序幕
―――誰しもが運命と役割を与えられる世界にて、
なんの運命も与えられず、何者でもない少年が
暮らしていた。
少年はあるとき、混沌の語り部を『調律』する
不思議な少女とその仲間に出会い、
彼らとともに旅に出る。
真っ白い『沈黙の霧』を進みながら、
少年たちはおとぎの世界を巡っていく。
それぞれの世界には、
それぞれの物語があり、
それぞれの喜びがあり、悲しみがあった。
それぞれの希望があり、絶望があった。
少年たちはときに戸惑い、傷つけられながらも、
英雄たちの光に照らされて、前へと進み続けた。
空白だった少年の物語はいま、
終わりへと至ろうとしている。
新たな運命の夜明けが、すぐそこまで
迫ろうとしていた…―――
ストーリー
万象を紡ぎしもの
開幕:フォルテムの城に集う『教団』の教徒とモリガン。モリガンは新しい世界の運命を紡ぐために、“万象大全”を発動させる。
その頃、絶望と悲しみに暮れる『調律の巫女』一行は妖妃モーガンの小屋で休息を取っていた。だが突如としてアヴァロンの島は霧に包まれてしまう。そして霧が晴れた直後、フォルテムの教徒とヴィランたちが一行に襲いかかってくる。
終幕:フォルテムの教徒が遺した言葉から、レイナたちはモリガンが“万象大全”を発動させたことにより、さまざまな想区がモリガンを中心に融合しようとしていることを知る。エクスたちはモリガンの野望を食い止めるために、フォルテムの城へ向かう。
一方、創造主たちも打倒モリガンのために動き始めていた…。
フォルテムの城
開幕:茨に囲まれたフォルテムの城へ向かうために、エイダは『庭師』の力を発揮し、茨を切り開いていく。一行は偵察のためにフォルテムの城へ近づくのだったが…。
終幕:城に接近した一行は潜入の方法を検討するために、一度、妖妃モーガンのもとへ引き返そうとする。
だが、そこへ突如モリガンが一行の前に姿を現わすのだった…。
災厄の宴
開幕:モリガンは歴代のカオステラーたちを出現させ、一行を取り囲む。逃げ道を塞がれた一行は、さらにモリガンから「いつかどこか」で語られる絶望の光景を見せつけられる。怒りに燃える一行はついにモリガンと戦う決意を固める。いまモリガンとの戦いが始まる。
終幕:どれだけ戦ってもモリガンは笑い続ける。マーリンをその身に取り込んでいたモリガンは“万象大全”の力を合わせることで、エクスたちに運命を押し付けることができると語る。一行はモリガンを否定しようとするが、モリガンはファムの死の顛末を語りだす。ファムの死もまた、モリガンによって仕組まれた運命だった。それを聞き、激昂したレイナはイマジンである、マキナ=プリンスを繰り出す。だが、モリガンは自身の力でマキナ=プリンスを取り込んでしまう。
奪われたイマジン
開幕:マキナ=プリンスを奪われ、『調律』の力を失ってしまったレイナ。それこそが、モリガンの狙いだったのだ。一行はマキナ=プリンスを取り返そうとするが、そんな一行にモリガンは自分のイマジンとしてマキナ=プリンスを召喚する。一行はふたたびマキナ=プリンスと戦うことになるのだった…。
終幕:一行はモリガン、マキナ=プリンスとの連戦でボロボロになる。そんな一行の目の前で、モリガンはマキナ=プリンスを消し去ってしまう。これによりレイナは『調律』の力を完全に失ってしまう。絶望に暮れる一行はモリガンが召喚したカオステラーたちに絶体絶命の状況に追い込まれる。だがその直後、一行は突然その場から姿を消してしまう。それは創造主たちが発動した力によるものだった。
英雄になった少年
開幕:エクスは昔の夢を見ていた。故郷の村でシンデレラと交わした会話から、エクスは自分の疑問を思い出す。どうして自分はこの世界に生まれてきたのか、と。すると別の声がその疑問に答える。
エクスは豆の大木の上で目覚める。そこでエクスは成長したジャックと出会う…。
盤上への反逆
終幕:大木を降りたエクスとジャック。ジャックは一度、エクスをある村に案内しようとする。そこはシンデレラが住む村であり、エクスの故郷でもあった。
