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仙北鉄道

せんぼくてつどう

宮城県にかつて存在していた軽便鉄道である(メイン画像は同鉄道で活躍したキハ2406)。
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概要編集

かつて宮城県に存在していた軽便鉄道

栗原市南東部の瀬峰駅と同市南部の築館駅を結ぶ築館線、および瀬峰駅から東へ向かい登米市登米(字が同じだが、読みは前者が『とめ』で後者が『とよま』)に至る登米(とよま)線の2路線から成っていた。

2路線とも1960年代までにいずれも廃止されている。


歴史編集

仙北軽便鉄道(のちの石巻線を開業させた)など複数の会社が1910年代に宮城県北部を横断する軽便鉄道の構想を相次いで出していたが、いずれも計画倒れに終わっていた。これを実現させるべく地元市町村が会社を発足させたことで登米線の計画が進展、これに相乗りする形で築館線の建設も決定された。

1921年7月に登米線の瀬峰~佐沼が先行開業し同年9月に全通、続いて1923年7月に築館線が開業。


最盛期には一日最大12往復の列車が運行され、その中には軽便鉄道らしからぬ10両以上の長編成の貨物列車もあるなど活況を見せていた。

また、1930年代にはガソリンカーを導入しており、さらに1950年代には国鉄より20年以上早く無煙化を達成するなど、かなり意欲的な試みが多く見られたのも特徴である。


しかし戦後の相次ぐ台風被害により1950年に築館線が廃止され、残った登米線も設備の更新費用がネックとなり1968年に廃止された。


廃止後の駅や関連施設は多くが民家やバスターミナルなどに転用され、線路跡は大半が道路となった。

また、同線で使用された車両の一部は磐梯急行電鉄(元・日本硫黄沼尻鉄道部)へと譲渡されたが、程なくこの鉄道も廃止されたためあまり活躍できず、その後の行方も不明となっている。



駅一覧編集

登米線編集

距離(km)駅名開業年備考
0.0瀬峰1921年東北本線の同名駅に隣接する。車庫併設。
2.7沼崎下1934年
4.5西郷1921年機回し線および倉庫への引き込み線あり。
7.5高石1921年交換設備あり。
10.0板倉1934年
12.5佐沼1921年のちにミヤコーバス営業所となる。
13.8東佐沼1950年
16.7石森1921年かの有名な特撮作品群の生みの親である漫画家・石ノ森章太郎の出身地。ペンネームもこの地名から採られているとのこと。
19.2上沼1921年交換設備・側線・貨物ホームあり。
20.9浅水1921年「水越」から1947年改称。
22.6米谷1921年貨物ホーム・機回し線あり。スイッチバック存在。「米谷浅水」から1947年改称。
24.4小島1956年
26.4浅部1934年
28.6登米1921年機回し線・貨物側線あり。車庫併設。

築館線編集

距離(km)駅名開業年備考
0.0瀬峰1921年(登米線に同じ)
1.5藤里1923年
(不明)新生園前1941年
6.2太沢1923年貨物側線あり。同線の整備拠点を併設。
9.3玉萩1923年
12.6築館1923年

余談編集

  • 当初出ていた軽便鉄道構想の一部では築館~石越~登米の区間を結ぶこととなっていた。後年、栗原電鉄に石越~登米~志津川を結ぶというこの構想に近い延伸計画が存在したが、結局こちらも幻に終わっている。
    • ちなみに国鉄にも田尻から登米付近を経由して本吉に至る路線の構想があったものの、これもやはり予定線止まりとなった。

  • 会社としての仙北鉄道は戦前からバス事業に進出しており、登米線廃止の時期には仙台鉄道などと合併し社名を「宮城バス」に変更していた。その後、同社は仙南交通(元・秋保電気鉄道)をはじめとする他社との合併を繰り返し規模を拡大、県内最大規模のバス会社である宮城交通へと成長した。

  • 会社は廃止後に両線とも線路跡の道路をほぼそのまま通る形でバスを走らせており、のちにJR気仙沼線大船渡線で導入されることとなるBRT(バス高速輸送システム)の先駆けと言える運行形態をとっていた。ちなみにBRT化された両JR線にて運転業務を委託されているのは宮城交通の子会社・ミヤコーバスである。
    • 築館線に至ってはさらに挑戦的で、鉄道として運行する登米線とホームを共用する形でバスを発着させていた


関連項目編集

軽便鉄道 廃線


宮城県

宮城交通

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