概要
CV:瀬戸麻沙美
一つ結びした髪型とくの一のような霊装<隠形霊装・三四番(イズナ)>を纏った準精霊の少女。
“第一〇霊属”の支配者・“人形遣い(ドールマスター)”主催のバトルロワイアルの参加者の1人だが、その実態はその見た目通りの役職を担う生粋の忍びの者で、バトルロワイアルに参加しているのも、自身が仕えている“姫(我儘な性格らしい)”と呼んでいる“第一〇霊属”の支配者とは別霊属の支配者(ドミニオン)である華羽(名前は2巻で判明)の命により、各霊属の支配者たちの会合にも姿を全く見せない(一応、代表者として彼女の最もお気に入りデザインの天使の姿をした人形が彼女の代表として送り込まれている模様) “人形遣い”の情報を得るためにやって来たというのが真相である。なお、大多数の準精霊たちと同じく、隣界へ来た際に以前の記憶の殆どが失われているようだが、我儘とはいえ主に尽くすことを第一に考える真面目な性格の持ち主。
ゲームが開始された後、最悪のカードである蒼と対決する羽目となり、自身の能力を駆使して何とか今まで得られた少ない情報を彼女へと伝えると、ゲームを放棄し離脱しようと試みるが叶わず、蒼の<天星狼>の餌食となり、喪失(ロスト)。
乃木あいあいに次ぐ第二の脱落者となってしまった。
と思われていたが、続く第2巻の終盤で何事もなかったかのように登場していた為、喪失したと思われたのはどうやら見せ掛けであったようだ………。
かと思われていたが、実は彼女の姉にして第七領域の支配者である佐賀繰由梨が何らかの能力(無名天使?)で生み出した存在である事が判明。その為、本当に準精霊なのかどうかも怪しい存在であり、どうやら1巻で喪失した人物は3人いる(由梨が生みだせる唯の人数には制限があり、その人数が3人と決まっている)うちの1人であったようだ。
その正体は姉である由梨が既に喪失しまった自身の妹の姿そっくりに作成したからくり人形で一種のアンドロイド的存在。
その為、生粋の準精霊ではないが、それ故に陰謀渦巻く“隣界”においては唯一信頼できる存在として支配者からは絶対の信頼を置かれている。
“第一〇霊属”で喪失した唯とは別に華羽に使えている唯と姉の由梨に付き従っている唯がいるが、彼女たちは“一品型”と呼ばれる心と感情を持った個体で、高度な人工知能でも組み込まれているのか自我を持っており、他の“一品型”同士の記憶を共有することが出来るようだ。この能力を使って主に各領域の諜報活動や情報収集などを行っている。
その他には多数の“量産型”と呼ばれる個体が存在しており、こちらは主に姉の支配領域である“第7領域”での雑務や治安維持など、由梨の私兵や使用人などの役割を担っている。また、“量産型”の唯たちの目を通して由梨は領域の隅々まで監視の目を張り巡らせており、彼女たちの口を通じて他者と会話することも可能。
“量産型”の唯は由梨が健在な限り、力の源である“霊結晶”から無尽蔵に生産できるため、その圧倒的物量からの人海戦術の前にはさしもの精霊すらも対処できないが、自分でメンテナンスを行える“一品型”の唯と違って自我というものをほとんど持たない彼女たちは創造主である由梨が喪失すると途端に機能を停止してしまう弱点が存在する。
“一品型”の唯は基本的にはからくり仕掛けの人形である為、痛覚というものは存在しておらず、自身の役割を果たせないままに消えゆく事には恐怖を抱きつつも死ぬことに対しては怖くないと感じているようだが、さる理由から色々と壊れている姉の由梨に対して思う事があるようで、内心では心を痛めているが、生みの親である由梨を止めることに足して後ろめたさもあって自身の感情を押し殺していた。しかし狂三や響との出会いを通じて姉が引き起こした数々の悲劇を始めて直視し、自身が姉の所業をもっと早く止めていれば防げたかもしれないという思いから姉の元から離れると姉を止める為に狂三達に協力し、自らの意思で初めて歩く決意を決断する事となる。
なお、先にも述べたようにオリジナルの唯は少ない描写から推測するに姉とは違う道へと進もうとしていたようだが、描写からある理由で姉に縛られる生活を強いられており、その事が原因となって喪失(明言は無いが、どうやら姉に殺されたようなものであった模様)してしまったようだ。
発顕する無銘天使はやや大型の苦無<七宝行者(しちほうぎょうじゃ)>。
“量産型”の唯には特殊な能力自体は無いが、“一品型”の唯には特殊な力が備わっており、これを相手の周囲に展開し結界を張る事で一時的に相手を結界内に封じ込める事が出来るが、最大の特徴は視覚、聴覚、嗅覚、触覚、味覚といった相手の五感を一時的に封じ込めてしまう事が出来る。
その為、これに刺された者は一時的とはいえ五感を封じ込められた相手は想像を絶するまさに地獄を味わう事となる。
また、彼女の霊装を引き千切ると折り鶴型の伝令鳩ととなり、これを伝令係として使役する事が可能であるようだ。