『セイバーマリオネットR』の主人公。
pixivタグとしては「ジュニア」が使われる事が多いので注意。
「セイバーマリオネット」と「ジュニア」を用いた複合検索が推奨される。
CV:今井由香
概要
本作の舞台である殖民異星「階層惑星テラツー」に在する6つの都市国家のひとつ「ロマーナ」国の執政官(国王)であるヴィレイの息子。
『J』の間宮小樽に相当するが、ノリよくお調子者かつ短気で激しやすい小樽と比して、ジュニアの性格は非常に紳士的かつ穏やかで心優しい。
自身に従ってくれるマリオネットたちに「人間として」の誠意を尽くし、彼女たちの「心」が清く優しく育つことを望んでいる。
兄とされるスター・フェイスが起こしたクーデターにより、その命を狙われ、自らの従者である「ライム」「チェリー」「プラッドベリー」と共にロマーナの下階層区へと落ち延びていく。
以下ネタバレ
出生の秘密(ネタバレ)
……フェイス。ぼくはクローンじゃない。
ぼくは、父さんと母さんの間に生まれた子どもなんだ。
実は「ジュニア」の名が彼にまつわる出生の秘密そのものの正体を示している。
ジュニアはその名の通りヴィレイの子として生を受けた。即ち彼はヴィレイとその恋人の自然生殖によって生まれた子どもであり、クローンではない。
実はロマーナは、この時代のテラツーにおいて唯一「純粋クローンによる王位継承」を残した国家であった。そして、その手順は「衰えた前代の執政官を次代の執政官を担うものが打倒し、その流血をもって継承を完了させる」という陰惨極まりないものだった。
ジュニアの父である当代のヴィレイも先代のヴィレイに対してクーデターを起こし、これを惨殺することで王権を剥奪して執政官となったのである。それは極端な男権社会が発端となって発展してきたテラツーでは「当たり前の伝統」だった。
(いわゆる『J』の時代のゲルマニア(アニメ版のガルトラント)でも、ほぼ似たような形で総統(王)位の継承が成されている)
スター・フェイスもまたヴィレイが執政官となった際にしきたりに従って培養された、初代ヴィレイの純クローンだったのである。
この王権の簒奪の伝統と、そのために自らが犯した罪に当代のヴィレイは苦しみ怯えた。だが彼にとって幸運だったのは、愛を知らぬクローンの彼に「愛」を教える女性に出会えた事であった。やがて2人は愛し合いジュニアが生まれる。そのときにヴィレイは悪しき慣習に立ち向かい、ロマーナという時計の針を進める、即ちわが子にロマーナの未来を託す事を決意する。
ヴィレイは愛する人を守るために、自らの側から離し、一方でジュニアを「自身のクローン」と偽って側に置いた。そして小樽たちが成し遂げた「女性復活」の「意味」を守る存在、すなわち「新たなる命を紡ぐ意味を守る乙女(セイバーマリオネット)」としてジュニアにライムたちを与えた。
スター・フェイスのクーデターでヴィレイは結局その命を散らすが、彼の願いは確かにジュニアへと受け継がれ、彼は自身とライムたちによって育まれた「愛の力」によってフェイス一派を打倒したのである。
その後
ジュニアのその後は富士見書房より出されたRの小説版および、あかほりの手で執筆された「私立大江戸学園興亡記」にて描かれている。
ジュニアは後、父の願いによりロマーナ貴族の少女と出会い結婚する。が、その婚儀においてはライムたちも共に在り、ジュニアは自身の妻とライムたち全員を、心から妻としてどこまでも対等に愛し、その信念を貫いたとされている。
人類と乙女回路を持つマリオネットたちとの同権を争った「第2次テラツー戦役」において、ジュニアは「マリオネット」と「人間」を同じく「ヒト」である、とした宣言を行い戦役を収束へと導いた。これはテラツーの歴史において「単なる機械」であったマリオネットに新しく「人間の隣人」という立場を与えた革命的な出来事であった。
そして後の世界においてジュニアは「最も偉大なるヴィレイ執政官」として「間宮小樽」に比肩する偉大なる英雄と語り継がれることとなる。