウバーン・アルディン
らうばーんあるでぃん
ウルダハのグランドカンパニー「不滅隊」の局長。階級は「闘聖」。
褐色の肌に傷だらけの強面が特徴の大男。一人称は「吾輩」。旧知のシドからは「牛親父」と呼ばれている。
武器は二剣一対の呪剣「ティソーナ」。かつて彼がコロセウムでの戦いにおいて宿敵より譲り受けた武器で、炎の魔力を宿している。
コロセウムのオーナーにして、ウルダハを支配する有力者の評議会「砂蠍衆」の一員。
砂蠍衆では唯一の王党派であり、女王「ナナモ・ウル・ナモ」に絶対の忠誠を誓っている。
豪気な人物で勇猛果敢だが、懐に入れた人物にやや甘い気がある。
アラミゴ出身。若くしてアラミゴ軍士官となり、寡兵で多数を手玉に取るなど指揮官としての才覚を表した。
前線で負傷した身を故郷の村コールドハースで癒していたが、暴君テオドリックに対する反乱に際してカーティス・ヘクスト(イダとリセの父)の演説を聞き、革命軍に参加する。
反乱は成功したものの、直後に反乱を手引きしたガレマール帝国によってアラミゴは陥落、属州化されてしまった。
帝国との戦いで浅からぬ傷を負ったラウバーンは何とかウルダハに辿り着くが、そこで帝国軍の間諜と誤解され投獄、コロセウムの奴隷剣闘士にさせられる。その後親に売り飛ばされたピピン・タルピンを世話役とし、彼の背負う借金を完済した上で養子に迎えた。
その強さから「アラミゴの猛牛」の異名で呼ばれて人気を博すが、あまりの強さから敵を多く作り、一方的に不利な試合を組まされる。
ナナモ・ウル・ナモが見学に来ていた時などは1対10という到底まともではないカードを組まれていたが、この時にナナモが「1対1の戦いが見たい」とラウバーンに助け舟を出したため、ラウバーンは窮地を脱して見事勝ち残る。
この時にナナモと交わした「勝ち残ってわらわの剣になれ」という約束をラウバーンは果たし、その後も連戦連勝を重ね、前人未到の通算千勝を達成。これをもって自由の身となり、莫大な優勝賞金を元手に砂蠍衆入り。同時にコロセウムのオーナーとなる。
これらの経緯から、ラウバーンはナナモに対して絶対の敬愛と忠誠を捧げている。
ナナモが演説する際には彼女を腕に乗せて持ち上げる為、一部では「ナナモ様専用マウント」と呼ばれることも。
新生編終盤、ナナモ暗殺という衝撃的な事件が起こり、暗殺関与を疑われた暁の血盟と光の戦士は一転追われる身となる。
敬愛する女王の死にラウバーンは激昂。暗殺を指示したばかりか死者を愚弄する言葉を吐いたテレジ・アデレジをその場で真っ二つにするが、裏切ったクリスタルブレイブのイルベルドによって左腕を切り落とされる。
混乱の最中暴れるラウバーンは一堂に逃げるよう告げ、隙をついて光の戦士達は王宮を脱出。その後彼自身は捕らえられて幽閉され、砂蠍衆および局長の職を解かれる。
一方、テレジ・アデレジによるナナモ暗殺計画をよしとせず、致死毒を睡眠毒にすり替えることでナナモの死を偽装、結果的にテレジ排斥に成功した砂蠍衆のロロリトは、ナナモが存命である以上ラウバーンの死は望ましい事ではないと考えていた。
しかし、計画の当初はロロリトの手駒として動いていたイルベルドは「アラミゴの猛牛」として難民の希望となったラウバーンを「砂蠍衆に就任した事でアラミゴ復興から遠ざかった裏切者」として深い恨みを抱いており、ロロリトの思惑を外れ勝手な行動を始め、ロロリトの手に負えるものではなくなっていた。
ハラタリ修練所で裏切者を処刑しようと独断で動くイルベルドだったが、駆けつけた光の戦士とアルフィノとユウギリ、ドマの忍衆やピピンの手引きによってラウバーンは無事救出される。
その後は砂の家で回復につとめていたが、ロロリトからナナモが目覚める為の解毒薬を提供された事、没収されたテレジの全財産に加え、ロロリトにとっては血肉に等しい彼の財産の半分をウルダハ王室に献上した事で「手打ち」を打診。
