「私は君を狩り殺したい そして君に 君達に狩り殺されるなら本望なのだよ」
概要
鬼の王家に連なる人物で、爵位は大公。パルウゥスという小さい猿のような鬼を肩に乗せている。
王家の五男坊で四人の兄がいたが姉に殺されたと思われる。
1000年前、『約束』が交わされる以前から生きている鬼で、バイヨン卿(先代)とは当時からの知り合い。約束締結以前は、しばしば彼と一緒に出陣しては「本物の狩り」を楽しんでいた。
劇中ではゴールディ・ポンドの密猟者の一人として登場する。他の密猟者と比べても別格の存在として描写されており、「殺す気でかかってくる強い人間を狩りたい」「狩りは互いに命を懸けるから面白い」という考えから、気概のある人間に鬼の弱点をあえて教え、遊びではない本当に命懸けの狩りを愉しもうとしていた。
作中での動向
約束締結以前
「互いに命を懸けた本物の狩り」をしたいがために自ら戦場に出陣しては人間側の拠点を次々に潰していった。それゆえに人間側からは「鬼の中でもかなりの強敵」として認知されていた。
そんなある日のこと、ユウリス・ラートリーが率いる師団と交戦し、師団を全滅寸前まで追い込むも、最後の一人となったユウリスから「和平交渉をしたい」と切り出されたため、彼を当時の王(レウウィスの父)のもとに連れて行く。
ただ、この和平交渉がきっかけで「人間狩り」も禁止されてしまったために、結果的には彼の最大の楽しみが半永久的に奪われてしまうことになってしまった。 …何とも皮肉な話である。
なお、人間と鬼の間に『約束』が交わされて以降は人間狩りを禁止されて退屈を持て余していたが、狩人としての心がけを保ち続けていた。
13年前(GP編基準)
希望を求めてGP(ゴールディ・ポンド)にやってきた高級農園GB(グローリー・ベル)を脱獄したユウゴたちと遭遇するも、彼らを一瞬で壊滅させ、ユウゴとルーカス以外を死に追いやった。
また、この戦闘でかろうじて生存することができた2人にも大きな痛手を負わせることになる。実際、ルーカスは体の一部が機能不全に、ユウゴはトラウマゆえに自殺未遂を繰り返すようになってしまった。
GP(ゴールディ・ポンド)編
何の躊躇もなくGPにいた子供を弄んでいたルーチェめがけて斧を投げ飛ばしたエマを見かけ、彼女が自分の求めていた強者になりうる存在ではないかと感じ、興味を持つ。
その翌日の狩りではお目当てのエマと対面する。13年前にユウゴたちに提案した「一定時間自分は一切攻撃しないから、食用児たちはその間に自由に行動してよい」というゲームをもう一度やらないかとエマに提案され、その意図が(13年前と同様)時間稼ぎであると即座に看破するも、「時間稼ぎさせた方が面白そうだから」という理由で敢えてこれを了承する。
そして、時間切れになったと同時にエマたち反乱軍による一斉攻撃を受けるも、(反乱軍の想定通り)ほぼノーダメージであった。
その後、ありとあらゆる手法の攻撃を受け続ける中、援軍として到着したユウゴの放った特殊弾を食らって仮面を割られ、さらにそれに続いて閃光弾までも食らってしまい、一時的に視覚を奪われてしまう。しかし、それでもなお反乱軍からの攻撃を防ぎ続け、最終的には勝つ術がないと思ってしまうほど絶望的な状況まで反乱軍を追い込む。
そんな中、「鬼にもヘイフリック限界(細胞の再生回数には限界があるという理論)を適用できる」という事実に気づいた反乱軍によって再び一斉攻撃を受けるも、これもまた耐えきった。そして…
「残念、時間切れだ」
ついにレウウィスが攻撃を仕掛け、エマの腹が抉られてしまう。
これを見た一同が絶望してしまうも、ここで攻撃をやめれば全滅は明らかという状況下ゆえに引き続き一斉攻撃を続ける。
その最中にエマも目覚め、全員による一斉射撃で完全に消耗しきったところに彼女がシェルターから持参していた閃光弾を撃ち込まれ、再び視力を奪われてしまう。そして、その隙を見逃さなかったユウゴに核を撃ち抜かれ、絶命する。
しかし、GP崩壊直前のシーンでは、本来そこにあるはずの死体がなぜか消えていた…
アニメ版
アニメには大人の事情で登場しなかった。
関連イラストに関する余談
前述したように、鬼の中でも特にバイヨン卿(先代)とは親友と言っても過言ではないほど仲が良かったため、ピクシブ内ではバイヨン卿(先代)と一緒に描かれることが多い。
また、作中ではエマのこともかなり気に入っているそぶりを見せていたため、ピクシブ内のイラストの中にはエマと一緒に描かれている作品もある。
関連タグ
レグラヴァリマ…王家の鬼であり実姉
???…同じく王家の鬼であり実弟
バイヨン一番の親友
松野十四松 五男繋がり
「おやおや 何をやっているのかね君達は」
実は女王と同様、急所となる核を2つ持っていることが分かり、生き伸びていたことが明らかになる。(GP崩壊直前のカットで死体が消失していたのはそのため)
本来政治的な立場に出ることを好まないが、女王を始めトップに立つ貴族が全滅したことを受け、「人間(ラートリー家)の支配下に置かれるのはゴメンだ」という、ある種の義務感から鬼の社会のトップに立つことになる。
しかし旧体制派の鬼であったことを理由に新王になることを辞退しムジカこそ新しい時代の王にふさわしいと主張することになる。
その後は新政権にあまり関わらず仕事を任せて悠々自適な生活を送っている模様。なおソンジュは、彼がムジカに新王を押し付けたのはこれが狙いだったのではないかと見ている。