CV 数十年後:中田譲治
概要
フルネームはロシウ・アダイ。
名前の由来は「後ろ」を反対から読んだもの。1・2部では10歳、3・4部では17歳。
ファミリーネームは1・2部では付いておらず、3部から新政府の政策で出身地名から付けられた。
アダイ村出身。同じ村出身のギミーとダリーの保護者的な存在。長髪を後ろで縛ったオールバックと広いデコが特徴。カミナからはよくデコ助と呼ばれていた。
地上に上がった際にグレン団の仲間となった。基本熱血漢・肉体派なメンバーがほとんどのグレン団・大グレン団において、数少ない冷静で理知的な性格。電子機器の操作や小難しい計算をこなせ、専門用語ばかりな話も理解出来る貴重な頭脳派である。
カミナから操作方法「気合い」を教わっていたため、グレンを操縦出来る。2部ではグレンのパイロットを務め、シモンと共に激戦を潜り抜けてきた。
理知的で沈着冷静だが、同時に責任感が強く我慢強い性格の持ち主。シモンやカミナとは違ったリーダーシップの持ち主で、彼らが英雄然としているのに対し、ロシウは統治者然としている。
頭でっかちな面があるようで、1部ではカミナからはその短所をよく指摘されている。3部では世界を救うという指導者の重責から、政治的な判断によりシモンへの死刑判決を下すなどかなり横暴・非情な行動を採ってしまった。
大グレン団のやり方からはほど遠いこれらの行動はヨーコやキタン・バチカから批判され、仲間との決裂も招いてしまう。とはいえシモンにも原因が無いとはいえず、総司令官の実務を無視してグレンラガンで勝手に出撃し、独断専行を叱られても得体の知れないムガンを撃破した為に街に被害が出てしまい彼がロシウの言う事を素直に聞いていれば逮捕される事は無かった可能性があり、どっちもどっちである(シモンが監獄にいたヴィラルと和解し大グレン団へ加入したので結果オーライか)。
この重責を他者に打ち明けることが出来ず、陰でアンチスパイラルでシモンに対する後悔の念から号泣するなど、罪悪感と自己嫌悪を一人で抱え込んでしまっていた。なにもかもが裏目に出てしまった後も一人で責任を背負い自殺しようとするが、これを救ったのは決裂したはずの仲間達だった。
劇中での活躍
1部では
アダイ村で村長・マギンの補佐として働いていた。アダイ村はガンメンを神と崇める非常に貧しい村であり、生産能力も低く村民に配る毎日の食料配分にも事欠く状態だった。そのため、一定数以上のの住民が産まれた場合はその数に戻るよう、人を生贄として地上に放り出すという掟が敷かれていた。ロシウの母親もその生贄となった一人である。また、生贄を決める際のクジはマギンが細工しており、極力被害が少なくなるようされていた。ロシウはそんな状況に疑問を抱きながらも、あと一歩を踏み出せないでいた。
そんな中,地上からカミナらグレン団が落っこちてきた。カミナの発破とグレンラガンの戦いぶり、掟の真実を知ったロシウは生贄となっていたギミー・ダリーと共に地上へと旅立った。その直前に餞別としてマギンから古代の聖典を渡されている。
地上に出たロシウはグレン団と合流する。温泉回では獣人の罠にいち早く気付いており、グレンを初めて操縦し初勝利を飾った。戦艦「ダイガンザン」攻防戦では後方支援を担当している。この戦いでカミナの死を経験する。
2部
カミナの死によって欠員となったグレンのパイロットとして正式に任命され、四天王戦・王都「テッペリン」攻防戦など激しさを増す獣人との戦いでシモン赴を支えている。螺旋王ロージェノムとの戦いでも一歩も引かなかった。
ちなみに、ニアの致命的に不味い料理を食べた最初の犠牲者である。この時は腹痛と下痢で寝込むほどのダメージを受けた。トラウマとして深く刻み込まれたようで、3部でも未だに恐怖している。
3部
ロージェノム亡き後に新政府を設立し、総司令補佐官に就任。「螺旋力研究所」などの独自の機関を設立し、ロージェノムが残した予言である月からの襲来に備えての軍備増強や人口管理などに奔走している。総司令官となったシモンを支えているが、その考えの違いから衝突することも多く、あまりにも冷徹で手加減の無い言動・政策ゆえか仲間内でさえ煙たがる者も出る始末だった。その一方で新政府の若い世代や機関の者達からの人望は篤い。秘書であるキノンからは好意を寄せられている。
予言の真意を知るべくロージェノムを蘇生させ、月衝突という最悪のシナリオを告げられてしまう。さらにカミナシティにムガンが出現。グレンラガンが全て撃退するが、街に被害が出てしまう。ロシウは市民の暴動を考慮して秘匿しようとするが先手を打たれ、アンチスパイラルのメッセンジャーとして覚醒したニアによる人類への月衝突の宣告が公表されてしまう。
混乱し暴徒と化した市民を止めるべく、シモンに責任を押し付けクーデターを起こして拘束し、彼から総司令官の座を奪い取る強硬策を採る。さらに仲間の弁護を無視して死刑判決を言い渡してしまう。彼自身はシモンを貶めたことを誰よりも悔やんでいたが、それでも彼にはそれ以外の方法を選択することは出来なかった。
月衝突が避けられない絶望的な状況のなか、打開策を模索しどんどんと深みに沈み込んでいくロシウ。選択の余地もなく、人類の半分を見殺しにするアークグレンでの人類脱出計画を立ち上げ実行。なんとか地球を脱出するが、これらは全てアンチスパイラルの手のひらで踊らされていたにすぎず、ムガンの大軍に包囲され、人類を滅ぼしかねない状況に至ってしまった。
結局この絶望的な危機はシモンら大グレン団によって助けられ、月衝突も防がれた。
今までの失策の責任に打ちひしがれたロシウは罪を償うべくアダイ村で拳銃自殺を図る。それを止めたのは彼の苦境を理解するシモンの鉄拳制裁とキノンの思いだった。失意の底から立ち直ったロシウは今までの行為を反省し、自分なりの行動で世界を守る決意をする。
4部
アンチスパイラル本拠地への殴り込みを行う大グレン団とは別に、地球の最終防衛ライン指揮官という最後の砦ともいうべき任務に付く。これは大グレン団壊滅という最悪のシナリオに備えたものであった。大グレン団出発では、大グレン団勝利を信じ不在の間は自分たちで地球を守ると誓い、シモン達を見送った。
最終決戦ではアンチスパイラルの猛攻にボロボロになりながらも立ち向かう天元突破グレンラガンの姿を見守り、信じ続けた。
ちなみにアンチスパイラルの操るグランゼボーマの名称は彼が付けた、という設定。
シモンとニアの結婚式では神父として立ち会った。
結婚式から数十年後のエピローグでは、アダイ村の村長そっくりのダンディな風貌となり大統領に就任。人生を人類の繁栄と平和のために捧げ、20幾年の努力を経て銀河に広がる多くの螺旋族との会議の場を設ける偉業を果たした。これからも全宇宙の螺旋の力を見守り続けていくことだろう。