ルーデル(リィンカーネーションの花弁)
るーでる
「お互いここで死せれば本望!!さあ来い唯一無二の好敵手!!」
項羽率いる罪人軍に所属する幹部『五虎将』の一人。
ドイツ空軍の伝説的なパイロットであるハンス・ウルリッヒ・ルーデルの廻り者であり、二つ名は『スツーカの悪魔』、『不死鳥』。
本来彼は偉人格の廻り者なのだが、『罪人軍にいた方が強い偉人格と戦うのに都合がいい』という理由から項羽側に与している。作中では同じ不死の能力者である舩坂弘と激突することになる。
その外見は白の軍帽に軍服、そして黒いマントを羽織った軍人然とした姿。ただし、非常に不気味な顔をしており、仮面のように真っ黒な目と、異常に低い鼻、常に口角の上がった口元という簡素なパーツで構成されている。
その人物像は、戦闘狂そのもので、強者との殺し合いを心の底から渇望している。一方で自分たち廻り者という存在にはある種の嘆きを感じており、「力を得たつもりが全てを失っていた。」と語っている。
『不死鳥』
読んで字の如く、不死身となるというチートもいいところな能力。由来は何度撃墜されても生還するという生前の逸話。
同系能力者である舩坂とは異なり、あちらが『自己再生』による不死ならば、こちらは『不変』による不死。
常時発動型の才能であり、どんな攻撃を受けても傷一つ付かず、状態が変わらない。
外的影響力を同等の反作用力により打ち消し無効化してしまうため、才能行使中の彼を傷付けることは不可能。
ただし、他の廻り者と同様に才能を永久に発動することはできないため、無限に攻撃を受け続けられる訳ではない。
なお、『不変』による反則級の防御力だけでなく攻撃面も優秀であり、右手には生前の彼の愛機・ユンカースJu87に搭載されていたラインメタルMG15 7.92mm機関銃を持っている。
このMG15は旋回機銃(機体後方を射撃するための銃)であり、Ju87の主武装ではないが、それでも彼がMG15を持っているのは、主武装である他の機関銃や37mm機関砲は単体で射撃できない(照準器なし・トリガーなし)からであると思われる。
『ジェリコのラッパ』
ルーデルが持つうちで最強の攻撃手段。一度に5-6発のSC250・250kg爆弾で爆撃を行う才能であり、圧倒的な攻撃力・攻撃範囲を誇る。
空高く跳躍したのちマントの中から爆弾を投下することで、爆撃機に頼らずとも単身で爆撃を行うことができる。行使の際には独特のサイレン音(通称・ジェリコのラッパ)が鳴り響く。
初登場は単行本3巻収録の第13話であり、他の五虎将と共に戦場に出陣した。
続く第14話、『地』の支城にて船坂弘、扇寺東耶を迎え撃つ。同系能力者にして同類である船坂弘と一対一での激闘を繰り広げる。
死に至る舞
機関銃と歩兵銃による銃撃戦、手榴弾と爆弾による爆撃戦、果ては拳による肉弾戦を繰り広げ、互いに本能のまま殺し合う。しかし、互いの装備の差や、何より才能や戦いに対する心構えの差でルーデルが優位に立つ。
殺される一歩手前まで船坂を追い詰めるが、彼を庇った東耶の言葉で、自分の本当の願いに気が付いた船坂は立ち上がる。ルーデルとしばしの談笑を交わした後、最後の殺し合いに臨む。
「決着をつけるであります!!誰が為でなく…己が為に!!」
「お互いここで死せれば本望!!さあ来い唯一無二の好敵手!!」
限界を超えた削り合いの果てに、互いに不死の才能の効果が切れ、致命傷を負う。自分を打ち負かした船坂を声高らかに称賛すると、東耶に項羽のことを伝え、敬礼の姿勢のまま消えていった。
前世であるハンス=ウルリッヒ=ルーデル(Hans-Ulrich Rudel, 1916-1982)はドイツ第三帝国空軍(ルフトバッフェ)所属の急降下爆撃機パイロット。
一部ミリタリー愛好家から「ルーデル閣下」と呼ばれるのは、その戦績と不死身さゆえ。どのぐらい凄いかといえば、かの噓つき百科事典「アンサイクロペディア」が『もう駄目だこいつ、存在自体がギャグだ……』と洩らし、不本意ながら事実しか書けなくなるほど(詳細は当該記事参照)。
なお、作中に描かれるルーデルの乗機・ユンカースJu87〝スツーカ〟はその機体形状から戦闘機と誤解されるが、「急降下爆撃機」というれっきとした爆撃機の一種。なんなら愛称の「スツーカ」自体が急降下爆撃機のドイツ語である「Sturzkampfflugzeug(シュトゥルツ・カンプフ・フルークツォイク)」を縮めたものである。