ラウバーンは激昂するも、ラウバーンもテレジを正式な法の手続きなく殺害しているという「非」がある事を指摘され、渋々この手打ち案を受け入れた、
ロロリトと和解したことで不滅隊局長に復帰。暁の血盟および光の戦士への嫌疑は晴れる事となった。
以後はマントを羽織り、失った左腕を隠している。
両手が健在であった頃は二振りの双剣を獲物としていたが、隻腕になって一本しか扱えなくなったことで、呪剣ティソーナの片方をピピンに譲っている。
「蒼天のイシュガルド」メインクエスト終了後、イシュガルドとエオルゼア三国同盟との間で合同演習が開催される。
アイメリクに要請されて「友」としてイシュガルドについた光の戦士に対し、ナナモはラウバーンを投入。隻腕でも衰えぬ剣術を披露し、最後は光の戦士との一騎打ちにもつれ込んだ。余人の近づけない炎の輪の中、一騎打ちを申し込まれた光の戦士は笑みを浮かべ、これに応える。
壮絶な撃ち合いの果て、最後まで立っていたのは光の戦士であり、合同演習はイシュガルドの勝利となった。しかし光の戦士にとっては紙一重の勝利であり(最後に特大ダメージ攻撃を食らわされる)、ラウバーンも久しぶりに全力で戦えた事に感謝し、二人は笑顔を交わした。
変革に揺れるイシュガルドに、貴族・平民の別を問わず結成された軍がつわもの相手に勝利をおさめた事は朗報として駆け抜け、物語は新たな展開を迎える。
「紅蓮のリベレーター」では、エオルゼア軍事同盟とガレマール帝国との戦いの前線に立つ。
カステッルム・ベロジナの戦いでは「戦場の演出家」の名に相応しい鮮やかな采配を見せ、城塞の確保に成功。その後も一進一退の前線に立って光の戦士達を支え、アラミゴを帝国から取り戻した。
その後はウルダハに戻る事を考えるラウバーンだったが、心はやはり祖国の復興にあった。
これを見抜いたナナモはラウバーンを解任して自由の身となし、彼は後事をピピンに託すとアラミゴへ帰還する事となった。以後はアラミゴ代表者会議による暫定政府の指導者の一人として、新たな国作りと同時に、いまだ抱える多くの問題への対処に当たる。
なおこの時、一時的にラウバーンは「無職のおっさん」になった訳だが、このことを他ならぬラウバーンを解任したナナモ本人にイジられている。
厳しい状況が続いたストーリーの中で久しぶりのコミカルな要素の清涼剤であったと共に、今まではラウバーンに守られ周りに流されるばかりであったナナモが、成長してラウバーンを見送る事ができるようになった事も示す一幕である。
「漆黒のヴィランズ」では第一世界がメインである為、ギムリトにおける帝国軍との小競り合いに注力している事のみが判明していた。
その後パッチ5.3で暁の賢人達が復帰。一方で各地に出現した「終末の塔」への対処と、これより訪れる「終末の災厄」に対し、エオルゼア軍事同盟、東方連合、テンパード化を解除されて和解した獣人族による「グランドカンパニー・エオルゼア」が実現。その一員として、未知の脅威へ立ち向かう事となる……。
「我が呪剣の炎、容易く突破できると思わぬことだ!」
「紅蓮のリベレーター」で実装された討滅戦……ではなく、「紅蓮」アーリーアクセス時に発生した事件。
メインクエスト序盤に発生するインスタンスバトルにて、開発側の想定を大きく越えた数のプレイヤーが詰めかけた結果、インスタンスバトル側のサーバーがパンク。およそ半日の間、多数のプレイヤーのメインクエスト進行が不可能となってしまった。
このバトルのトリガーとなるNPCがラウバーンだったため、「幾万の光の戦士をたった一人で食い止めた男」という(不)名誉な評がつくこととなる。
以降のインスタンスバトルではさまざまなサーバーパンク対策がとられることとなったが、プレイヤー側にも開発側にも忘れ難い事案となった。
その後実装されたミニオン「ニュー・ラウバーン」の説明文でもちょっとだけこの事件をにおわせる記述がされており、「大変、申し訳ありませんでした」と締めくくられている。
ニュー・ラウバーン「すまなかった……」