その頃、レイナはファムとヤーコプ、そしてもう一人の夢を見る。『再編』の力を発動させることもできず、苦悩するレイナが目を覚ますと、そこには赤ずきん、アリス、白雪姫とルイス・キャロルの姿があった。そしてレイナに、モリガンが築いた盤上をひっくり返す用意ができたことを告げる。
灰かぶりと渡り鳥
開幕:エクスは故郷の村にたどり着く。そこにはさまざまな想区からたくさんの人間が流れ着いていた。そしてエクスは村娘のシンデレラに出会う。エクスの名前を聞いたシンデレラは彼をある場所へと案内する。
終幕:エクスが案内されたのは、ある石碑のもとだった。それは先々代のシンデレラがこの村に建てた物であり、そして故郷を去ったエクスのことを語り継いだ物だった。そこでエクスは自分が歩んだ道のりの意味を悟る。するとルートヴィッヒ・グリムが現れ、エクスに協力を仰ぐ。迷うエクスだったが、そのとき、カオス・ゴッドマザーが村を襲撃するのだった…。
混沌の妖精
開幕:カオス・ゴッドマザー、フォルテムの教徒たちにより襲われる灰かぶりの村。カオス・ゴッドマザーが求めるものはシンデレラの“シンボル”であるガラスの靴だった。さらにカオス・ゴッドマザーは『運命の書』を書き換えられてしまったことで、モリガンがシンデレラだと思い込まされていた。エクスはシンデレラたちを守るために、カオス・ゴッドマザーたちに戦いを挑む。
空白の少年
開幕:カオス・ゴッドマザーはエクスに絶望の結末が近づいていると話すが、エクスは決して諦めない。エクスはこれまで出会ってきた『運命の書』の持ち主たちを思い返し、彼らの想いを守るために戦うと宣言。さらにルートヴィッヒはシェイクスピアが回収していた、“万象大全”の頁の力を使い、モリガンの語る運命を無効化する。さらにそこへカーリーと妖妃モーガンも合流する。反撃の糸口を掴んだエクスは完全復活を果たし、『導きの栞』を構える。
終幕:カオス・ゴッドマザーを倒したエクスたち。だが、カオス・ゴッドマザーは陽動であり、村に忍びこんでいたカオス・お菓子の魔女はまんまとガラスの靴を奪い、カオス・ゴッドマザーを連れて、村から去っていく。悲嘆に暮れるシンデレラだったが、エクスは必ずシンデレラたちの運命を取り戻すと約束する。そしてバラバラになった仲間たちと合流するために、村を出発する。
タオ・ファミリー
開幕:フォルテムの教徒たちが侵攻する鬼ヶ島では金太郎、浦島太郎、桃太郎たちが奮闘を続けていた。それに加勢するタオとシェインだったが、葛葉童子の襲撃を受ける。桃太郎と鬼姫を操られ、さらにシェインも人質に取られるタオ。だがそこへエクスたちが加勢に現れる。エクス、タオ、シェインたちはふたたび合流し、タオ・ファミリーとして葛葉童子に戦いを挑む。
終幕:葛葉童子を破り、タオたちはエクスとともに仲間が待つ地へ旅立つことを決意する。桃太郎たちに見送られ、出発するタオたち。一方、シェイクスピアは事態の打開のために砂漠の宮殿を訪れていた。そして、創造主であるシェヘラザードが協力に応じるのだった…。
英雄の砦
開幕:英雄の砦に匿われていたクロヴィス、エイダ、サードだったが、彼らを追って、フォルテムの教徒たちが襲いかかる。それにジャンヌを始めとする英雄たちが応戦する。ジャンヌはクロヴィスたちに逃げるよう告げるが、そこへカオス・ダンテが姿を現わす。クロヴィスはジャンヌを守るために戦うことを決意。それにエイダ、サードも続く。そこへエクスたちが合流してくる。一行はカオス・ダンテとの戦いに挑む…。
終幕:カオス・ダンテを退けた一行。そこへジル・ド・レが駆けつけてくる。ジル・ド・レはクロヴィスを始めとする一行をなじりかけるが、クロヴィスが胸に挿した青バラを見て、その青バラの意味を問いかける。そしてクロヴィスと一行の姿を見て、ジル・ド・レとジャンヌは彼らを送り出すのだった。いよいよ残りはレイナ一人。一行はレイナのもとへ向かおうとするのだが、そこへ時計ウサギとツヴェルクが駆けつけてくる。そしてレイナたちのいる城が襲われたことを知る。
