概要
大学在学中から発揮されていたという、高度な建築技術の手腕で知られる一方、作中の建築業界では極めて異端な存在であり、中村青司の手掛けた館には、必ず「なんらかの隠し部屋・隠し通路・隠しギミック」などが設置されている。
大分県の角島という孤島に、内装が全て青で統一された青屋敷と、その名の通り外観が十角形になっている十角館という奇妙な館を建てて妻・和恵とひっそりと過ごしていたが、ある時一人娘の千織が事故死。
後日、自身も妻や使用人らと共に、青屋敷にて殺害されたというが……。
彼の死亡以来、シリーズを通して設計した館にて数々の連続殺人事件が起こっている。
本人の秘密主義、及び自宅兼仕事場であった青屋敷が焼失したため、彼が手掛けた建築物が何処にどれだけ有るかは謎に包まれている。
推理作家・鹿谷門実はそんな青司の館に惹かれる人物の一人である。
弟の紅次郎によれば偏屈な人物だったようだが、『びっくり館の殺人』では美音(みお)という少女にびっくり館を模したびっくり箱を与えた事が語られ、意外と子供には優しかったのかもしれない。
ゲーム『ナイトメア・プロジェクトYAKATA』では色付きの眼鏡を掛け、あごひげの似合うなかなかダンディな容姿として描かれている。
このゲームでは原作と構造は異なるものの、彼の設計した館を擬似的に探訪できるので、興味の有る方はプレイしてみてはいかがだろうか?
もちろん、そのカラクリ趣味も遺憾なく発揮されている。
余談であるが、名探偵夢水清志郎事件ノートシリーズ「消える総生島」では、中村青司が手掛けた洋館が登場する。