概要
ガリシア大陸の大半を領地とする大国。「聖者ローディス」を開祖とするローディス教を国教とし、国名にも反映されている。
ローディス教の聖地であり総本山である神都ガリウスは教国の首都も兼ねている。
ローディス教
聖者ローディスを太陽神フィラーハの使いと信じる宗教。自己への過信と他人への盲信を戒め、自らの存在を正しく認識する事を旨とする。
多神教が当たり前の時代に登場した唯一神教フィラーハ教を前身とし、これを否定し再構築する形で成立した。フィラーハを主神とする宗教として他にロシュフォル教がある。
フィラーハはオウガバトルサーガで言及され、舞台となる様々な土地と共通する神話体系「ゼテギネア神話」の神である。ローディス教においては他の神々をフィラーハが持つ相とする事で彼を唯一絶対神としている。
冥界の王デムンザすらもフィラーハの顕れとされており、そのため教国のテンプルナイトが用いる魔法には暗黒属性のものもある。
聖職者の制度を持ち、その最上位職を「教皇」という。シリーズの時系列上で最新にあたる『タクティクスオウガ』の時点での教皇の名はサルディアン。この教皇サルディアンの代でローディス教国の軍事色が強まった。
ローディス教国
北のガリシア大陸の西に位置する軍事大国。ローディス教の教義を実践する者のために存在している。国民も信者も全て神の子で主であるローディスの教えを生涯で実践することが神の子の使命だとしている。
……のだが、聖者ローディスの自己認識の徹底と自制の教えは、能力主義、弱肉強食に結びつく形で理解され、全ての信徒を神の子としつつも、ローディス教国には上級民と下級民という階級制度が発達する事になった。
一応共和制で選挙も行われるのだが、票の買収、政治的経済的な圧力、勝ち馬に乗る、といった行いが横行しており、公正な選挙の形は失われている。
「光焔十字軍」と呼ばれる異端排除と正統教義の伝道の目的を掲げた軍隊組織があり、様々な国が制圧されている。
教化と征服による統合のために、国民としての「ローディス人」には様々な民族が包括されることになった。
作品世界中の北方に位置することや、タクティクスオウガが現実のユーゴスラビア紛争に影響を受けた物語であり、ヴァレリアのような小国の紛争への介入を通じてライバルの大国・新生ゼノビア王国との代理戦争のような構図を展開する、という点はソビエト連邦がモデルである(小説家・米澤穂信の質問に対するディレクター・松野泰己の回答)。
16の騎士団
ローディス教国は16の強力な騎士団を擁しており、それぞれのトップに、一般の騎士1000人分とも謳われる戦闘能力を持つ総長「デステンプラー」が立っている。
その直属の部下として「テンプルコマンド」たちがいる。テンプルコマンドには騎士団内で部隊を持つだけでなく、自身で騎士団(彼ら自身はデステンプラーではないので「16の騎士団」とは別の枠組みの騎士団、という事になる)を率いる者もおり、16騎士団の重要性が窺える。
現段階において暗黒騎士団ロスローリアン、冥煌騎士団の二つが登場している。
冥煌騎士団は「光焔十字軍」を構成する戦力の一つでもある。
テンプルナイト
16の騎士団における一般騎士。バケツのような兜を装着している。幹部職のテンプルコマンド以上も甲冑部分は普通のテンプルナイトと共通点が大きいが、戦闘中でも兜を装着せずに素顔を晒した形で活動する事が多い。
あらゆる剣技と魔法に通じ、一部の者は刀剣以外の武器も使いこなす。エリート騎士も多い。
上述のローディス教の教義から、デムンザの部下である暗黒神アスモデに関連する「チャーム」の魔法を使用する事も可能になっている。
騎士団内の部隊はテンプルコマンドとテンプルナイトのほか、一般クラスの兵士、戦士や各種術者によって編成される形になる。
それぞれが属する騎士団名からとって、暗黒騎士団のテンプルナイト以上は「暗黒騎士」、冥煌騎士団のテンプルナイト以上は「冥煌騎士」と呼ばれる。