逃亡する巫女
開幕:ルイス・キャロルはカオス・ドニアザードと交戦していた。カオス・ドニアザードに対して攻撃できないルイス・キャロルは防戦一方になるが、そこへ一行が駆けつける。そして一行はカオス・ドニアザードと戦うことに…。
終幕:カオス・ドニアザードを退けた一行はレイナを追って、城の外へ向かう。一方、アリス、白雪姫、赤ずきんを連れて逃げ出したレイナは三人を助けるために、自ら囮になって飛び出していく。だがその直後、三人のもとにカオス・お菓子の魔女が姿を現した。
まっさらな僕らの運命
開幕:三人に迫るカオス・お菓子の魔女だが、アリスたちはレイナとの約束を守るために啖呵を切って、立ち向かう。するとエクスたちがそこへ現れ、カオス・お菓子の魔女と対峙する。はたして両者の戦いの行方は…。
終幕:カオス・お菓子の魔女を倒したエクスたちだが、レイナの行方がわからない。焦るエクスの脳裏にファムのイメージがよぎる。そのイメージに導かれるようにエクスは走り出す。一方、レイナは倒れた木に足を挟まれ、身動きが取れなくなっていた。迫り来るヴィランにレイナは諦めそうになるが、そこへエクスが駆けつけてくる。初めて会ったときとおなじようにレイナを助け出したエクス。こうして仲間たちはふたたび集うことになる。
奪われた『主役』
開幕:エクスたちはルイス・キャロルから、『再編』の発動のためにある場所へ向かうよう告げられる。いつもの軽口を叩くルイス・キャロルに見送られながら、一行はある場所へ向かう。だが、ルイス・キャロルには限界の時が密かに近づいていた。
終幕:ある場所へたどり着いた一行はそこで馴染み深すぎる女神、キュベリエに出くわす。相変わらず抜けているキュベリエにレイナたちはツッコミを入れるが、彼女の口から“シンボル”とそれにまつわるモリガンの陰謀が語られる。モリガンの企み、それはすべての想区がひとつになった世界で自らが『主役』になるということ。そのために“ガラスの靴”を利用しようとしていたのだ。そしてこの事態を阻止するためには“シンボル”の本来の持ち主であるシンデレラの協力が必要であることを知る。
想像し、創造する力
開幕:エクスたちは灰かぶりの村に帰ってくる。だが村ではモリガンから送られてきた招待状の話題で持ちきりになっていた。なんとモリガンは想区に集った者たちを呼んで舞踏会を開こうとしているらしい。一行は状況の整理も兼ねて、しばらく村で休むことに。
終幕:その夜、エクスが石碑のそばにいるとシンデレラが話しかけてくる。シンデレラにとってフェアリー・ゴッドマザーは大切な友人であり、辛いとき、悲しいときにいつも寄り添ってくれる存在だった。エクスはシンデレラにフェアリー・ゴッドマザーを助け出すことを約束する。一方、レイナはルートヴィッヒ・グリムと出会い、彼女が授かった『再編』の力について聞かされるのだった。
決戦前夜
終幕:エクスが宿に戻ると、仲間たちは明日の決戦のことで盛り上がっていた。話をする彼らはふとしたことからファムのことに話題がおよぶ。エクスはファムの最後を話し、仲間たちは改めてファムを追悼する。そしてこれからの未来について話し合う。そんな彼らの姿を見つめる創造主たちもまた決戦に備えて、準備を始めるのだった。
運命の舞踏会
開幕: いよいよ迎えた舞踏会の当日。シンデレラはいつもの村娘の姿で城へと向かう。一方、エクスたちはジャックに連れられて、豆の木を登っていた。豆の木を登った先に、城へ潜入する方法があるというのだが…。
終幕:天の頂にたどり着いた一行はアリババ、モルジアナに出会う。そこで彼らが用意した籠を見て、一行は“千夜一夜物語の想区”で行ったある無茶な作戦を思い出す。そして悪い予感が的中し、ふたたびあの作戦を実行することに。
一方、舞踏会に集ったシンデレラたちが緊張感に包まれる中、モリガンが姿を現わす。
