データ
現在の中国・新疆ウイグル自治区辺りに棲息していた小型の恐竜。大きさ2メートル弱。
名前の意味は「泥んこトカゲ」。
特徴
ケラトサウルス類・ノアサウルス科の獣脚類に分類されているが、歯のない口や胃石の存在から植物食だったことが判明している変わり者。
また2016年の研究の結果、幼体の頃は42本の歯があり、この年頃は肉食だったが、成長するにつれて歯は退化し植物食に移行していったらしい。
前足の指も、通常のケラトサウルス類は4本だが、リムサウルスは3本指(しかも親指が退化し、人差し指、中指、薬指の3本)となっていた。これは鳥の指につくりが似ているとされている。
※鳥の翼の指は3本あり、大きな中指に小さな薬指がくっついている。人差し指は中手骨(手のひらの骨)を挟んで小さなツメのようについている。
学名
リムサウルス・イネクストリカビリス。
これは「脱出不可能な泥の爬虫類」を意味するが、リムサウルスの化石は火山灰と泥の塊となった岩石にまとまって発見されたことに由来する。というのもこの時期は火山活動が活発で、
1.火山灰が地面に降り積もり、そこに雨水や泥がたまる
2.マメンチサウルスのような大型竜脚類が踏み歩き、天然の落とし穴になった
3.そこに落ちて抜け出せずに溺死
……こういう流れだったようだ。
しかも同じ岩石からは肉食のグアンロンを見つかっており、リムサウルスを捕食しようとしてグアンロンも死んだらしい。哀れなり……
ちなみにグアンロンはティラノサウルスの祖先に繋がる恐竜だが、大きさは2.2メートル程の小柄な恐竜であった。
関連タグ
ノアサウルス科:多くは白亜紀に暮らしていたが、こいつやエラフロサウルスはジュラ紀(1億6000~5000万年前)にいた古い仲間。
ランチョ・ラ・ブレア:アメリカ・カリフォルニア州にあるタールピット(天然のアスファルトがわき出て池のようになったもの)。ここに落ちた獲物を仕留めようとして死んだ不憫な動物の化石が多数見つかっているが、恐竜時代ではなく更新世のもの。