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ル・シーニュ

るしーにゅ

MSS-008ル・シーニュは機動戦士ガンダム エコール・デュ・シエルに登場するエゥーゴの試作型MS。
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概要編集

ル・シーニュは、アナハイム・エレクトロニクス社が開発したガンダムタイプモビルスーツ。型式番号はMSS-008。

「ル・シーニュ」とはフランス語で「白鳥」を意味する。

パイロットはアスナ・エルマリート。テストパイロットはヘンゼル・ビノッケルが勤めた。


グリプス戦役当時は単機で複数の作戦に対応する可変モビルスーツ、モビルアーマーが主流であったが、本機はあえて時代に逆行した非変形機として建造されている。機体構造は徹底的に簡素化され、軽量化・可動域拡大による機動性、運動性の向上に重きを置いて設計されている。装甲も必要最小限に抑えられており、対弾性は同時代の標準機と比較してやや心許無い事は否めない。

ショルダーアーマーはガンダム系としては珍しく前方に張り出した特徴的な形状を持つ。これは作戦に応じてショルダーを換装し武装を変更するためのウェポンラックであり、通常は主にビーム・サーベルやガトリング砲が装備されるが、メガ・ビーム・ランチャーのような大火力武器も装備可能となっている。

同様にバックパックも着脱・換装が容易な構造で、用途に応じた複数のバリエーションが存在する。


火力、ジェネレーター出力、スラスター推力等スペック的にも何一つ突出したものは無く、一見すれば「ネモに角がついただけ」のあまりに凡庸で特長の無い機体に見える。

しかし、これは単純な高火力や高出力に頼る事無く、最小限かつ効率的な運用によって乗機のポテンシャルを引き出すアスナの操縦特性に対応した仕様であり、彼女の技量と噛み合う事で初めてその真価を発揮する。

制御系にはパイロットのNT能力を最大限発揮するべくバイオセンサーを本格的に導入。加えてアスナの過去の操縦データを反映し、最高のパフォーマンスを発揮出来るよう調整されており、敵の攻撃を必要最低限の動きで紙一重で回避する事が可能となっている。

また、変形機構が組み込まれなかった事で、本機の整備性や生産性は非常に高く、後述の量産型となるジェモの開発にも繋がっている。


装甲を最小限に、運動性を高めて敵の攻撃を回避するという設計思想としては百式に近しい物がある。また、可変機構を排除し追随性を高めたワンオフ機という意味ではガンダム[ケストレル]等と共通する部分も存在するが、向こうは大推力に物を言わせた高機動機である。

一方、後の第二次ネオ・ジオン抗争時における主力モビルスーツが、可変機構や多機能を廃止し、原点回帰とも言える形で純粋に人型機動兵器としての性能を追求したコンセプトが主流になっている事実も考慮すれば、本機のコンセプトは後のνガンダムユニコーンガンダムに通じる物と言えるかもしれない。


グリプス戦役勃発後再び戦乱の世となった宇宙世紀0087年、エゥーゴ所属のニュータイプパイロットであるアスナの専用機としてアイリッシュ級「ツバイカウ」へ納入された。


武装編集

ビーム・ライフル編集

百式と同タイプのビーム・ライフル。


ビーム・サーベル(ツイン・ビーム・トライデント)編集

柄の両端に出力デバイスを内蔵する双刃タイプの専用ビーム・サーベル。


専用シールド編集

本機と並行して開発された専用シールド。

対弾性に劣る本機の防御力を補うための最重要装備であり、更に複数の姿勢制御スラスターや機体モニタにリンクしたカメラを内蔵した複合ユニットである。シールドは腕と肘の前後で盾ラッチに噛ませる事で、スラスターのノズルが表面に露出する構造になっており、総重量増加による運動性低下を軽減している。

また、シールドの4隅に内蔵されたカメラは隠密下での偵察活動に対応しており、機体メインカメラを使用せずとも必要十分な視界を確保出来る。


肩部ガトリング砲(マシンキャノン)編集

肩部オプション装備の1つであるガトリング機関砲。

ル・シーニュは運動性重視の観点から過度な固定火器は搭載されておらず、その都度任務に応じた装備を選択する事で総重量の軽減を図っている。


メガ・ビーム・ランチャー編集

肩部オプション装備の1つである高火力ビーム兵器。ジェモ、メタスへの転用も視野に開発されている。

アクシズのMSガザCのナックルバスターを参考にしているが、背部にE-CAPを増設することでタイムラグを発生させずに発射が可能となっている。


関連イラスト編集

ル・シーニュ


バリエーション編集

ジェモ編集

ル・シーニュの簡易量産型。型式番号MSS-009。

ル・シーニュ開発の際に製造された余剰パーツを流用し、非ニュータイプパイロット用に少数生産された機体(開発経緯としては陸戦型ガンダムに近い)。

「ジェモ」とは、フランス語でふたご座を意味する「Gémeaux」が由来である。


バイオセンサーやその他NT用機器は全て取り払われ、より実戦での信頼性を重視した機体として再設計された。余剰機器の排除に伴い生まれた構造の余裕から更なる装甲追加が可能となり、結果耐弾性はジェモの方に分がある。

装甲が追加された分、重量は多少増加してはいるが、ル・シーニュ譲りの運動性は健在である。

また、ル・シーニュ同様両肩、バックパックの換装機能を持ち、各々の任務に最適な装備を選択出来る。更に兵站面での配慮から、当時のエゥーゴの主力機ネモリック・ディアスとも高い互換性を持ち、パーツや武装の流用が容易な設計となっている。


カラバでも運用されたようでニューヤーク支部に配備された。


装備編集

ビーム・ライフル

ジムⅡやネモのBR-S-85-C2系と共通の装備。


ビーム・サーベル

ル・シーニュと共通の装備。肩部前方にマウントされている。


スモールシールド

ル・シーニュのスラスター内蔵シールドはコストや運用の特殊性から採用は見送られ、本機ではより取り回しに優れた小型シールドを使用する。ただし、これは主に近接戦用の装備であり、任務によってはネモ用の伸縮式シールドを装備する場合も多い。


関連タグ編集

ガンダム エコール・デュ・シエル

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