新世界の扉
開幕:モリガンを前にして、集った者たちはもとの想区へ帰すように告げるが、モリガンは自分こそが彼らの運命を変えられると告げる。それに反抗するジョン・シルバーは砲弾を撃ち込み、モリガンと『運命の書』の持ち主たちの戦いが始まる。
一方、城へ潜入した一行も舞踏会の会場に向かって急いでいた。
終幕:モリガンを前に、倒れ伏す『運命の書』の持ち主たち。モリガンは“万象大全”の力で彼らの運命を書き換えようとする。そして、敗北した彼らによって、『主役』であると認識されるようになる。それに立ち向かおうとするシンデレラもモリガンの力に屈しそうになるが、そこへエクスたちが現れる。
創造主たちの帰還
開幕:エクスたちはモリガンと対峙。モリガンは舞踏会の会場にいる者たちを人質にし、殺そうとするが、そこへ創造主たちが駆けつける。それぞれの力でモリガンの語る運命を無効化した創造主たちはエクスたちに戦うよう後押しする。そんなモリガンは切り札として、カオス・アーサーを召喚するのだった。
終幕:カオス・アーサーを破った一行だったが、モリガンは創造主たちの限界が近づいていることを看破する。創造主たちがいなくなったとき、モリガンを遮る者は今度こそいなくなる。それでもエクスたちは諦めない。そしてレイナもまたモリガンに向かい、未来の姿を想像し、創造することを宣言。すると『箱庭の王国』が光り出し、「ある語り部の兄弟」が姿を現わす。
新たなる『主役』たち
開幕:ついに揃ったグリムノーツのメンバーたち。彼らは力を合わせ、モリガンの運命の改変に対抗する。さらに『再編』の力に目覚めたレイナにはモリガンの運命の改変に対抗する力が備わっていた。怒りをあらわにしたモリガンは一行に襲いかかる。
終幕:ついに一行はモリガンを追い詰める。モリガンは城を崩壊させ、撤退を図ろうとする。だがそこへ、洗脳が解けたフェアリー・ゴッドマザーが姿を現し、城の崩壊を阻止。さらにフェアリー・ゴッドマザーは自らの魔法をエクスたちにかける。モリガンと戦う一行はこの想区に集う者たちから『主役』として承認され、さらに創造主たちの運命の改変、レイナの『再編』の力により、モリガンは倒される悪役に降格していた。怒り狂うモリガンはヴィランを呼び寄せるが、そこへ「あの男」が姿を現わす。
『空白の書』
開幕:屋上へと逃げたモリガン。そこへ一行が追いついてくる。しかしモリガンは聖杯の力によって、自身の能力を最大限に引き出し、おぞましき怪物の姿に変身する。想区の決着をつけるために、エクスたちは最後の戦いに挑む。
終幕:まだ倒れぬモリガンは暴走し、エクスを自らの内部に取り込んでしまう。モリガンの内部で苦しむエクスだったが、そのとき『魔法の鏡』がひとりでに発動。鏡から“通りすがりの魔女”が飛び出し、エクスを救い出す。モリガンは取り込んでいた魂を失い、ついに力尽き倒れる。一行は現れた仲間の姿から、『空白の書』がなんのために存在するのか。その意味を悟るのだった。
誰も知らない童話
開幕:フォルテムの城の崩壊が始まった。エクスたちは創造主たちそれぞれと別れを交わし、城を去っていく。すると別れ際にルートヴィッヒはエクスのことを妙に気にかける。ルートヴィッヒと約束を交わしたエクスは「それじゃ、また!」と言い残し、その場をあとにするのだった。
終幕:朝日を眺めながら、創造主たちは最後の会話を交わす。それぞれ一行の前途を祈りながら、消えていく創造主たち。しかしルートヴィッヒはある予感を抱いていた。城から脱出したエクスたちはロキ、カーリーたちに別れを告げ、いよいよ『再編』を発動させようとする。『空白の書』の持ち主たちに訪れる結末を知ったエクスたちは旅の果てに待つ未来に想いを馳せる。だが、レイナが『再編』を発動させようとした瞬間、ある異変がエクスに襲いかかる――。
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